大型アップデート「1909」(19H2)登場を前にWindows 10のバージョン移行推移を考察する:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windows 10の次期大型アップデート「1909」(19H2)の提供が目前に迫る一方で、11月には1803(April 2018 Update)がサポート終了を迎える。大型アップデートのバージョン推移から見えてくるものとは?
Microsoftは9月24日(米国時間)、Windows 10ならびにWindows Serverの「バージョン1903」(19H1)のリリース情報のページを更新した。
1903(19H1)は全ユーザーが対象に、迫る旧バージョンのサポート終了
それによれば、本稿執筆時点(2019年9月末)で最新バージョンとなる「1903」が広域展開対象となり、全てのユーザーがWindows Updateで同バージョンの大型アップデート(機能アップデート)を入手できる。
また同ページでは、バージョン1803(April 2018 Update)のサービス期間が2019年11月12日に終了することも説明されている。復習になるが、「Windows lifecycle fact sheet」というページにある通り、Windows 10はEnterpriseとEducationの一部ケースを除き、リリース日から18カ月でサポートが終了するため、基本的には1年〜1年半をめどに新バージョンへのアップデートを行う必要がある。
ただし、これは大型アップデートの適用タイミングを変更できるオプションが用意される企業向けユーザーの話で、主に一般コンシューマーを中心にWindows 10 Home、Pro、Pro for Workstationの各エディションを利用するユーザーの場合、アップデートの提供開始から最長で90日間のみの猶予期間となる。
さて、問題は間もなくサポート期間の終了する1803のユーザーがどれだけいるのかという点だ。本稿が公開されるタイミングを考慮するとやや古い情報になるが、AdDuplexによれば、2019年8月末時点で1803のバージョン別シェアは33.1%となっている。
やや立ち上がりの遅い1903(May 2019 Update)が33%となっているが、実は直前の月のデータと比較すると、7月末時点で11.4%だったものが約3倍に増えている。
その間のバージョンにあたる1809(October 2019 Update)が30%弱でほぼ変化していないため、これを見る限り、サポート期間終了直前に1803から1903まで1カ月間でユーザーが一気にスライドした形だ。残りはまだ3割もあるのだが、9月から10月にかけて10%台前半くらいまで一気に縮小していくと思われる。
Windows 10大型アップデートの移行トレンド
以上を踏まえると、近年のWindows 10の大型アップデート適用によるバージョン移行のトレンドが見えてくる。世間を騒がせた1809(October 2019 Update)のファイル消失問題だが、その実、これが世間に残した一番の爪痕は「ユーザーによるWindows Update適用控え」となる。
Microsoft自身が広域展開に慎重になっているという理由もあるが、大型アップデートの適用を控えるユーザーも増えているとみられ、それがWindows 10のバージョン別シェア推移に1809以降如実に表れるようになっている。
一方で、今回のバージョン移行の状況を見る限り、ユーザーはきちんとサポート対象となるバージョンのWindowsを渡り歩いており、「WaaS(Windows as a Service)」の仕組み自体は機能しているように見える。単純にバージョン移行のロケットスタートが起きなくなっただけで、緩やかで順番にユーザーがスライドしていく形態が確立されたのかもしれない。
そうこうするうちに、次期大型アップデート1909(19H2)の提供開始が迫っている。
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