「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」の高速移動時ハンドオーバーを試す:注目WiMAX 2+ルータ詳細レビュー(2/2 ページ)
UQ WiMAXの“タダ替え大作戦”の発動でWiMAX 2+移行が進みそうな昨今。WiMAX 2+対応モバイルルータで気になる「電車移動での使い勝手」を検証した。
高速移動におけるWiMAX 2+の接続性とハンドオーバーを検証
- →「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」の高速移動時通信とバッテリー駆動時間をチェックする
- →「HWD14」で現在のWiMAX 2+の挙動を知る──ハンドアップ/ダウン、ハンドオーバー編
モバイルルータの基本性能として、電車通勤の多い都市部のユーザーに重要なのが高速移動におけるWiMAX 2+の接続性とハンドオーバー能力だ。
電車移動におけるWiMAX 2+の接続状況は、時間帯によって大きく変わる。今回も含めたこれまでのWiMAX 2+の検証で利用した東海道線の戸塚から蒲田間(川崎から蒲田は京浜東北線だが)では、ほとんどの区間でWiMAXのときもあれば、半分以上がWiMAX 2+で接続できるときもある。基地局側で何らかの制御しているとしか思えない挙動だが、ハンドオーバーでデータの途切れも基地局密度の違いからかWiMAXが短い場合もあり、WiMAX 2+で接続すれば必ずWiMAXよりも快適とは言い切れない。この事情はHWD15でもNAD11で変わらない。
今回の検証では夜の通勤ラッシュを外したWiMAX 2+での接続率が高い遅めの時間帯で行った。戸塚駅ホームでWiMAX 2+に接続してから東海道線上りに乗車して蒲田まで向かう。この間では東戸塚駅を過ぎたあたりでWiMAXにハンドダウンするが、隣の保土ヶ谷駅より手前でWiMAX 2+にハンドアップ。横浜駅を過ぎて新子安駅のあたりで再度WiMAXにハンドダウンするが、ここも隣の鶴見駅より手前でWiMAX 2+にハンドアップし、川崎駅への到着と前後してWiMAXにハンドダウンする。ここで京浜東北線に乗り換えて川崎から蒲田駅は走行速度の違いもあってか、WiMAX 2+を維持できることが多かった。
今回の検証した経路では最低でも3回は確実にハンドダウンした。HWD15とNAD11では多少のズレはあるもののハンドダウン、ハンドアップの傾向はほぼ同じで、この点は特に性能差はない。ハンドダウンに関しては複数回検証しても同じ挙動なので、エリアマップ上は完全にWiMAX 2+のエリア内でも、エリアカバレッジにまだ穴があるということだろう。
ハンドダウン、ハンドアップにおけるデータの途切れはそれなりに大きく、やはりシームレスとはいかない。アンテナバーが圏外になることはトンネル部分を除くとほとんどなかったが、今回の検証ではハンドダウン時には短くても10秒、長いと30秒程度はデータが流れない時間があった。これを嫌うなら高速移動時にはNLモードにしてWiMAX接続とするのが現状ではベターな運用かも知れない。
同じ時間帯で、南武線の川崎と武蔵溝の口駅間で検証してみた。川崎駅では何度電源を入れ直してもWiMAX 2+に接続できず、WiMAX接続の状態で乗車したものの、隣の矢向駅到着前にWiMAX 2+にハンドアップする。しかし、鹿島田駅でWiMAXにハンドダウン。鹿島田駅を離れるとWiMAX 2+にハンドアップするが、武蔵新城駅でWiMAXにハンドダウン、同駅を離れるとWiMAX 2+にハンドアップして武蔵溝の口駅まで維持できた。
東海道線に比較すると走行速度が遅いためか、ハンドダウン時のデータの途切れは5〜10秒程度だった。またHWD15とNAD11で多少の時間がズレているものの傾向はほぼ同じで、特に性能差を感じることはなかった。
NAD11の場合と異なり、今回の検証ではWiMAX 2+での接続比率が高く、Webページの閲覧ではWiMAX 2+接続で格段に快適だった。一方で、東海道線での高速移動ではハンドオーバーでもデータが流れなくなることを体感する機会が多くあった。これは、横浜と川崎間より戸塚と横浜間が顕著で、都内の山手線でWiMAX 2+に接続し続けているときはハンドオーバーしていることは体感しないので、やはり移動速度に加えて基地局密度の問題は大きいのだろう。
今回の検証経路では、移動中のデータ途切れはWiMAXが少なく、この点はユーザーストリーム対応のツイッタークライアントを使って確認でも明らかだった。基地局密度の問題はWiMAX 2+の基地局密度を上げるしか解決の策はない。少なくとも今回の検証経路において、音声サービスもしている3大キャリアのLTEでハンドオーバーが原因でデータが流れない機会は少なかった。
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