「現金:カード:コードで4:4:2」――自作PC街の支払い事情:古田雄介のアキバPick UP!(1/4 ページ)
消費税の増税とともに始まった経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」。キャッシュレス決済を促す意図は電気の街・秋葉原でどのくらい浸透しているのだろうか?
消費税が10%になった10月から、キャッシュレス促進の動きが秋葉原にも広がっている。経産省は「キャッシュレス・消費者還元事業」をスタートさせ、認定した店舗と決済事業者でキャッシュレス決済すると購入金額の5%を還元する取り組みを実施。それに伴ってPayPayも11月30日まで独自に最大5%還元するキャンペーンを始めた。
いろいろグダっています……キャッシュレス促進の動きに漏れ出る本音
実際、秋葉原のPCパーツショップではキャッシュレス決済の比率が高まっているようだ。ドスパラ秋葉原本店は「10月に入って急にというわけではないですが、じわじわとキャッシュレスが伸びているのは確かです。現在の感触だと、現金4、クレジットカード4、QR&バーコード決算2という割合ですね」という。パソコン工房 秋葉原BUYMORE店も「QRコード系はそこまでではないですが、ここ最近はクレジットカードの利用がかなり増えています」と話していた。
ただ、促進する動きに対してネガティブな声が多数聞こえてくるのも確かだ。あるショップは「経産省の認定作業が遅れているのか、申請した決済事業者のうち10月1日から5%還元が実施できるのは半分くらい。しかもウチは店頭なら5%還元対象だけど、ネットショップの方は認定待ちです。お客さんにも混乱させてしまって申し訳ないです」とこぼす。
秋葉原のリアル店舗でみても、ショップによって使える決算手段のバリエーションは異なる上、5%還元事業の対象店舗と非対称店舗が混在している。しかも対象店舗でも、5%還元対象の決済事業者が異なるので、一律では状況を説明しづらい状況だ。
その中でも、合計で最大20%還元になるキャンペーンを打ったPayPayには人気が集中したが、集中した暁にトラブルが発生して混乱に拍車をかけたりもした。
某ショップはため息交じりに愚痴る。「アキバは小さな店舗が多くて、古いシステムでどうにかスマホ決済に対応していることが多いです。決済番号と取引履歴の照合を目視でやってますから、(大規模な決済システムを組んでいる)コンビニと比べても時間がかかってしまいます。お客さんにもご迷惑をおかけしてしまう。もうグダグダですよ……」
急激な変化に対するきしみが、方々から聞こえてくるのが10月初旬の現実だ。消費者還元期間が終わる2020年6月にはどんな空気に変わっているのか、引き続き確かめていきたい。
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