インテルが期待する「Sandy Bridge」と「女子力」:「IDF 2010のTech Inside並みに話しています」(2/2 ページ)
インテルは、Intel Developer Forum 2010(IDF 2010)で紹介された次期主力CPU「Sandy Bridge」の詳細説明を日本の関係者を対象に行った。
第2世代に進化するIntel HD GraphicsとTurbo Boost Technology
第2世代に進化したIntel HD Graphicsでは、3D処理性能の向上が取り上げられたほか、省電力とパフォーマンスの最適化、メディア利用機能の強化、CPUとの最適化が図られたことが説明された。Intel HD Graphicsに内蔵するエクゼキューション・ユニット(EU)も新しい世代となり、並列性の向上とシェーダ実行の効率化、並列分岐の効率化、演算処理能力の向上などで、スループットはEU1基あたり4〜20倍になったとした。

Sandy Bridgeに統合されるグラフィックスコアも第2世代に進化する(写真=左)。エクゼキューション・ユニット(EU)の効率化が進み、EU1基当たりのスループットは現在の4〜20倍になるという(写真=右)また、Sandy Bridge最大の特徴でもある、CPUと同じダイに統合されたメリットとしては、キャッシュパーティションが変更可能であることや、グラフィックス向け帯域の拡大、低いレイテンシやキャッシュの効率化に伴なうDRAMアクセスの削減が紹介されたほか、CPUの細かい電力管理がグラフィックスコアでも利用できることで、両者を考慮した最適な電力を判断できるとした。
さらに、CPUコアとグラフィックスコアで電力を動的に再配分できることや、CPUコアとグラフィックスコア間でラストレベルキャッシュを共有できるほか、メモリコントローラとPCI Expressインタフェースも統合することで、低いレイテンシと省電力を実現する。また、モジュラーアーキテクチャを採用することで開発生産コスト、電力、パフォーマンスの最適化が実現するとともに、コアの数を変化させた派生モデルの開発時間が短縮できるのもメリットになるという。

現役の「Westmere」は同じ“パッケージ”にCPUコアとグラフィックスコアを載せた「Multi Chip Package」だが、Sandy Bridgeでは、同じダイに統合した「Full Sillicon Integration」となる(写真=左)。同じダイに統合されたことで、電力管理、パフォーマンス、開発生産コストが最適化された(写真=右)
グラフィックスコア以外に、PCI Expressインタフェース、DMI、メモリコントローラとあわせてパワーユニットも内蔵したことで、チップ内に統合したすべての機能で電力管理が可能になったほか、リンクバス接続でパフォーマンスの向上が可能になる(写真=左)。また、CPUとグラフィックスコアで最終レベルキャッシュを共有することで、グラフィックスデータで使う帯域幅の拡大のほか、システムメモリで使うDRAMの効率向上、省電力が期待できる(写真=右)冷えているうちに“ぎゅん”と使う
土岐氏は、Sandy Bridgeで導入される次世代のTurbo Boost Technologyについても説明した。次世代のTurbo Boost Technologyでは、「使い始めは温度がまだ上がらない」ことに注目し、アイドルから動作状態に移行した直後の「温度が上がっていない」タイミングに定格TDPを上回る電力をかけてパフォーマンスを向上させ、温度が上がるにつれて、駆動電力を段階的に落としていく。TDPを超えるタイミングは数秒間にとどまるが、この改善によって、起動や立ち上がりの待ち時間が短縮する効果が期待できるとしている。
Sandy Bridgeで導入される「次世代」のTurbo Boost Technologyでは、アイドルから動作状態に移行した直後数秒間の「温まっていない状態」で定格のTDPを超える電力を供給してパフォーマンスを上げる関連キーワード
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