世界の艦船の位置は「Google Maps」で見れば分かる(条件付):勝手に連載!「海で使うIT」(2/2 ページ)
この超私的な連載では、国会の発言やアジアの緊張状態とは全然関係なく、世界中の船舶動静を把握する方法をここに暴露す……、おっと、だれかがきたようだ。
電子航法システム並みの機能を持ったMarine Traffic
詳細情報で示す項目は、AISで取得するGPSの位置データや速度、針路、船が入力する船舶関連情報の船名、種別、運用状況(航海中か係留か)、全長と幅、目的港と入港予定日時、そして、表示しているAISデータを受信してから経過した時間のほかに、ユーザーが撮影してMarin Trafficに登録した船の画像も確認できる。詳細情報を開くと船舶の最高速度と平均速度、さらに呼出符号からAISで示す海域の風速風向、気温まで把握できてしまう(気象情報は数値計算予報に基づくデータと思われる)。
さらに、ここからログとして保存している航跡情報を表示したり、Google Maps上でユーザーが指定するポイントまでの距離と方位、そして、現在の速度から算出した到達予定時刻まで求めることが可能だ。
また、関連事項として用意している「近隣船舶」の項目では、選択した周囲にいるほかの船舶の針路や速度、距離と方位、そして、衝突の可能性がある船舶がいる場合は、その予想位置と時間まで警告する機能まで用意している。
というわけで、世界の軍艦の位置はGoogle Mapsで分からないわけではない
Marine Trafficでは、AIS情報を利用してリアルタイムで船舶位置を表示する「ライブマップ」のほかに、世界中でAISデータを受信している船舶をリストにして表示する機能も用意している。ここでは、船舶名や船の種類で検索することも可能だ。なお、船舶種別を「特殊艇」にして、「船舶種別」でソートすると、だいたい6ページ目あたりから「軍用船」のリストを確認できる。ここを利用すれば、世界中の海域で行動している軍艦の情報を把握することが可能だ。
ただし、このサービスは陸上の施設で受信できるAISデータを利用するため、沿岸を航海する船舶の動静把握に限られる。また、主に500総トン以上の内航船と300総トン以上の外航船(それとすべての外航旅客船)に搭載と運用が義務付けられているが、この対象外でAISデータを発信していない船舶は表示できない。なお、海上自衛隊艦船と海上保安庁船艇はAISを搭載し、船舶輻輳海域では積極的に運用している。
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