光るSSDに電源ケーブル、枯渇が続くRTX 2080 Tiカード……2018年アキバを振り返る:2018年アキバまとめ後編(4/4 ページ)
グラフィックスカードはGeForce RTX 2000シリーズが登場し、ストレージは14TB HDDの投入やSSDの値下がりが注目を集めた。そして、コンスタントに週の主役を張っていたのが光モノだ。前編に引き続き、2018年アキバ自作街のトピックスを網羅したい。
PayPayフィーバーがアキバにインパクトを残す
その他のトピックとしては、4月初旬に登場したHTCのVRギア「VIVE PRO」が挙げられる。両眼合計2880×1600ピクセル(615ppi)で視野角110度のディスプレイとハイレゾ対応ヘッドフォンを備えるモデルで、税込み10万円強の高価な製品ながら、先行して出回っている下位の「VIVE」をしのぐ売れ行きを記録。当面は品薄傾向が続いた。
ただ、「今回はコントローラー等がつかない本体のみの販売だったので、おそらくVIVEからのアップグレードを狙った人たちが購入層の中心だったと思います」(ドスパラ秋葉原本店)と、当初からみられており、追って登場したフルセットモデルはここまでの熱気を喚起しなかった。
超小型ベアボーンの話題作も多かった。5月下旬にはIntelのゲーミングNUC「HADES CANYON」が登場。GPUとしてAMDの「Radeon RX Vega M」を統合したモバイル向けCore i7を採用したモデルで、税込み価格は「NUC8i7HVK」が12万5000円前後、下位の「NUC8i7HNK」は10万2000円弱となる。「Radeon入り最強NUC」の評価は高く、しばらくは両モデルとも需要に供給が追い付かなかった。
デスクトップ用CPUが載せられるという別の切り口からヒットしたのが、ASRockの「DeskMini 310」だ。7月初旬に税込み1万9000円前後で売り出されると、潤沢な入荷数を確保したショップからも売り切れを心配する声が出るほどの反響となった。「前作『DeskMini 110』で評価が定まっている上、搭載可能なCPUがTDP 65W以下ということなので、第8世代の現在なら頑張れば6コアのCore i7までいけるというロマンも人気を後押ししていると思います」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)
反響の大きさで見落とせないのが、12月4日から13日の間に駆け抜けた“PayPayフィーバー”だ。スマホ決済サービス「PayPay」が「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施している間、対応店舗には20%還元や上限10万円の支払い全額バックを狙うユーザーが殺到した。
対応店舗の1つであるソフマップAKIBA 2号店 パソコン総合館は「普段の主力より1〜2段ハイグレードなパーツが飛ぶように売れています。HDDなら4TBよりも6〜8TBモデル。あまりの反響に在庫調整が追い付かないほどです」と話していた。
別の対応店舗のTSUKUMO eX.も「平日で週末級の忙しさでした。売り上げは毎日3倍近くだったと思います。ここまでレジが空かないのはちょっと経験がなかったですね」という。
2018年全体を通してみると、マイニングブームや第8世代Core iやGeForce RTX 2080 Tiカードの枯渇感、PayPayフィーバーの瞬間的な狂乱など、需要や供給の具合が極端に振れた出来事が多かった一年だったといえる。その一方で、光モノパーツの新規開拓が進み、Ryzenが好調をキープ、大容量SSDが買いやすくなるなど、自作PCを楽しくする選択肢が充実したことも覚えておきたい。そして、ポジティブなトレンドが2019年に続くことを期待したい。
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