MacBook Air、Mac mini、Thunderbolt Display――アップル新製品説明会:新モデルの特徴を解説(2/2 ページ)
Macの最新OS「Lion」の販売開始とともに、3つの新製品がリリースされたことを受けて、アップルが国内説明会を実施した。新製品のポイントを見ていこう。
初めて外部GPUを搭載した「Mac mini」
続いて新型「Mac mini」を見ていこう。ポイントは3つだ。2010年のモデルチェンジで変更した幅197ミリ×奥行き197ミリのアルミユニボディを引き継ぎつつ、MacBook Airと同様にSandy Bridge世代のシステムに刷新したのがまず1つ。これに応じて、上位モデルにMac miniで初めて外部GPU(AMD Radeon HD 6630M)を採用した。同社によればCPUとグラフィックスの両方で性能が最大2倍に向上したという。また、2011年に入ってから投入された他のMacと同じく、Thunderboltポートも搭載されている。
その一方で、SuperDriveが省かれ、サーバモデルと共通のデザイン(本体前面にドライブのスリットを持たない)に改められた。MacBook Airと同じく、近くにあるPCの光学ドライブを無線経由で利用するDVD/CDの共有機能はあるものの、LionにあわせてソフトウェアのインストールはMac App Storeで、動画や音楽などのコンテンツはiTunes Storeでダウンロードさせたいという意図があるのかもしれない。
なお、新型Mac miniは、ビデオ出力としてThunderbolt(最大2560×1600ドット)とHDMI(最大1920×1200ドット)を備えているが、AMD Radeon HD 6630Mを搭載する上位モデルは、デイジーチェーンで最大2台のApple Thunderbolt Displayに出力できる(mini DisplayPort接続の場合は1台まで)。
「Thunderbolt Display」はノート型Macのドッキングステーション
世界初のThunderbolt接続ディスプレイである「Apple Thunderbolt Display」は、ノート型Macでの利用を想定して作られた「Chinema Display」と考えると分かりやすい。
IPSパネルを採用するディスプレイ部のスペックは、視野角が水平/垂直178度、輝度375カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1と、従来のChinema Displayと変わらないが、背面にレイアウトされたインタフェースは大きく異なる。新しいThunderbolt Displayには、3基のUSB 2.0に加えて、FireWire 800とギガビット対応LAN、そしてThunderbolt対応デバイスを最大5台までデイジーチェーンできるThunderboltポートが並んでいる。
MacBook Airに搭載されていない有線LANや、ThunderboltケーブルにMacBook Pro/MacBook Airを充電できるMagSafe電源アダプタがついている点などを見ると、いかにもノート型Macのドッキングステーションという構成だ。モバイルノートPCを使っているユーザーの中には、自宅用と会社用に2つのACアダプタを持っている人がいるかもしれないが、会社のデスクにThunderbolt Displayが置いてあれば、広い画面で作業ができるだけでなく、MacBook Pro/MacBook AirのACアダプタを持ち運ぶ必要がなくなるのもちょっとうれしい。
以上、OS X Lionとともに登場した新製品の特徴を見てきた。すでにアップルストア銀座では、MacBook AirとMac miniの店頭販売も開始されている。早速購入を考えている人は、会社や学校帰りに銀座に立ち寄って、OS X Lionをプリインストールした新型Macの操作感を体験してみてはいかがだろうか。
「MacBook Air」をApple Storeで購入する
8万4800円から購入可能になったスリムノート。
「Mac mini」をApple Storeで購入する
Lion搭載。価格は5万2800円〜。
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