新型iPad Proに旧式iPadユーザーが乗り換えて気づいたこと(移行編):iPad Proへの道
ある日、突然新型iPad Proがあなたと手元に来たらどうしますか。期せずしてそんな事態に直面した、旧式iPadユーザーの戸惑いと希望を一部始終お伝えします。2回目はバックアップからの同期とサイズ比較です。
10月にAppleから発表された新型iPad Proシリーズですが、外観も中身もまさにフルモデルチェンジを果たしました。旧式iPadユーザーだけでなく、従来のiPad Proユーザーも大いに気になるモデルと言えるでしょう。
11型iPad ProにiPad Air 2を復元
前回、普段使っているタブレットは4年選手(発売は2014年)の「iPad Air 2」と、3年選手(同2015年)の「iPad mini 4」とお伝えしましたが、前者は家族共用として、後者は筆者専用のモデルとしての利用です。
そこで、今回は借用した2台の新型iPad Proのうち、ほぼサイズが同じ11型をiPad Air 2の代わりとし、映像や電子書籍のビューワーとして使っているiPad mini 4を12.9型に転生させることにしました。
いつも使っているiPad Air 2が変わったことに家族が気がつくのか否か、実際に新型iPad Proを利用してどう感じたのかを素直に聞いてみたいと思ったからです。もちろん、12.9型の方は電子書籍や自炊した本、Prime Videoの視聴やNAS内にある動画ファイルを見るために、iPad mini 4から大画面になってどれだけ体験が変わるのかを確かめたかったのです。処理速度や画面の見やすさに加え、ボディーの変化による使い勝手などはどのような体験をもたらしてくれるのでしょうか。
さて、家族共用のiPad Air 2はストレージ容量が64GBのWi-Fi+Cellularモデル、カラーはゴールドです。これにApple純正のSmart Caseを装着して使っています。上の写真からも分かるように、4年も使っているとかなりへたっていますね。その分、iPad Air 2本体は表面にガラスをはっていることもあり、見た目はまだまだきれいな状態です。
最初に取りかかったのは、11型iPad ProにiPad Air 2のバックアップを復元する作業です。とはいえ、この11型iPad Proは何とストレージ容量が1TBの最上位モデルで、64GBのバックアップ(実利用は48GBほど)なんて“誤差”みたいなものですね。
実際、iTunesからのバックアップは4分もかからず、アプリの再インストールを含めて昼食のパクチーラーメンを作って食べ終わる前に終わってしまうほどでした。このキビキビとした動作は、ちょっとした操作でもワンテンポ間が空くiPad Air 2を基準にすると頼もしく、キレがあると言わざるを得ません。
悩ましいスリムボディーと峡額縁
無事に復元が終わったので、早速両モデルを見ていきましょう。
ボディーサイズは、iPad Air 2が169.5(横)×240(縦)×6.1(厚さ)mmで重量は444g、一方の11型iPad Proは178.5(横)×247.6(縦)×5.9(厚さ)mmで重量は468gとなっています。iPad Proが少し薄くなって一回り大きく重くなっている格好ですね。
左のiPad Air 2と右の11型iPad ProはどちらもWi-Fi+Cellularモデルですが、上部のアンテナ部分のデザインが大きく異なる他、iPad Proは下部にSmart Connectorが見えます
iPad Air 2はケース付きで利用しているため、素の状態の11型iPad Proを持ってもサイズの違いはそれほど感じません。ただ、今回のモデルチェンジで売りの一つであった、5.9mmというiPad史上最薄のボディーに難点がありました。
というのも、iPad Air 2はケース込みで約9mm、フロントカバーを折りたたむと約12mmと適度な厚みがある関係で、それに慣らされている体が11型iPad Proを持つとあまりに薄く、ホールドする際に無駄に手に力が入ってしまうのです。11型iPad Proの背面にあるカメラの出っ張りが部分が目につくほどのスリムボディーが、まさかウィークポイントになるとは。
使っているうちに慣れるだろうと高をくくっていましたが、2週間使い続けても解消しません。個人差はあると思いますが、11型iPad Proを常用するならば、重量増と引き換えになりますが、Smart Keyboard FolioやSmart Folioといった純正保護ケースを付けた方がホールドしやすいと言えるでしょう。最も、iPad Air 2+Smart Caseの重量は約595gと重く、常用するならば500gは切っていたいところです。
もう1つのポイントである額縁部分はどうでしょうか。
11型iPad Proではホームボタンの廃止によって、上下/左右共に約9mmという峡額縁を実現しました。一方で、11型iPad Proと従来の10.5型iPad Proの比較では、山口真弘さんの記事にもあるように、左右方向のベゼル幅は若干(3mmほど)太くなっています。
とは言うものの、iPad Air 2との比較ではもう笑うしかないほどの差が見られます。上下では約12.5mm、左右でも約1.5mmも太いiPad Air 2のやぼったさといったらありません。11型iPad Proの優越感を味わえる部分と言えるでしょう。
ただ、こちらも個人的な感覚ですが、峡額縁故に無意識で指の置き場所に一瞬悩んでしまうときが最初はありました。画面に指がかかっていても実用上は問題ないのですが、先ほど触れた無駄に力を入れてホールドしてしまう部分と併せて気になったところです。
11型iPad Proの画面アスペクト比が、従来の4:3から約4.29:3とワイド寄りになった部分については、確かにアプリによっては気になるものの、アプリの最適化での解消に期待したいところです。
以上はガジェットの扱いに慣れた人の視点ですが、もっと一般寄りの人にとって、11型iPad Proはどのように見えるのでしょうか。次回はそんなところをまとめてみたいと思います。
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