“やっぱり頼れるモバイルノート”ThinkPad X220を使う:見た目以上に変わっています(3/3 ページ)
ThinkPadで小型軽量シリーズの最新モデルは、最新プラットフォームを採用してその実力が格段に向上したという。変更されたキーボードとあわせて検証した。
やっぱり頼れる性能だった
重さ1キロ台で12.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載した1スピンドルノートPCという、モバイル利用を重視するモデルの場合、長いバッテリー駆動時間やクーラーユニットの軽量化を図るために、TDPの低い低電圧版、超低電圧版のCPUを採用する例が多い。消費電力を抑えて、かつ、発熱量も抑えることができるが、それを動作クロックを下げることで実現するため、往々にしてユーザーは性能を我慢することになる。この極端な例がAtomを搭載したNetbookだろう。
しかし、軽量の1スピンドルモバイルノートPCでも、高い性能を必要とするユーザーは多い。利用するサービスの高機能化に合わせて、モバイル利用といえど遅いノートPCではストレスがたまる局面も増えている。
そういうユーザーの要求に応えるために、ThinkPad X220では、先ほども紹介したようにTDP35ワットのCPUを採用する。ここでは、標準構成で搭載するCore i5-2520Mを搭載した評価機材で、ベンチマークテストを走らせ、ThinkPad X220の性能を確認する。CPU外の評価機構成は、OSが32ビット版のWindows 7 Professionalで、メモリがDDR3を4Gバイト搭載(ただし、有効なのは約3Gバイト)、データストレージは容量320Gバイト、5400rpmの「HTS543232A7A384」を搭載する。
ベンチマークテストの結果 | ThinkPad X220 | |
---|---|---|
PCMark Vantage Build 1.0.2.0 | PCMark | 6533 |
memories | 4001 | |
TV and Movies | 4287 | |
Gaming | 4160 | |
Music | 5601 | |
Communications | 8631 | |
Productivity | 4448 | |
HDD | 3270 | |
PCMark 05 Build 1.2.0 | PCMarks | 7632 |
CPU | 9263 | |
Memory | 10003 | |
Graphics | 4822 | |
HDD | 4613 | |
CrystalDiskMark3.0 | Read-Seq | 62.58 |
read-512K | 27.54 | |
Read-4K | 0.383 | |
Read-4KQD32 | 0.603 | |
Write-Seq | 61.6 | |
Write-512K | 27.86 | |
Write-4K | 0.716 | |
Write-4KQD32 | 0.723 | |
3DMark06 Build 1.0.2 | 3DMarks | 1642 |
CPU Score | 3546 | |
CINEBENCH R10 | Rendering(Single) | 4110 |
Rendering(Multiple) | 8838 | |
CINEBENCH R11.5 | Open GL | 10.59 |
CPU | 2.71 |
12.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載する1スピンドルノートPCとしては、1.46キロとやや重いThinkPad X220だが、それだけに、バッテリー駆動時間は長く、キーボードは快適に使えて長時間の入力作業でも十分に耐えられる。そして、パフォーマンスは、ThinkPad T420sに迫るだけの結果を出している。
「いざとなったら頼れるノートPC」というのが、モバイルコンピューティングを長らく続けているベテランユーザーからThinkPadシリーズが選ばれる大きな理由だ。ThinkPad X220は、性能、バッテリー駆動時間、キーボードのいずれでも、ベテランユーザーを満足させることができるだろう。それは、多くのユーザーにとっても「頼れるノートPC」になるはずだ。
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