第3回 「VAIO P」と競馬のオイシイ関係:第2世代VAIO P ロードテスト(2/2 ページ)
競馬場でレースを観戦しながら、あるいは競走馬を撮影しながら、手元で予想したり勝馬投票できたりする「VAIO P」は、理想的なミニPCかもしれない。
競馬場のインターネット回線事情
競馬場でPCを使う場合に大きな問題は、インターネット回線だろう。データベース用の成績やオッズのデータを取得するにも投票するにもインターネットに接続できる回線が必要だ。最近の競馬場には「iスポット」といって、備え付けのPCや持ち込んだPCで競馬を楽しめるスペース(有料)が用意されており、一部の指定席では無線LANサービスも行うなど、IT/PCを活用できる環境が整ってきている。しかし、iスポットは22席(中山競馬場の場合)と少ないし、そもそも撮影することが最大の目的なので、筆者にとってiスポットや指定席という選択肢はない。
無線LANサービスが一般の入場客でも利用できるかどうかは、JRAのWebページなどにもはっきり書いていないが、とりあえず試してみた。競馬場で分からないことがある場合はインフォメーションセンターに行けば、だいたいは解決する。というわけで、インフォメーションセンターのお姉さんに「無線LANを使いたいんですけれど……」と聞いてみると、「どこでも使えるわけではないですが、iスポット付近なら使えると思います」といって、SSIDとパスワードを書いた紙をくれた。電波が届く範囲内にいれば、指定席の入場客専用というわけではなく、誰でも使えるようだ。
まずはスタンド2Fの43番柱付近(端のほうである)にあるiスポットに向かい、そのすぐ隣にある「メディアホール」の中で試した。大型のビジョンと音響設備を囲んでしっかりしたイスが用意されており、映画館のような雰囲気でゆったりと競馬が楽しめる施設だ。イス席は空いていないが、脇にあるテーブルにちょこっと置いて回線を確認した。
無線LANのアクセスポイントはすぐに見つかり、パスワードを入力すると直ちに使えるようになった。速度もサクサクで、「Radish Network Speed Testing」にアクセスして回線速度を測定してみると、下り9.702Mbps、上り6.327Mbps……「ウホッ」という感じである。
競馬場の無線LANサービスは意外に使える
iスポット付近では快適に無線LANサービスを利用できることが分かった。ほかの場所ではどうだろうか。メディアホールに1番近い出口からスタンドに出てみる。シルバー席のある付近、ゴールからは230〜250メートルくらい離れている。そこでは下り3.819Mbpsとかなり速度が落ちた。
ちょっと通信速度が落ちてきたかなと思いつつ、そのままコースのラチ沿いに移動した。撮影でもコーナーを回ってくる馬群を狙う場合、この辺りに来ることもある。計測すると逆に下り6.9Mbpsと速くなっていた。これは意外にイケる。
そのままゴール前へ向かってラチ沿いに電波の変化を見つつ移動すると、ゴール前100メートルくらいの地点(内馬場への入口付近)で通信が怪しくなってきた。ちなみに中山競馬場はゴール前のラチが高くなっているので、ラチ沿いで撮影するならこの周辺が定番のスポットだ。日差しが強いと液晶ディスプレイの表示が見にくくなるが、輝度を高く(最高か1段階下くらい)すれば実用上問題ない。
ここでの計測結果は下り1.375Mbpsだったが、いつも安定して通信ができるかは微妙なところだ。そこで、WiMAXと3Gでのデータ通信も試してみた。WiMAXがちゃんと使えるかどうか不安もあったが、問題なくつながり、速度は3.159Mbpsと速い。ストリーミング映像も問題なく視聴できた。b-mobileは0.293Mbpsとデータのダウンロードは結構辛いが、投票だけなら十分だろう。
ちなみに、今回確保した場所はラチ沿いではなく、ゴール正面のスタンド2F近くの座席だ。さきほどの結果から無線LANサービスの利用は絶望的かと思われたが、意外に通信は安定していて、下り3.917Mbpsとかなりの速度だった。
前述したiスポットからはかなり離れた場所だが、3F〜4Fの指定席も無線LAN対応のため、スタンドに近い外の座席というのも意外に通信環境がよいのかもしれない。
正直、試してみるまでは競馬場での無線LANサービスに関しては、ほとんどアテにしていなかったのだが、意外にも十分実用で使える印象だ。WiMAXとの併用なら、さらに心強い。
なお、競馬場からの帰りは、筆者にとってあまりなじみのない街でVAIO Pをガイドブック代わりにして散策し、食事もしてきた。それについては次回リポートしたい。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- 2010年PC秋冬モデル:ソニー、「VAIO」秋冬モデルを発表――カラバリ拡充、USB 3.0搭載
ソニーは「VAIO」の2010年秋冬モデルを10月9日より順次発売する。USB 3.0の採用など基本スペックを底上げし、カラーバリエーションを拡充をした。 - 新モデルの情報を随時更新:ミニノート/Netbook/UMPCのすべて
新作が続々と登場するミニノートPC。人気のVAIO type Pはもちろん、東芝や富士通、シャープといった国内メーカー製の新型Netbookに注目だ!! - 第2世代VAIO P ロードテスト:第1回 「VAIO P」でb-mobileを使ってみる
外出先で「VAIO P」をカバンから取り出すと、「おっ」と、多少なりとも驚きの反応をもって迎えられる。その好奇の反応、視線が少し恥ずかしくもあり心地よい。 - ポケットINより安心:「VAIO P」の純正ケースを選ぶ――実用重視からブランドコラボまで
ポケットスタイルPCこと「VAIO P」の2010年夏モデルは、ビビッドなカラバリで知られるが、純正ケースもやたらと豊富だ。今回は実物を使い比べてみた。 - これぞ夢の共演!?:VAIO PをiPadの外付けキーボードとして使ってみた
新型VAIO PをPS3のBluetoothキーボードとして利用できるソフト「リモートキーボード with PlayStation3」がアップデートし、何とiPadとつながるようになった。 - 直販/店頭/旧モデルをガッツリ比較:「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(後編)――“Z560+US15X”の真価を問う
新型「VAIO P」で一番気になるポイントは、直販モデルで選べる高クロックのCPUと新チップセットではないだろうか? ついに“Z560+US15X”がベールを脱ぐ。 - PS3のリモート操作も可能:「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(中編)――内蔵センサーがもたらす価値とは?
新型「VAIO P」の大きな特徴としては、加速度/地磁気/照度センサーの内蔵やPS3リモートプレイ機能が挙げられる。レビュー中編はこうした付加価値を見ていく。 - 一般向けの先行予約販売を開始:「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(前編)――新世代ポケットスタイルPCの実力は?
ついに、新型「VAIO P」直販モデルの一般向け先行予約販売が始まった。薄さ19.8ミリ、最軽量構成で595グラムの人気ミニノートPCは何が変わったのか、じっくり検証する。 - 完全分解×開発秘話:「VAIO P」の新ボディをいきなり丸裸にする
“つつむ、たたむ”をイメージした新ボディに生まれ変わった「VAIO P」。中身はそれほど変わらないかも……と思いながら開発者に分解してもらったが、実は大違いだった。 - 無線LAN+WiMAXを標準搭載:立ったまま、“寝ながら”でも使える新「VAIO P」──テーマは「ずっと一緒のPC」
ソニーが新「VAIO P」のお披露目イベントを実施。加速度センサーやタッチセンサー型ポインティングデバイス、WiMAXなどを新たに備え、「立ったまま」「寝ながら」「どこでも」OKとする工夫を多数盛り込んだことをアピールした。 - 2010年PC夏モデル:ソニーが新型「VAIO P」を発表――デザイン一新、タッチパッド追加、加速度/地磁気/照度センサー内蔵
4月28日に開始されたティーザー広告の「VAIO New Ultra Mobile」とは、初のフルモデルチェンジを果たした「VAIO P」だった。5月22日に発売される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.