プレミアムビジネスノートPC向け「第3世代Ryzen PRO」のラインアップが判明 Lenovoが「ThinkPad」に採用:企業向け管理機能を拡充
ノートPC向け第3世代Ryzenプロセッサに企業向け管理機能を追加したAPU「Ryzen PRO 4000シリーズ」のラインアップが発表された。Lenovo ThinkPadの2020年モデルの一部で、同シリーズを搭載する構成を選択できるようになる。
AMDは5月7日(米国太平洋夏時間)、プレミアムビジネスノートPC向けの新型APU(GPUを統合したCPU)「AMD Ryzen PRO 4000 Series Mobile Processors with Radeon Graphics」(以下「Ryzen PRO 4000シリーズ」)のラインアップを発表した。Ryzen PRO 4000シリーズは、Lenovoが2月24日(米国東部時間)に発表した「ThinkPad」の2020年モデルへの採用が決まっている。
Ryzen PRO 4000シリーズの概要
Ryzen PRO 4000シリーズは、第3世代Ryzen Mobileプロセッサに企業向け管理機能「AMD PRO」(Intel CPUの「vPro」に相当)を追加したものだ。APUとしての特徴は、既存の第3世代Ryzen Mobileプロセッサに準ずる。
- →AMD、薄型デバイス向けの新モバイルプロセッサ「AMD Ryzen 4000」シリーズを発表
- →8コア16スレッドで競合製品を抜き去る! Zen 2に移行した第3世代「Ryzen Mobile」の実力
- →Zen 2+Vega(7nmプロセス)=第3世代Ryzen Mobile
同シリーズのラインアップは以下の通り。TDP(熱設計電力)は全て15Wとなっている。
- Ryzen 3 PRO 4450U(2.5G〜3.7GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Ryzen 5 PRO 4650U(2.1G〜4GHz、6コア12スレッド、11MBキャッシュ)
- Ryzen 7 PRO 4750U(1.7G〜4.1GHz、8コア16スレッド、12MBキャッシュ)
最上位の「Ryzen 7 PRO 4750U」は、前世代の最上位「Ryzen 7 PRO 3700U」(2.3G〜4GHz、4コア8スレッド、6.4MBキャッシュ)と比べるとマルチスレッド時は最大132%、シングルスレッド時でも最大29%の性能改善を図っている。主要なビジネスアプリケーションの実利用パフォーマンスも、最大19〜77%の改善が見込めるとのことだ。
Ryzen 7 PRO 4750Uの想定ライバルとなる「Core i7-10710U」(1.1G〜4.7GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ、vPro非対応)との比較でも、ごく一部を除きパフォーマンス面で優位としている。
Ryzen PRO 4000シリーズ搭載ThinkPad(日本発売は未定)
先述の通り、LenovoはRyzen PRO 4000シリーズを搭載するThinkPadを展開する。
ThinkPadには、メインストリームの「Lシリーズ」、モバイルを担う「Xシリーズ」、ハイパフォーマンスを担う「Tシリーズ」、モバイルワークステーションの「Pシリーズ」があるが、Pシリーズ以外の全てシリーズにおいてRyzen PRO 4000シリーズを搭載するモデルが用意される。
具体的には、13.3型の「ThinkPad X13」、14型の「ThinkPad L14」「ThinkPad T14」「ThinkPad T14s」、15.6型の「ThinkPad L15」にRyzen PROモデルが登場する。
Ryzen 4000シリーズ搭載HP ProBook(日本発売は未定)
HPからは、通常のRyzen 4000シリーズを搭載するビジネスノートPC「HP ProBook 445 G7」(14型クラムシェル)、「HP ProBook 455 G7」(15.6型クラムシェル)、「HP ProBook x360 435 G7」(13.3型2in1)が登場する予定。
AMD PROには対応しないものの、HP独自のセキュリティ機能「HP Sure Start」「HP Sure Run」「HP Sure Click」を利用できる。
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