タブレットとして使ってもらいたい「ICONIA TAB W500」:キーボードがあると甘えてしまいますから
日本エイサーは、4月13日にAMDのAPU“Fusion”低消費電力モデル“Ontario”こと「C-50」を搭載した「ICONIA TAB W500」を発表。その製品説明会を行った。
Ontarioを採用したタブレット“PC”です
「ICONIA TAB W500」は10.1型の静電容量式タッチパネル内蔵ディスプレイを搭載(解像度は1280×800ドット)してWindows 7 Home Premiumを導入したタブレットPCだ。システムメモリとしてDDR3を2Gバイト実装し、データストレージとして32GバイトのSSDを内蔵する。本体にはSDメモリーカードとマルチメディアカードに対応するカードリーダーを用意するほか、2基のUSB 2.0とHDMI出力も備える。また、無線接続としてIEEE 802.11 b/g/n対応の無線LANとBluetooth 3.0が利用できる。
本体サイズは275(幅)×190(奥行き)×15.95(厚さ)ミリで、重さは約0.97キロ。搭載するバッテリーは3セルタイプで、バッテリー駆動時間はHDビデオの連続再生で約4時間、Webブラウジングで約6時間、スタンバイ状態で約100時間という。なお、バッテリーとシステムメモリ、SSDは交換も増設もにできないと日本エイサーは説明している。
OSはWindows 7 Home Premiumを導入するモデルを個人ユーザー向けに用意するほか、法人向けにWindows 7 Professonalを導入した「ICONIA TAB W500P」も用意する。実売予想価格は個人モデルで約6万円。法人モデルは案件ごとに条件が異なるため、価格は明らかにしていない。日本エイサーの資料では、予約受付開始は4月20日だが発売予定は5月下旬となっている。
なお、CeBIT 2011などのイベントで展示していたICONIA TAB W500では、キーボードを搭載したドッキングステーションを用意していたが、今回日本で出荷するモデルでは省かれている。この理由について日本エイサーは、「キーボードがなくても生産性は維持できる」と説明するほか、「タブレットデバイスとしてタッチ操作で使ってもらいたい。キーボードがあるとそれを使ってしまうので」と述べている。
2001年からタブレットPCに注目してきたのです
日本エイサー代表取締役社長のボブ・セン氏は、ICONIA TAB W500の紹介に先立ち、同社が2001年に初めてのタブレットPCを市場に投入してから、このカテゴリーに注力してきたとアピールした。さらに、PCの出荷台数で世界第2位のAcerは、その規模を生かして最新のテクノロジーを採用したモデルを高いコストパフォーマンスで提供することで、業界を活性化するという考えを示した。
ICONIA TAB W500の具体的な説明は、同社プロダクト&マーケティングコミュニケーション部 スマートハンドヘルド シニアプロダクトマネージャーの山下昌宏氏が行った。日本エイサーが展開してきたAspire、TravelMate、Timelineに加わる新しいサブブランドとして立ち上げたICONIAでは、「ユーザーに面白いと思ってもらえる製品を提供することに意義がある」(山下氏)というコンセプトを実現するために、タッチ操作を基本としたユーザーインタフェースを導入し、ビジネス利用でもプライベート利用でも使ってもらえる製品を目指している。
さらに、山下氏はモバイルブロードバンドの発達と軽量薄型ボディが可能になるフォームファクタの登場、クラウドコンピューティングと呼ばれる技術の普及など、技術的な変化とともに、SNSユーザーとデジタルコンテンツの増加やタッチインタフェースの一般化によって、PCを使う目的がこれまでのコンテンツ製作からコンテンツ消費にシフトしているとした上で、ICONIAブランドの製品がAcerのラインアップの中でモバイル利用とコンテンツ消費を重視したモデルになると説明する。
ICONIA TAB W500の登場で、日本市場のICONIAブランドは、デュアルディスプレイ搭載のクラムシェルデバイス「ICONIA」と、スレートのタブレットデバイス「ICONIA TAB W500」の2モデル展開となる。ICONIAブランドでは、Tegra2を採用したタブレットデバイスも公開されているが、これについても山下氏は「ICONIAブランドの製品は日本でもこれから増えていく予定」と述べている。
山下氏は、ICONIA TAB W500の特徴について、「実用的でビジネスにも使えるタブレット」「直感的なタッチ操作によるユーザーエクスペリエンス」「ダークカラーを基調にした落ち着いたデザイン」という3点を挙げたほか、システム構成ではOSにWindows 7 Home Premium(もしくは、Windows 7 Premium)を採用、プラットフォームにはAMDのAPU“Fusion”で低消費電力タイプの“Ontario”ことC-50を搭載、そして、ユーザーインタフェースには独自開発の“Acer Ring”を導入したほか、宅内ネットワークで権利保護コンテンツを共有できる“clear.fi”に対応することが紹介された。
タブレットのために追加購入はもったいない
説明会には、ゲストとして日本マイクロソフト エバンジェリストの田中達彦氏が参加して、タブレットデバイスのOSでWindowsを導入するメリットを訴えた。
田中氏は、Windowsを導入することで、タブレットデバイスでも使い慣れたソフトウェアやすでに使っている周辺機器を続けて利用できるほか、システム管理でもPCと同様に行えることやセキュリティ機能もPCと同様の強度が維持できることを挙げている。
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