ジャイアントキリングが起きた2019年――アキバの1年を振り返る【前編】:2019年のアキバまとめ前編(3/4 ページ)
2019年は、自作PCのプラットフォームにおいて長らく絶対的な王者として君臨していたIntelをAMDが追い越した1年だった。主流の交代劇は、第3世代Ryzenが登場する少し前から起きている。振り返っていこう。
第3世代Ryzen大ヒットの影で、DDR4メモリが品薄&高騰
第3世代Ryzenのヒットは、さまざまなパーツに影響を与えている。典型例はX570マザーから対応が始まった「Wi-Fi 6」対応ルーターと、PCIe 4.0対応のM.2 NVMe SSDだ。いずれも第3世代Ryzenの登場を機に売れ行きを伸ばしている。その中で、偶然が重なり混乱を招いてしまったのがDDR4メモリだ。
上半期のDDR4メモリは値下がりが顕著で、週末特価の目玉になることが多かった。新生活準備シーズンには「今はDDR4メモリが買いやすく、DDR4-2666でも2万円あれば32GBが狙えます。ゲームマシンを新調するなら絶好のタイミングです」(ドスパラ秋葉原本店)とプッシュする声をよく聞いている。
様子がおかしくなったのは7月中旬。第3世代Ryzenと組み合わせられるDDR4-3600以上の高クロックメモリの人気が高まる中で、生産環境からくる供給不足ではなく、国際情勢から入手を心配する空気がショップにまん延するようになった。当時、某ショップは「日韓関係の悪化から、サムスンやHynixなどの韓国企業系のメモリが入りにくくなると不安がる空気が強まっています。それによる供給不足や価格の高騰が起きるんじゃないかと急いで購入する人もいました」と話していた。
その後、不安視した通りにDDR4-3600以上の在庫は街全体で薄くなり、値上がりはDDR4メモリ全体で見られるようになった。この時期は一部のショップでは「同型番は1人4点まで」といった購入制限をつけている。この混乱はお盆を越えた頃に落ち着きだし、秋には元に戻った。ただ、特価の目玉は税込み1万円切りの1TB SSDなどに奪われた感がある。
10月には1枚32GBのDDR4-2666モジュールも登場した。写真はTeam「ELITE TED432G2666C1901」と「同TED464G2666C19DC01」(10月25日、パソコンSHOPアーク)
新型GPUを搭載した新製品も続々と登場した。
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