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「dynabook Satellite T954/98L」――世界初“4K”ノートPCの実力は?(使い勝手編)最新PC速攻レビュー(2/2 ページ)

東芝がいち早く投入した4Kディスプレイ搭載ノートPCは買いなのか? Officeの有無が選べるWebオリジナルモデルをじっくり試してみた。

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注目ポイント:3840×2160ピクセルの超高解像度ディスプレイを搭載

15.6型ワイドサイズ、3840×2160ピクセル表示に対応する高精細液晶ディスプレイを搭載する。明るく鮮やかで、スタート画面のタイル表示も滑らかで美しい。表示色は約1677万色、リフレッシュレートは60Hz(HDMI出力による4K表示は30Hz)に対応する

 dynabook Satellite T954/98Lの最大の特徴が、ノートPC初の4Kディスプレイだ。画面サイズは15.6型ワイド、表示解像度は3840×2160ピクセルと、ノートPCとしては非常に高い解像度を誇る。画素数は縦横それぞれフルHD(1920×1080ピクセル)の2倍、合計4倍という数字だけでもその精細さはうかがい知れるだろう。

 画素密度は約282ppiを実現している。この数値は、dynabook KIRA Vシリーズの約221ppi(13.3型で2560×1440ピクセル)、FMV LIFEBOOK UH90シリーズの約262ppi(14型で3200×1800ピクセル)を上回り、ノートPCとしては最高クラスの精細さだ。しかも15.6型の大画面なので、同じ画素密度でもスマートフォンやタブレットの小さな画面とは印象が大きく異なる。まるで画面に引き込まれるような立体的な迫力があるのだ。

 この高精細の実現には、液晶の駆動素子材料にIGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素から構成されるアモルファス半導体)を採用していることが大きい。IGZOは通常のアモルファスシリコンに比べて電子移動度が高速でリーク電流が少ないという特性があり、液晶の駆動素子を小型化・省電力化できることから画素の高密度化にとても都合がよいのだ。液晶の配向技術にはIPS方式を採用し、視野角も広い。

IPS方式のIGZOディスプレイにより、広視野角を実現。画面を上下(写真=左)や左右(写真=右)の斜めから見ても、少し暗くなるだけで、コントラストや色度が崩れにくい

 この高精細に加えて、最適な色味を実現するため、1台1台色の調整を行なって出荷しており、ハリウッド映画などで多用されているテクニカラー「Technicolor」の認証を得た色設定を使用している。また、簡易カラーマネジメントツールとして「Chroma Tune for TOSHIBA」をプリインストールしており、色温度やガンマ補正を使用するアプリケーションや作業環境に合わせて色味を変えることが可能だ。

 このツールの詳細、およびディスプレイの計測結果については、すでに先行してレビューを行っているので、そちらも参照していただきたい。目視の印象でも明るく鮮やかで、特に4K品質の高解像度写真や動画を表示させると、ケタ違いの臨場感が得られる。ドットが見える見えないのレベルはとっくに超えた、まさに人間の五感の限界を問う領域をいちはやく体感することができる。

5つのプリセットから色温度やガンマを設定できる「Chroma Tune for TOSHIBA」。アプリケーションに任意の色設定を割り当てて同期させたり、タスクトレイにメニューを表示させて手軽に設定を切り替えられる
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」とソフトウェア「i1Profiler」で液晶ディスプレイの表示を測定したガンマ補正カーブの結果(画像=左)。作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示した色域(画像=右)。いずれもノートPCが搭載するディスプレイとしては良好な結果だ。複数回計測した最大輝度は約330カンデラ/平方メートル、色温度は約6700Kという計測値で、明るく色温度も標準的な6500Kに近い

 さらに、東芝独自の超解像技術(レゾリューションプラス)を導入しており、写真や映像を瞬時に解析し、コンテンツの内容に応じた高画質化を行える。例えば、映像に対しては、極端に明るい部分や暗い部分のコントラストを見やすく補正する「ダイナミックコントラスト」、エッジを鮮明にする「シャープネス」、質感を強調する「テクスチャーエンハンスメント」といった機能がある。

 そして、写真に対しては、質感を強調する「微細テクスチャー復元」、輝き成分を強調する「輝き復元」などがある。空の青や芝の緑などを人がきれいだと記憶している色に近づける「記憶色補正」は写真と映像の両方に対して有効だ。

 4K解像度の写真や動画を使用して4K解像度のムービーを作成できる編集ソフトとして「CyberLink MediaShow for TOSHIBA」や「Corel VideoStudio X6 VE for TOSHIBA」をプリインストールしており、4Kディスプレイをフル活用できるのは、本製品だけのアドバンテージだ。

テキストサイズの変更など、画面に関する設定を簡単に行えるオリジナルユーティリティ「画面設定ユーティリティ」が付属している
「画面設定ユーティリティ」にはレゾリューションプラスの設定も用意されている。レゾリューションプラスは、東芝オリジナルのアプリだけでなく、Internet ExplorerやWindows Media Playerでも有効にできる
AVCHDで撮影したムービーで、レゾリューションプラスのデモモード(左がレゾリューションプラスオン、右がオフ)を使用した(画像=左)。芝や木の解像感、鮮やかさなどが補正されていることが分かる。画面右のスペースを生かしてウインドウの内容を表示する「タスクスイッチャー」は、多数のウインドウを開いて作業する場合などに便利だろう(画像=右)
表示解像度はノートPCとして前例のない3840×2160ドットで、表示できる情報量は1920×1080ドットの実に4倍だ。「画面設定ユーティリティ」であえて「表示領域を最大化(100%)」の等倍で表示させてみたが、情報量、作業領域の広さは圧倒的といえる(画像=左)。テキストサイズ「最適(210%)」を適用した後のデスクトップ表示では、テキストやアイコンが適度に拡大されて見やすくなっている(画像=右)
その精細表示をデジタルカメラで接写した。「表示領域を最大化(100%)」の設定では、あまりの細かさに驚かされる(写真=左)。「最適(210%)」の設定では、アイコンと文字が見やすい表示になる(写真=右)
東芝オリジナルのユーティリティや各種設定には「デスクトップアプリメニュー」からアクセスできる
レゾリューションプラス機能の対応状況
アプリケーション TOSHIBA Blu-ray Disc Player/TOSHIBA Video Player 東芝画面設定ユーティリティ (Windows Media Player、YouTube、RZスイートexpress) TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+
再生するコンテンツの解像度 DVD再生 BD再生 4K再生 SD画質 HD/フルHD画質 4K画質 SD画質 HD/フルHD画質 4K画質
カラーエンハンスメント
ダイナミックコントラスト
シャープネス
テクスチャエンハンスメント

 以上、dynabook Satellite T954/98Lの機能と使い勝手、4Kディスプレイを中心にレビューした。次回はPCとしてのパフォーマンスやバッテリー駆動時間、動作音、発熱などをテストしていこう。


*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

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