スマホ料金、もっと安く──低価格SIMサービスの“音声通話対応”と事業者間接続料の改定に注目:ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(2/2 ページ)
2014年2月〜2014年3月初旬のモバイル通信&ルータ事情で注目したい項目をピックアップ。“ほぼ全部入り”な特徴を持つLTEルータが登場、加えて「音声サービス対応」の低価格SIMサービスも増えてきた。
下り最大150Mbpsに対応、クレードル付きLTEルータ「Wi-Fi STATION L-02F」が登場
NTTドコモのLTEルータとして初となる“150Mbps通信”対応ルータ「Wi-Fi STATION L-02F」(以下、L-02F)が2014年2月22日に発売された。
こちら、2月1日に突如販売がはじまったMVNO向けLTEルータ「AtermMR03LN」に遅れをとったので、(発表こそすでにしていたものの)残念ながら「国内初登場」ではなくなってしまったが、ドコモの販売するLTEルータでは初となるクアッドバンド(800M/1.5G/1.7G/2GHz帯)LTEに対応しており、東名阪の一部エリアで下り最大150Mbpsの通信に対応する。下り最大150Mbpsの通信速度は、2014年3末時点で国内のモバイル通信サービスの理論値としては最速となる。
L-02Fのバッテリー容量は前モデル「L-03E」と同容量(3.7V/3600mAh)ながら、連続通信時間が3G接続時で16時間、Xi接続時で13時間とプラス1時間ほど延長された。タッチパネル操作対応や、それにともなうディスプレイの大型化で連続動作時間への影響が少し心配だったのだが、いざ公式スペックにおいてはよい意味で予想を裏切るものだった。また、前モデルはちょっと慣れが必要だったジョグキーもタッチ操作スタイルに変わり、幅広いユーザーが比較的容易に操作できるよう変更されている。現在L-03Eを使用する人も、動作時間のみの面だけ見ても乗り換えてもよいと思えるものと感じる。
また、2014年3月末までの期間限定になるが、毎月の通信料を割引く「月々サポート」額が1050円/月(最大2万5200円分)増額されるキャンペーン「新生活Xiルーター割」が行われている。一般的に、NTTドコモのデータ通信端末に適用される「月々サポート」の額は、強烈にプッシュするiPhoneや最新Androidスマホと違って、1000円/月以下と低めに設定されることがほとんど。この増額特典を生かし、新生活を迎える人にはもちろん、現Xiルータのユーザーもこの割引額との差額と新機種の多機能さを含めて考えてもおいしく乗り換えられるかもしれない。
一方、海外ではポータブルルータとして初となる「LTE Category 6」に対応し、下り最大300MbpsのLTE通信が可能なモデル「E5786」(Huawei製)が発表された。E5786は2014年5月より欧州一部地域などで発売される予定。2014年3月現在、日本での投入は未定とのことだが、国内通信事業者の対応(LTEの高速化)次第で、2014年もLTE通信速度がじわじわ高速化していく道筋もじんわりと見えてきた感じだ。
「イオン」店舗でWiMAX販売店舗拡大、USBモデムを“ワンコイン”で販売
WiMAXサービスを展開するUQコミュニケーションズは、同社の販売代理店である「イオン」系列の販売店舗が163店舗に拡大した。店舗拡大を記念し、WiMAX対応USBモデム「MW-U2510」を460円という低価格にて販売する施策を実施した。
MW-U2510は、最大40MbpsのWiMAXサービスに対応するPC向けUSBスティック型モデムだ。最新世代のWiMAX 2+はもちろん対応しないかなり古い端末だが、通常価格の1万2000円前後に対する460円となれば、モバイル通信をPCで使う人にはなかなか魅力。例えば「業務用として使いたい」というビジネス層、あるいは「引っ越し先の固定光ファイバー回が開通するまで、とりあえず高速な通信環境を確保したい」などの新生活層にお勧めだ。
なお、店舗では端末のみの販売で、回線申し込みは購入者が個別に行う必要がある。とはいえWiMAXは、WiMAXがつながる場所であれば接続料なしにオンラインサインアップできる体制が整っている。USBモデムをPCに差し、一緒にインストールされるWiMAX接続ツールより接続すればよい。ブラウザを開くとサインアップページが自動的に表示されるはずだ。
LTE対応USBモデム「L-03F」も、2014年5月下旬に登場
USBモデム機器としてもう1つ、NTTドコモよりLTE対応「L-03F」(LGエレクトロニクス製)も登場する。
L-03Fは、ドコモのUSBモデムとしてははじめて下り100Mbps以上の通信速度に対応するモデルだ。下り最大150Mbps、800M/1.5G/1.7G/2GHz帯のクアッドバンドをサポートする。
発売は2014年5月下旬予定と少し先であり、個人層にはあまり興味がわかないかもしれないが、ビジネス向けとしては別だ。USBタイプは主にPCで使用するビジネス層に需要がある。より快適に通信するためのクアッドバンド対応+最大150Mbps対応を望むPC利用者に待っていましたという選択肢になりそうである。
関連記事
- 「SIMカード」特集
SIMの基本情報や、MVNOが提供するSIMサービス、そしてSIMロックフリー端末などに関する記事を集約しました。 - ドコモ、タッチパネル搭載のモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION L-02F」を2月22日発売
ドコモは、3インチのタッチパネルを搭載したモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION L-02F」を2月22日に発売する。3600mAhの大容量バッテリーを搭載し、モバイルバッテリーとして利用できる。 - 24時間動作+4バンドLTE+11ac+SIMフリー(予定):もしかして“無双”? ツウ好みの高性能LTEルータ「AtermMR03LN」をねっとりチェック
タッチ操作対応のスリム&軽量ボディ、最大150Mbps のクアッドバンドLTE対応、24時間動作のBTテザリング、12時間Wi-Fi動作、802.11ac、そしてSIMロックフリー(予定)!。モバイラーが“これならっ!”と飛びつきたくなる機能と特長をギュッと凝縮したLTEルータ「AtermMR03LN」の実力を検証する。まずは機能のチェックから。 - 「通話の需要は依然強い」:IIJ、音声通話に対応したIIJmio「みおふぉん」発表
IIJは、データ通信専用で展開してきた個人向けSIMに音声通話対応のラインアップを追加した。最少価格プランでは月額2000円を切る(ただし通話料別)。 - 日本通信、月1080円からの「スマホ電話SIM」をAmazonとヨドバシでも販売
日本通信は、Amazon.co.jpやヨドバシカメラ、自社で販売している「スマホ電話SIM for LTE」の料金プランに、音声通話のみ月額1080円から利用できるプランを追加する。 - 次世代PCデータ通信特集
モバイルWiMAXや3G/HSPAの旬なPCデータ通信から、次世代の高速通信まで、「PCでデータ通信を利用するユーザー」のためのPCデータ通信関連情報を随時更新!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.