「Surface Pro 3」の完成度と、Surface Mini?へ高まる期待:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
日本での発売が7月17日に迫った「Surface Pro 3」。一足先に米国のマイクロソフトストアにて、店員との会話を楽しみながらSurface Pro 3を試用してきた。
Proではない「Surface 3」への期待も高まる完成度
ハンズオンで使ってみると、スペックだけでなく実質的な使い勝手の面でも、「もうSurface 2の後継機は必要ないな」と確信した。もちろん、Surface 2には安価なWindows(RT)端末という別の側面もあった。ずっと高価なSurface Pro 3でそのキャラクターはカバーできないが、軽量で手軽なタブレット型でありながらキーボードも使える日常的に持ち歩く端末として、これまでに存在した2つのSurfaceは、ここで1つに統合されたと感じる。
では「ARM版を搭載したSurface 3は存在しないのか?」というと、そこには以前からウワサされているように小型モデルの「Surface Mini」(あくまで仮称、というより区別するうえでの呼称で、正式な製品名として発表されたわけではない)が出ると目されているからだ。
ホール氏には、このSurface Miniについても尋ねてみた。何しろ、Surface Pro 3が第4世代Core搭載で、このサイズ、重量、バッテリー寿命を実現したのだから、「最新のARM系プロセッサならどうなるか?」とは誰もが想像するところだろう。
「未発表の製品については話せませんよ。しかし、ARMプロセッサ搭載のSurface 2にもニーズはあります。サイズであったり、価格であったり、理由はさまざまです。そしてSurface 2を改善する余地が大きいことも認識してます」とホール氏は慎重な答えだった。
しかし、最後には「引き続きSurface 2を販売していくという事実。それにSurfaceの将来プランに私自身がワクワクしながら待ちわびていること。この2つから類推してください」と話した。
おそらくだが、大画面タブレットはSurface Pro系に譲り、ProではないSurfaceに関してはARM系プロセッサの省電力性を生かし、より小型のタブレットへと展開するつもりではないだろうか。
もっとも、単純に小さくするだけならば、あまた存在するBay Trail-T(Atom)をベースにした8型Windowsタブレットとコンセプトが重なってしまう。もしSurfaceブランドで小型Windowsタブレットを作るならば、当然ながら“新たな製品カテゴリの開拓”を意識したものでなければならないだろう。
ひとまず、Surface Pro 3は期待に近い仕上がりになっている。実際のバッテリー駆動時間や、より多くのストレスフルな環境でのパフォーマンスなどについては、製品入手後にリポートしたいが、(タブレットであることを無視して)ノートPCとして評価した場合でも、魅力的な製品になっていると思う。
しかも第4世代Coreでこの性能だ。もし、60%ものTDP(熱設計電力)削減と最大40%のパフォーマンス向上を果たすという次世代のインテル「Core M」プロセッサなら、どんな製品ができるだろう? Windows自身の進化とともにSurfaceがどのような道に進むのか。久々にPC業界に楽しみなテーマが生まれたように思う。
もちろん、新たな世代のSurfaceが出てくるだけでとどまるのでは面白くない。こうした新コンセプトの製品が実用度を増すことで、他メーカーがより強力な新基軸の製品を返歌とすることも期待したいものだ。
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