「dynabook V713」実力診断(前編)――薄型キーボードドックで“タブレット+Ultrabook”を可能に:この着脱型ノートは一味違う(2/2 ページ)
東芝のUltrabookにディスプレイ着脱式モデルが新登場。手書き入力へのこだわりが魅力的なマシンだが、薄型のキーボードドックで合体時の厚さを20ミリ未満に抑えるなど、ボディにも見どころは多い。
最薄部4ミリの薄型キーボードドック
タブレット部分とキーボードドックの着脱は楽に行える。装着時はタブレットをキーボードドックのヒンジに差すだけでしっかりと固定でき、分離時もヒンジ部のロックをカチャッと解除すれば取り外せる。
キーボードドックの実重量は584グラムで、タブレット部分と合わせると1427グラムとなる。11.6型Ultrabookと考えるとかなり重いが、着脱機構を備えたノートPCとしては妥当な値だ。
ディスプレイ着脱型のノートPCは、着脱のギミック部分があるぶん、クラムシェル型のマシンよりも厚くなりがちだが、V713は合体時の厚さを16.9〜19.9(厚さ)ミリに抑えており、厚さ20ミリ以下というUltrabookの要件を満たしている(本来は18ミリ以下だが、タッチ対応PCは20ミリまで認められる)。
ヒンジ部を含むキーボードドックの後方は約19ミリと厚いが、手前のキーボード部分は約4ミリと非常に薄く仕上げており、キーボードドック前方にタブレットを収納することで、薄いボディを実現した。タブレット上面(と下面)の厚さをわずかに絞り、丸みを持たせているため、合体して持ち運ぶときも、手に収まりやすいところは好感が持てる。
キーボードドックは左側面にUSB 2.0、背面にアナログRGB出力とHDMI出力、ギガビットLANポートを配置する。キーボードを使って本格的に作業するような場面では、有線LANがあるのはありがたい。なお、キーボードドックはタブレットに接続している外部デバイスという扱いとなる。キーボードドックに周辺機器を接続していても、キーボード部の右上にあるイジェクトボタンを押せば、すぐにドックごと取り外せる。
同種の他製品と異なり、キーボードドックにバッテリーを搭載していない。キーボードドックと合体させても消費電力は増えないようで、バッテリー動作時間は変わらない(公称値では約7時間)としている。また、キーボードドックの重量がタブレット部よりもはるかに軽いため、ディスプレイを約100度までしか倒せないところには注意したい(それ以上チルトできる設計にすると、タブレットの自重で転倒してしまうからだ)。特にひざに置いて使おうとすると、ディスプレイがかなり見づらくなるところは少し残念だ。
6段アイソレーションキーボードとデュアルポインティングデバイスを装備
キーボードドックに用意されている85キーのキーボードは、6段配列のアイソレーションタイプを採用した。主要キーのキーピッチは実測で19(横)×18(縦)ミリだ。半角/全角キーがファンクションキーとともに最上段にあり、キーサイズが12(横)×9(縦)ミリと小さい点や、左右両端に横幅が狭いキーが一部あるが、極端に打ちにくいキーはない。
キーボード部が薄いためか、キーストロークは約1.02ミリとかなり浅い。タイピング時にキーの反発力はあるものの、キーの打感は弱い。軽い力で打てる一方で、しっかりとしたタイプ感を求めるユーザーは物足りないと感じるかもしれない。とはいえ、この薄さでもキーボードバックライトを搭載したのは評価できる。
ポインティングデバイスはタッチパッドとスティックの2種類を搭載する。Webブラウズでは2本指でのスクロールなどが楽に行えるタッチパッドを使い、文章作成時はホームポジションから手を動かさずスティックで素早く操作するなど、デュアル仕様ならではの使い分けが可能だ。
ただしタッチパッドのサイズが85.5(幅)×44(奥行き)ミリと、奥行きが狭くやや使いにくいところは気になった。タッチパッドの下部に左/右クリック用の領域を用意しているものの、奥行きが9ミリと狭くタップしづらい。一方、タッチパッドの左上をダブルタップすると、タッチパッドの有効/無効を切り替えられるのは便利だ。通常はUSBマウスを接続して使うときに有用な機能だが、本機はスティックだけを使う場合にも役立つ。右上をダブルタップすると省電力機能の「ecoユーティリティ」が起動し、電源プランが“eco”に変更される。
タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバが導入されており、2本指でのスクロールやつまみズーム、回転に対応する。このほか、3本指で指定したプログラムを起動させたり、4本指でのウインドウ切り替え機能などを利用可能だ。チャームの表示といったWindows 8のジェスチャー機能にも対応する。
以上、dynabook V713の外観やキーボードドックなどをチェックした。中編以降では、ディスプレイとペン入力の評価や、各種ベンチマークテストを実施する。
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