ジャイアントキリングが起きた2019年――アキバの1年を振り返る【前編】:2019年のアキバまとめ前編(2/4 ページ)
2019年は、自作PCのプラットフォームにおいて長らく絶対的な王者として君臨していたIntelをAMDが追い越した1年だった。主流の交代劇は、第3世代Ryzenが登場する少し前から起きている。振り返っていこう。
Core XにRyzen Threadripper、Ryzen 9 3950X――11月に相次ぐ
Intel製CPUの品薄傾向は慢性化しており、秋以降も「ラインアップの多さで何とかしのいでいますが、モデル単位ではずっと品薄です」(パソコンSHOPアーク)と言われてきた。AMDも最上位のRyzen 9 3900Xは品切れが当たり前で、たまに入荷したら話題になる状況が続いた。その穴を埋めるように売れ筋となっていたのは、2つランク下でTDPを65Wに抑えた「Ryzen 7 3700X」だ。
一方で、リリースベースでは存在が知られていた真の最上位モデル「Ryzen 9 3950X」を待ち望む声も根強くあった。具体的なうわさのないまま秋が終わりかけた頃、11月中には売り出されるとの観測が濃くなり、実際11月30日に発売となっている。初回入荷を逃すと当面入手困難となる予測があり、発売日は24時間前から行列を作ろうとするユーザーが現れるほど異様な熱気に包まれた。年末時点でも品薄傾向は続いている。
その3950Xと同時に、32コア64スレッドの「Ryzen Threadripper 3970X」と24コア48スレッドの「同3960X」、および対応するSocket sTRX4を採用したAMD TRX40チップセット搭載マザーボードも売り出されており、ウルトラハイエンドの領域でも話題になっている。ただ、3970Xが26万円弱(税込み、以下同)と高価なこともあり、供給量は少なめながら売り切れるショップはあまり見かけなかった。
前日の11月29日には、IntelもウルトラハイエンドのCore Xシリーズの新世代を投入している。最上位の18コア36スレッドモデル「Core i9-10980XE」は供給数が極端に少なく、発売直後に街全体で売り切れとなり、「年明け以降も再入荷の目処はたっていません」(TSUKUMO eX.)という。下位の「Core i9-10900X」や、12月に登場した「Core i9-10920X」「Core i9-10940X」は比較的入手しやすい状況だ。
CPUだけでなく、メモリも話題を集めた。
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