霧の中から初音ミク! 立体映像に触れて操作!――映像を空間に浮かべる最新技術を体験してきた:第1回 先端コンテンツ技術展
「第1回 先端コンテンツ技術展」が東京ビッグサイトで開催された。VRヘッドセットを活用した没入型VR(仮想現実)の出展が目立つなか、実際の空中に映像を映し出すAR(拡張現実)技術の出展を行う企業もみられた。
ミストに映像を投写するプロジェクションシステム
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、高臨場感映像/音響、ホログラム、ロボット、ドローン、3Dプリンタといった最新技術の見本市「第1回 先端コンテンツ技術展」が東京ビッグサイトで開催された。
話題のVRヘッドセットを使った没入型コンテンツの出展が多く見られるなか、空中に映像が投影されるAR技術の出展にも目を引かれたのでご紹介したい。
クリプトン・フューチャー・メディアが出展したのは、ミストを下から上へ吹き上げることで空間上にスクリーンを生成し、背面から汎用(はんよう)のプロジェクターで映像を投写することで大型のスクリーンになるミストプロジェクションシステム「Thru Graph」だ。
Thru Graphは、床置きタイプのミスト発生装置で、本体サイズは854(幅)×600(奥行き)×730(高さ)ミリ。装置本体は強固なステンレスフレームで構成され、人が上に乗っても問題ないという。タンクから水が自動供給されるため、長時間の動作が可能。横にThru Graphを並べることで横幅を広げることもできるため、舞台やコンサートの演出装置、店頭やイベント会場で人がディスプレイの上を通行できるデジタルサイネージとしての活用を見込んでいる。
同社は、他にも初音ミクの3Dモデルをコントローラーで自在に操作できるリアルタイム3DCGコントロールシステム「R3」も同時に展示した。喜怒哀楽やダンスパターンの変化を自由に操ることができる。
目の錯覚を利用した立体映像に……触れる!
展示品のデジタルコンテンツを手がけるメディアタージが出展したのは、AR(拡張現実)と画像処理を組み合わせたデジタルサイネージだ。装置の内部に置かれた液晶ディスプレイの映像を、「空中ディスプレイ」として2011年に話題となったアスカネットの「エアリアル・イメージング・プレート」(AIPlate)に映し出すことで、映像が展示品の地球儀に合わせて浮かび上がったように見える。
さらに、背後に配置されたRGBカメラや深度カメラといったセンサー類で指の位置を検知することで、投影された映像に触れて操作することができる。店頭や企業のPR館、博物館、科学館などの展示物で、ユーザーが楽しめる特殊な仕掛けとして活用が見込めるという。
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