「iPhone 12」は“高くてもProの方がお買得”と思う理由 違いは望遠カメラにとどまらず:本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)
例年と異なり1カ月遅れで、そしてオンラインのイベントで発表された「iPhone 12」。最小の“mini”が加わったiPhone 12シリーズか、さらに大画面化した“Max”を含むiPhone 12 Proシリーズか――選び方のポイントとは?
微妙に異なる12 Proと12 Pro Maxの望遠カメラ
ここまで読み進めていただければ、カメラへのこだわりが「Proを選ぶかどうか」の境目になっていることが分かるだろう。
iPhone 12と12 Proシリーズの間には、ドルベースの価格で300ドルの違いがある(12 miniと12 Proの価格差)。ディスプレイのサイズが同じiPhone 12と12 Proの違いは200ドルだ(ここではあえてキリのよいドルでの比較にした)。両者には恐らく搭載メモリ容量の違いがあり、また最低価格モデル同士の比較では内蔵フラッシュメモリの容量も64GB対128GBという違いがある。
さらに望遠カメラの有無やLiDARの有無、アルミフレーム(iPhone 12)とステンレスフレーム(12 Pro)の違いなどもあり、絶対的な価格はともかくとして、iPhone 12 Proの方がお買い得なのではないかと感じている。
一方でiPhone 12 Proと12 Pro Maxの違いもまた、以前とはその関係が異なっているので、最後に言及しておきたい。両者ともiPhone 12シリーズに対しては望遠カメラが追加されているが、広角カメラと望遠カメラ共に違いがある。
広角カメラはどちらも26mm相当の画角だが、iPhone 12 Pro Maxは従来より47%大きな1.7μmのイメージセンサーを採用するとともに、従来より安定した手ブレ補正が可能になるというセンサーシフト式の手ブレ補正機構を組み込んだ。
また望遠カメラはiPhone 12 Proの52mm相当という画角(従来と同じ)に対して、12 Pro Maxでは65mm相当とより望遠側に振られている。iPhone 12 Pro Maxは、その中間の画角では複数カメラの情報をもとに写真を生成するため、望遠に寄りすぎることによるデメリットは少なそうだ。
個人的には今回こそは「Max(Plus)ではない方」を選ぼうと思っていたが、センサーシフト式の手ブレ補正やより望遠に振られたカメラの使い勝手を試したいとも考えている。ただし、一般的にはその違いはあまり意識する必要がない部分だ。
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