「国内トップPCメーカーの役割」──NEC、原点回帰“とことんサポートPC”投入の狙い:半数以上は、まだPC初心者
NECが初心者向けの施策を盛りこんだ「とことんサポートPC」を投入。初心者がつまづくポイントを補完し、同社の一般PCシリーズより手厚く、独特の専用サポート体制を製品そのものに盛りこんだ。
一般シリーズとは異なる「徹底サポート体制」を追求した初心者・シニア層向けPC
NECパーソナルコンピュータは10月1日、初心者向けPCの新モデル「LaVie とことんサポートPC(LS200/FS)」を発表。2011年11月2日に発売する。
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とことんサポートPCは、同社製一般PCシリーズと比べて「サポート面の充実」を大きく訴求する初心者向けPCの新機軸シリーズ。PC初心者の利用実態を調査し、“どこにつまずいていたか”を分析し、PCのハードウェア面、インストールソフトウェア、そして“分かるまで・できるまで”を丸ごとサポートする導入・活用サポートを含めて1つの商品に仕上げた。
個人向けPCを展開するNECパーソナルコンピュータは、中LenovoグループとNECが設立した合弁会社の、2011年7月に発足した子会社の1社(もう1社はレノボ・ジャパン)。NEC製の個人向けPCは「安心・簡単・快適」をポリシーに、特にサポートの強化を行う方針としている。2011年9月に発表したPC製品電話サポート「121コンタクトセンター/使い方相談」の永続無料化(2012年1月より)に続き、より満足度を高める新たなサポート体制の開発に注力する姿勢だ。
「Lenovoグループとの合弁で、国際調達力向上によるコスト圧縮効果を低コスト化だけでなく、よりユーザー満足度を高める方向にも活用する。今後、ユーザーそれぞれに“これは価値だ”と思ってもらえるNECにしかできないサポートの開発にも投資する」(NECパーソナルコンピュータ コンシューマPC商品企画本部の栗山浩一本部長)
昨今、PCはコモディティ(日用品)化し、すでに広く普及したもの/生活になくてはならないもの/あたり前にあるものとする背景はある。ただし、国内においては約33%がPC未利用者、そして利用者のうち約23%が初心者。つまり半数以上はPCを応用して自在に活用できるほどの知識は有していないという。
PC初心者は、
- 使い始め、導入(やりたいけど、まず何をやればいいのか分からない)
- 使い方そのもの(やってみたけど、途中で挫折した。マニュアルそのもの、専門用語が分からない)
- 困ったときの頼り(教えてくれる人がいない/近くにいない)
など、PC利用で対面する壁がいくつか存在する。
PC初心者であっても購入者の7割はPCならではのクリエイティブ作業──写真アルバム作成、はがき作成、文書作成を行いたいとは望んでいる。PC中級者以上の読者なら1度は初心者にPCの使い方を教えたことがあると思うが、どう教え、解決へ導いたか。これをそのままLaVieとことんサポートPCのユーザーサポートがまかなってしまう格好だ。
特に「初期設定出張サービスの無償提供」は、国内初(2011年10月現在、NEC調べ)の試みとなる。とことんサポートPC購入者は、PC本体の設置、インターネット接続設定、プリンタやカメラの接続・設定、まずはじめの使い方など、約90分の訪問・マンツーマンサポートを(購入後1年以内に1回)無料で利用できる。家電量販店やテレビ通販など訪問サポートをサービスの1つとして用意する販売店も存在するが、こちらを製品に“標準添付”したイメージだ。
また、ターゲットユーザーは電話によるサポートも重要。NEC製PCだけでなく、他社ソフトや周辺機器を含めたPC全体の使い方、故障診断や修理受け付けまで、期間の制限なく無料で利用できる、コンシェルジェ的な専用コールセンターも設ける。同社の電話サポートスタッフのうち、選りすぐりのスタッフが受付を担当するという。
ソフトウェア面についても、常に開く専用のお手軽・簡単メニューを軸に、筆ぐるめおてがるモードやOutlookおてがるモードなど、独自の簡単メニューを設けた機能を同じく独自の動画ナビゲーションとともに動画で確認しながら操作できる。
NECの一般PCシリーズにも基本的なユーザーサポートはもちろん用意するが、とことんサポートPCは、PCスペックにおけるCPU性能やテレビ機能搭載といったことと同様に「壁を越える・あるいはなくすための専用サポート」を差別化ポイント/付加価値に据えた。はじめはみんな初心者だった。つまづくポイントを押さえ、それをしっかりサポートする。それを乗り越えれば応用できるようになる(上達する)──。そして、人口の半数以上のターゲット・幅広いユーザー層に訴求するのが狙いだ。当然、高リテラシー層に対しても「家族、親に購入してあげる」などといった選択肢は大いにアリだと思われる。
初心者・シニア向けには、富士通「らくらくパソコン」シリーズも存在する。シニア層の普及率が高い携帯電話「らくらくホン」シリーズとの簡単連携機能やタッチ操作でも扱える点(LaVieとことんサポートPCはタッチパネル非搭載)など一部に違いあるが、この層に対して「徹底して分かりやすく」とする方向性は同じだ。成長が鈍った、PCではなく今後はタブレットなどと言われることもあるが、国内PC事業については原点回帰ともいえる、国内メーカーならではの施策を今後盛んに打ち出してくるのだろうか。
「PCに詳しい層には“そんなことよりああすればいい。なぜクラウドメール全盛の時代にわざわざOutlookを使わすのだ”などという声はあるかもしれないが、それは一定以上の知識があり、応用・活用方法も知っているため。そうなるまでにどうしていたか、よりたくさんの人にPCを使ってもらうには、どの工夫が必要かを改めて深くじっくり検討・検証した。NECが長年培ってきたサポート力を駆使し、お子様からシニアまでPC利用者全員をカバーしたい。このカバレッジの広さはどこにも負けないと自負する。これが国内トップPCメーカーの役割と思っている」(栗山本部長)
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