“Sandy Bridge”な「MacBook Air」を新旧比較(前編):旧型ユーザーは涙目か(2/2 ページ)
第2世代Core iを搭載する新型「MacBook Air」が登場した。アーキテクチャの世代で見ると、Penrynから一足飛びにSandy Bridgeへ移行しており、性能はなんと最大で2.5倍も向上したという。本当?
キーボードバックライトが復活
もう1つ目を引く変更点はキーボードにある。2010年発売のMacBook Airは、かつての高級路線から一転してエントリーモデル並みの価格になり、同時にキーボードバックライトなども省かれていたが、今回は全モデルでこれが復活した。周囲の明るさに応じて、自動的にキートップの文字が光るので、照明を落とした寝室などでもきちんとタイピングできる。ベッドでうつぶせになりながらノートPCを使う筆者のような人間には地味にうれしい機能だ。
キーボードは、11/13インチともに主要キーを19ミリピッチ、キートップのサイズを15ミリ正方でそろえたアイソレーションタイプを採用する。最上段のファンクションキーだけ11インチモデルと13インチモデルで異なり、前者は縦のサイズが5ミリ、後者は9ミリになる。11インチモデルのファンクションキーは一見するとかなり細いが、きちんとキーの間隔があるため、押し間違うことは少ないだろう。
また、キーボードをよく見ると、ここにも新旧モデルの違いがある。OS X Lionは、これまでのExposeとSpacesを統合した「Mission Control」や、iPadライクなUIに変える「LaunchPad」といった新機能を持つが、新型MacBook AirのF3とF4キーの印字は、これに対応したものに変わっている。もっとも、ノート型Macの真骨頂は、広いトラックパッドを使ったマルチタッチ操作にあるので、実際にこれらのキーを押すことはほとんどないかもしれない(Mission Controlは3本指で上方にスライド、LaunchPadは4本指で“つかむ”操作をすると即座に呼び出せる)。
OS X Lionは、マルチタッチジェスチャーによる操作に最適化されているため、広いトラックパッドを標準搭載するノート型Mac、特にデスクトップ領域が制限されやすいモバイル型のMacBook Airでこそ有用だろう。例えばMission Controlは、一見すると何やら繁雑な印象を受けるものの、実際に使ってみればそれがすばらしくよくできたデスクトップ管理の仕組みであることに気づく。3本指でパッドをすっと上になでると即座に現在起動中のアプリケーションが一望できるのが心地よく、なんとなくMission Controlを呼び出したり、LaunchPadに切り替えるのがクセになってしまうほどだ。ただし、iPadを模したLaunchPadの実用性については疑問なところもある。この機能は将来的に画面タッチで操作できるiMacが登場したら真価を発揮するかもしれない。
ExposeとSpacesの機能を統合した「Mission Control」や、iPadのようなルック&フィールの「LaunchPad」、全画面表示に対応したアプリケーションなど、マルチタッチジェスチャーを使う新機能が多い。Safariのページ送り(2本指スワイプ)など、操作に感覚的な気持ちよさがある
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最新世代のシステムで性能を大幅アップ
前編の最後では、Mac OS環境で簡単なベンチマークテストを実施した。比較対象として挙げたのは、新型MacBook Airが11/13インチともに下位モデル、そして旧MacBook Airの11インチモデルだ(1.4GHz動作のCore 2 Duoを搭載する「MC506J/A」と、CTOでCPUを1.6GHz動作のCore 2 Duoに変更し、4Gバイトメモリを搭載したモデルの2機種)。CINEBENCH R10とCINEBENCH 11.5、およびiTunesを使ったエンコード時間を測定している。
今回比較した機種 | ||||
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型番 | 新型11インチ(MC968J/A) | 新型13インチ(MC965J/A) | 旧型11インチ(MC506J/A) | 旧型11インチ(CTO) |
CPU | 1.6GHz Core i5 | 1.7GHz Core i5 | 1.4GHz Core 2 Duo | 1.6GHz Core 2 Duo |
アーキテクチャ | Sandy Bridge | Sandy Bridge | Penryn | Penryn |
メモリ | 2GB(1333MHz DDR3) | 4GB(1333MHz DDR3) | 2GB(1066MHz DDR3) | 4GB(1066MHz DDR3) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 3000 | Intel HD Graphics 3000 | GeForce 320M | GeForce 320M |
ストレージ | 64GB SSD | 128GB SSD | 64GB SSD | 128GB SSD |
液晶ディスプレイ | 11.6型(1366×768ドット) | 13.3型(1440×900ドット) | 11.6型(1366×768ドット) | 11.6型(1366×768ドット) |
CINEBENCH R10のMultiple CPUスコアは、新型11インチのMC968J/Aが6500、新型13インチのMC965J/Aが7494と、旧型に比べて高いスコアをマークした。特に同じ11インチの新旧モデルであるMC968J/AとMC506J/Aを比べた場合は、220%以上の性能向上が見られる。OpenGLのスコアも同様に、旧型11インチのMC506J/Aが3154であるのに対し、新型11インチのMC968J/Aは4383と、138%近くスコアを伸ばしている。
なお、CINEBENCH 11.5は新旧比較ができなかったが、OpenGLのスコアは11インチのMC968J/Aが9.87fps、13インチのMC965J/Aが10.81fpsという結果となった。グラフィックス機能に同じIntel HD Graphics 3000を使う11インチモデルと13インチモデルでも性能差が見て取れる。
iTunesを使ったエンコードの実測値は、Appleロスレスファイル(再生時間10分)のAAC変換と、QuickTimeファイル(再生時間 1分)の「iPod/iPhone用」変換の双方で、処理時間を大幅に短縮している。モバイルノートPCながら、動画のエンコードにもそれなりに使えそうな印象だ。
以上、新型MacBook Airの特徴を改めて振り返りつつ、Mac OS環境下での簡単なベンチマークテスト結果を見てきた。“最大2.5倍高速”をうたうアップルの言葉通り、世代を一足飛びに超えた基本システムの変更により、性能が大幅に向上しているのが分かる。
続く後編では、Windows環境下での各種ベンチマークテスト結果や、バッテリー駆動時間を見ていこう。
「MacBook Air」をApple Storeで購入する
8万4800円から購入可能になったスリムノート。
「Mac mini」をApple Storeで購入する
Lion搭載。価格は5万2800円〜。
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