サイズ別に“仕事がはかどる”液晶ディスプレイを選んでみた:SOHO/中小企業に効く「ディスプレイ」の選び方(第2回)(3/3 ページ)
液晶ディスプレイの選び方を考える連載の第2回は、法人ユースに適した製品のポイントに加えて、具体的なおすすめモデルを紹介していく。
「保証年数」および「代替機の貸出サービスが用意されているか」をチェック
以上、画面サイズ別におすすめ機種を見てきたが、1つだけ法人用途で特に注意したいポイントがある。それは故障時におけるサポートだ。液晶ディスプレイが故障して映らなくなってしまうと、PCが使えなくなり、業務が滞る原因となる。いかに業務を止めずに機器の修理や交換が行えるかは、個人ユースに比べて重点的にチェックすべきだ。
サポートに関して、購入時に確認すべき点は大きく分けて2つある。1つは保証年数で、細かい付帯条件はメーカーによって異なるものの、例えばEIZOだと5年保証(使用時間は3万時間以内、液晶パネル含む ※2012年7月より前に発売された製品は液晶パネルが3年保証)、アイ・オー・データ機器だと3年保証が付くので、3年保証をうたいつつ、液晶パネルやバックライトは1年保証というメーカーに比べると、価格がやや高価でも選ぶ価値はある。先のおすすめ機種でEIZOやアイ・オー・データ機器の機種をやや多めにセレクトしているのは、そうした意味合いもある。メーカーによっては、さらに有償で延長保証を用意している場合もあるので、法人では予算を組んで処理するのもよいだろう。
もっとも、保証年数はどちらかというと修理代にまつわる部分の話であり、業務を止めないという目的とは直接関係ない。法人ユースで真に確認すべきなのは「修理時に代替機の貸出サービスが用意されているか否か」といっていいだろう。
例えば、EIZOでは保証期間の内外にかかわらず、修理期間中の代替機貸出サービスが用意されているので、前述の5年という保証期間の間は、万一故障してもダウンタイムを最小に抑えられる。またメーカーがこうしたサービスを用意していなくとも、SIerを経由して買った場合は、何らかの代替機を用意してくれるケースもあるだろう。メーカー直販ではなく、代理店経由で買うメリットの1つといえる(いうまでもないが、どれだけのサポートを受けられるかはケースバイケースだ)。
もっとも、これら代替機についてはメーカーやSIerのサービスに頼らず、運用でカバーする方法もある。社内でディスプレイの台数にある程度余裕があれば、故障したディスプレイを一時的に共有PCのディスプレイに置き換えてしのぐ、といった対処が可能だ。この場合、電源内蔵タイプのディスプレイであれば、電源ケーブルの配線もそのままで本体だけを入れ替えられるので、素早く対処できるだろう。
逆にACアダプタ電源の液晶ディスプレイでは、機種によってコネクタの形状が異なるので、配線ごと入れ替える必要があり、そのぶん手間がかかる点は注意したほうがよい。このほか、マルチディスプレイを導入していれば、2台のうち1台が故障しても業務は止めずに済むし、他の従業員のPCが故障した際に代替機として使ってもらうこともできる。代替機の貸出サービスにしても機材の到着までは業務を止めざるを得ないわけで、こうした故障発生直後の対処については社内でリスクヘッジをしておく必要がある。
次回は「マルチディスプレイ」と「ノートPCの外付けディスプレイ」に注目
ディスプレイには、今回紹介した標準的なデスクトップ用途のほか、若干異なる選び方が必要な場合がある。1つは複数のディスプレイを並べて使用するマルチディスプレイ、もう1つはノートPCに接続して使用する外付けディスプレイとしての用途だ。次回からはこの2つのケースにおけるディスプレイ選びのポイントについて紹介したい。
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