冬ボで欲しいアップル製品――「iPad Air」編:最新タブレットレビュー(2/2 ページ)
年末商戦向けに投入されたアップル製品を冬のボーナスで購入しようと検討している人は多いはず。「冬ボで欲しいアップル製品」の第1回はiPad Airを取り上げる。
パフォーマンスと発熱:iPad miniよりも性能は上、発熱も優秀な結果に
CPUの処理性能を測るGeekbench 3の結果を見ると、同じA7チップを搭載するiPad mini RetinaよりもiPad Airのクロックが100MHzほど高いため、すべてのスコアで上回った。一方、PerformanceTest Mobileでは、CPUとメモリはiPad Airが高かったものの、Diskのリード/ライトはiPad mini Retinaのほうが高い。
描画性能を測る3DMark(Ice Storm ExtremeのGraphics test 1/Graphics test 2/Physics testを抜粋)とベンチマークサイトのPEECEKEEPERも同様の傾向で、ともにiPad Airが良好な結果となった。ただ、その差は小さく、使用時にこれらの差を感じることはなさそうだ。
発熱テストは非常に優秀な結果となった。室温25度の環境で、Youtube動画を30分連続再生したときのボディ背面の温度と、ベンチマークテストを30分連続実行した際の背面温度の結果を下に掲載する。なお、後者のテストは、スチル製と木製のテーブルに置いた状態でそれぞれ計測した。
長時間負荷をかけた状態でもそれほど熱くならず、気温が低い冬に発熱が気になることはほとんどなさそうだ。また、iPad mini RetinaよりiPad Airのほうが熱くなりにくい。どちらも背面左下を中心として発熱する傾向にあり、画面に正対する状態でボディを持つと右手の位置にくる。右利きの人は左手でiPadを持つ人が多いと思われ、この点でも発熱を感じにくい。
バッテリー駆動時間:12時間のロングライフバッテリーで充電を気にせず利用できる
最後にバッテリー駆動時間を計測した。画面輝度50%(自動調光オフ)、無線LANをオン/Bluetoothをオフにし、WebブラウザのSafariでYouTubeのSD映像をリピート再生した結果は、12時間21分とiPad mini Retinaよりもバッテリー駆動時間は長い。携帯性はiPad mini Retinaに劣るが、カバンの中に入れて常時持ち歩く、というスタイルで活躍しそうだ。
まとめ:美しい画面とこなれた操作性――Mac/iPhoneユーザーは迷う必要なし
写真や動画、Webニュースなどのメディアブラウザとして、PCよりも手軽に利用できるタブレット製品は人気カテゴリの1つ。Android端末だけでなく、最近ではBay Trail-T搭載Windows 8端末が数多く投入され、選択肢は幅広い状況になっている。ただ、iOSの作り込みやアップルが提供する各種サービスを考えると、万人向けという意味ではやはりiPadは頭1つ抜けている感がある。現在iPhoneやMacを使っている人なら、迷う余地はほとんどないと言っていい。
iPad AirとiPad mini Retinaのどちらを選ぶかは自分の想定する用途次第だが、画面サイズが一回り大きく、表示品質も高いiPad Airは、写真の閲覧や動画の視聴をメインに使う人に向いている。ボディが薄く、軽くなったとはいえ、通勤時の電車で立ったまま電子書籍を読む、という用途ではやはりiPad mini Retinaのほうが使いやすい。
次回はそのiPad mini Retinaを取り上げよう。
製品名 | iPad Air |
---|---|
メーカー | アップル |
OS | iOS 7 |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 169.5×240×7.5ミリ |
重量 | 469グラム(Cellularモデルは478グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 9.7型(IPS) |
アスペクト比 | 4:3 |
タッチパネル | 静電容量式 |
ディスプレイ解像度 | 2048×1536ドット(264ppi) |
CPU(2コア) | A7+M7 |
動作周波数 | 1.4GHz |
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 1GB |
ストレージ | 16GB/32GB/64GB/128GB |
無線LAN | 802.11a/b/g/n MIMO |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
センサー | デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光 |
主なインタフェース | ヘッドフォン(3.5mm)、Lightningコネクタ、500万画素iSightカメラ、120万画素FaceTime HDカメラ |
メモリーカードスロット | − |
スピーカー | ステレオ |
マイク | デュアルマイク |
セキュリティチップ | − |
セキュリティロックポート | − |
公称バッテリー駆動時間 | 10時間 |
バッテリー仕様 | 32.4Wh |
カラーバリエーション | スペースグレイ、シルバー |
オフィススイート | iWork |
16GB/32GB/64GB/128GBの価格(Cellularモデル) | 5万1800円(6万5800円)/6万1800円(7万5800円)/7万1800円(8万5800円)/8万1800円(9万5800円) |
発売日 | 11月1日 |
関連記事
- 新旧モデルの横並び比較も:「iPad Air」は「iPad mini Retina」より高画質は本当か?――測色器で徹底チェック
iPad miniがついにRetinaディスプレイを手に入れ、9.7型でも7.9型でも非常に高精細な表示が味わえるようになった。しかし、iPad Airと並べてみると、意外に発色が違って見える。そこで、2台の色再現性を検証した。 - 林信行が指南:2つの新型iPad、どちらを買うべきか迷ったら考えること
アップルがクリスマス商戦に向けて発売した「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイ」。どちらも魅力的で、違いは本体サイズだけ。林信行氏の答えは? - ポストPCの中心に――iPad Airに「タブレットの理想」を見た
多くの人のライフスタイルを変えてきた「iPad」は、世紀の大発明だったといえよう。そんなiPadシリーズの最新モデルとなる「iPad Air」を、いち早く試す機会を得た。“Air”の使い心地はどのようなものか。体験を交えながらリポートしたい。 - 林信行の「iPad Air」先行レビュー:iPad AirとiLife/iWorkが描く「未来へのなだらかなシフト」
iPad Airは、その名の通り、時代の“空気”を変えてしまうiPadになるかもしれない。クラス最軽量の薄いボディに次世代の性能を詰め込んだiPad Air。ここに6つの無料アプリとiCloudが加わると、1歩足を踏み入れれば2度と抜け出せなくなる快適な未来が広がり始める。 - 写真と動画でチェック:軽い!速い!「iPad Air」と「iPad mini Retina」の実機体験リポート
アップルが国内メディア向けに新製品タッチ&トライイベントを開催。新型iPadの実機を早速触ってきた。 - 11月1日発売:7.5ミリ厚で469グラム、より薄く軽くなった新iPad「iPad Air」登場
Appleが「iPad」の新モデル「iPad Air」を発表。iPad miniと同様の狭額縁デザインを採用し、薄型軽量のボディを実現した。CPUも刷新し、処理能力とグラフィックス性能ともに従来比で2倍に。無線LANの最大速度も約2倍の300Mbpsとなっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.