Windows 10のアップデートが新型コロナの影響で大きく変わる:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
Windows 10の次期大型アップデート「May 2020 Update」(バージョン2004)の一般配信が近づいているようだ。一方で、新型コロナウイルスの影響によって各種スケジュールにも影響が見られるようだ。
新型コロナウイルスの影響で延長されるWindows 10のサポート期限
企業のIT部門がアップデート対応どころではないという話題だが、このユーザー側の状況を反映して、Microsoft側でも柔軟な対応を見せている。例えば3月19日(米国時間)にTech Communityに掲載されたBlog投稿では、「Fall Creators Update(1709)」のサポート期限延長について触れており、本来であれば2020年4月14日に終了する予定であった企業向けのサポート期限を、さらに半年ほど延長して10月13日にするという。
Fall Creators Updateについては、企業向けのSemi-Annual Channel(SAC)でのEnterprise Edition系対応での話だが、加えて翌4月には間もなくサポート期限を迎える予定だった「October 2018 Update(1809)」についても、そのサポート期限が2020年5月12日から同年11月10日までやはり半年間延長されたことが、Microsoftのサポート文書で報告されている。
以上を踏まえ、現行のWindows 10各バージョンのサポートライフサイクルは次の表のようになる。October 2018 Update(1809)でのサポート期間延長は、HomeやProのエディションも含まれており、特にEnterprise Editionを導入していない企業ユーザーにとっては朗報だろう。一時的な措置とはいえ、今後の状況しだいでは後のバージョンにも同様の対応が波及する可能性がある。
とはいえ、この一連の措置で救われるユーザーというのは全体でみればやや少数派なのかもしれない。サイトへの広告トラフィックからWindows 10のバージョン番号別のシェアを集計しているAdDuplexの4月の最新データによれば、May 2019 Update(1903)が最大勢力で49.2%、次点がNovember 2019 Update(1909)で33.4%、今回話題となっているFall Creators Update(1709)が1.2%、October 2018 Update(1809)が9.3%となっている。
つまり、October 2018 Update(1809)以前のバージョンのユーザーは全体の15%程度の水準というわけで、今回の措置で直接の恩恵を受けるユーザーは1割程度だ。それでもWindows 10の全稼働マシン数が現状で10億に達している現状を考えれば「1億近い」わけだが、周囲の状況を鑑みつつ、無理のない形でのアップデート計画を実施してほしい。
関連記事
- Microsoft、399ドル(日本では税込み6万5780円〜)の「Surface Go 2」と第10世代Core搭載の「Surface Book 3」を発表
Microsoftが小型2in1 PCの新モデル「Surface Go 2」と、パワフルな「Surface Book 3」を投入する。 - Windows 10の次期大型アップデート「19H2」こと「November 2019 Update」はいつ提供されるのか
Windows 10に次期大型アップデートは、「November 2019 Update」としてリリースされるようだ。また、Chromium EdgeやWindows 7の延長サポート終了についての話題もチェックする。 - 大型アップデート「1909」(19H2)登場を前にWindows 10のバージョン移行推移を考察する
Windows 10の次期大型アップデート「1909」(19H2)の提供が目前に迫る一方で、11月には1803(April 2018 Update)がサポート終了を迎える。大型アップデートのバージョン推移から見えてくるものとは? - Windows 10Xのリリース時期は? 最新事情と「Windows 10 2004」の謎を探る
今回は、Microsoftが2020年に発売を予定している2画面デバイス「Surface Neo」に採用されるOS「Windows 10X」を巡る最新情報と、Windows 10の命名ルールについてチェックする。 - Windows 7をサポート終了以降も使い続ける場合に覚えておきたいこと
2020年1月14日で、ついにWindows 7の延長サポートが終了した。今後、Windows 7を使い続けるリスクについて、改めて確認しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.