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Appleの「HomePod mini」をひときわシビアに採点する山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、Appleの小型スマートスピーカー「HomePod mini」を取り上げる。

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今後の課題は家電製品との連携か

 音楽再生回りの機能はピカイチで、iPhoneとの連携性も高い本製品だが、実際に使ってみると気になる点もいくつかある。既に他社のスマートスピーカーを使っている人にとっては、機能面での相違点は気になるだろう。最後にそれらを挙げて本稿の締めとしたい。

 他社製品との大きな相違点は、iPhone以外からはセットアップ自体を行えないこと、また汎用(はんよう)的なBluetoothスピーカーとして認識させられないため、TVなどの外付けスピーカーとして使えないことだ。前者は同じApple製品なので理解できるとしても、後者については自宅内での想定している使い方によってはネックになるだろう。

 ケーブルが本体直付けゆえ、足をひっかけた時に本体が引っ張られて落下する事故が起こりやすい点も注意したい。ケーブルが着脱できないのは、低品質のUSB Type-Cケーブルに取り替えられることによる故障を防ぐ狙いもあるとみられるが、結果的に本体破損の確率が増しているように感じる。筆者も早速2度ほど落下させたが、ボディーが軽いせいで引っかかったことに気づかなかったほどで、ボディーの軽さがマイナスに作用している印象だ。

HomePod mini
ケーブルは直付けなので、足を引っ掛けた時に落下する事故が起こりやすい。球形で転がりやすいのもネックになる

 また、今回試用したスペースグレイモデルは、ボディーがグレー、ケーブルがブラックにもかかわらず、付属のACアダプターがホワイトという、ちぐはぐなカラーリングになっている。このあたりが気になる人は、ホワイトを選択した方がよいかもしれない。

 さらに本製品は、最大出力が20W未満のUSB充電器では利用できない。かつてのiPad Proに付属していた最大18Wのアダプターを使うと、天面がオレンジ色に変化し、操作を受け付けなくなる。原則として付属の20Wアダプターを使用し、それ以外をやむを得ず使う場合は、なるべく最大出力に余裕があるUSB Power Delivery対応のアダプターを調達する必要がある。

HomePod mini
ボディーはスペースグレイ、ケーブルはブラックにもかかわらず、電源アダプターはホワイトというのも違和感がある
HomePod mini
20W未満の電源アダプターを使おうとすると、このようなアンバー系の色になり、タッチパネル自体が反応しなくなる

 そして現段階で、他社のスマートスピーカーと比較して大きなネックとなるのが、連携させられる家電製品が、必ずしも充実していないことだ。HomeKit対応製品としては、PhilipsのHueの他、最近ではMerossのスマートプラグがHomeKitに対応したが、国内で使える製品の絶対数が少なく、価格も割高な印象だ。

 ちなみに、本製品はスマートホームデバイスとの新しい接続規格「Thread」をサポートしているが、かつてのZigbeeを見ても、関連製品が早期に充実することは考えにくい。そのつなぎとしても、既存の家電製品の赤外線リモコンをエミュレートできる外部のスマートリモコンのラインアップ充実は、必要と言えるだろう。

 次回は番外編として、HomeKitに対応したMerossのスマートプラグを、本製品から設定/利用する方法についてお届けしたい。

HomePod mini
HomeKit対応製品は個別にコードを読み込ませるか、スキャンして追加する必要がある
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