「絵を描きたい人はどのiPadを買うべきなのか問題」を解決する(1/2 ページ)
プロイラストレーターのrefeia先生が、みんなの悩みにズバリ答えるよ! そう、お絵かき用途でいざ買おうと思っても悩んでしまう新型iPadシリーズのお話です。
こんにちは!イラストレーターのrefeiaです。
6月に「みんな、11インチiPad Proの256GB版を買うといい」という記事を書いたのですが、その3カ月後に、ほぼ11インチiPad Proの内容で少し安い第4世代iPad Airが発売されました。ふざけているんでしょうか。
というわけで、先の記事は、iPad Proが欲しい思っているけどなかなか踏み切れないでいる人の背中を押す趣旨で書きましたが、今回はお絵かき用途でiPadを買うなら、ラインアップの中でどれがいいのか? というお話をしようと思います。
もうクリスマスでもあり、学生の方はお年玉のシーズンでもあります。これを機会にお絵かき用にiPadが欲しいな……と思っている人の助けになるとうれしいです。よろしくお願いします!
まずはiPadのラインアップについて
Appleは古くから、シンプルを訴求するメーカーでした。製品そのものしかりですが、製品ラインアップもしかり、迷うことが少なく買えるというのが美点でした。ところがiPadはその真逆で、Pro、Air、無印、miniという4つのシリーズが、互いの領域を侵しながらひしめきあっています。
12.9インチや8インチクラスが必要な人は、まあ迷う余地もないと思うので、今回はアラウンド10インチの3機種、11インチPro(第2世代)、Air(第4世代)、無印(第8世代)で、絵を描きたい人はどう選んだらいいのかというのを探っていこうと思います。
iPad Airについて
さて、いまさら細かいスペックをなめ回すような時期でもないですし、3機種それぞれを簡単に眺めて、その後に横並びで比較とインプレッションを書いていきます。まずは仮の本命となりそうなiPad Airから。
有り体に言えば、iPad Airは2018年モデルのiPad Proそのものです。それと同時に、iPadラインアップの混乱の立役者でもあります。
Pro MotionとFace IDを撤去、スピーカーのステレオを横位置のみに、画面サイズを0.1インチ小さくといった細かい差別化をしたiPad Pro 2018年モデルの廉価版ですが、CPUが最新世代のA14 Bionicになって、処理によってはiPad Pro 2020年モデルを超える部分も出てしまっています。イラスト用途で重要なメインメモリは4GBです。
続いてiPad Proについて
次に11インチiPad Proについて見ていきましょう。これもまた、iPadラインアップ混乱のアシスト賞です。
2020年にモデルチェンジされながら、CPUは2年前からの据え置き(A12Z Bionic)にされてしまい、処理によっては新型iPad Airの下克上を許すことになりました。とはいえ、CPUパワーに不足を感じるシーンはほとんどないですし、いまだに一番オールマイティーといえるモデルなのは間違いないです。ちなみに、メインメモリは6GBあります。
無印iPadについて
次にiPad無印についてです。これはまあ、廉価版の立場をしっかり守っていて、分かりやすい立ち位置ですね。
先々代の10.5インチiPad Proと同じサイズのボディーに10.2インチのディスプレイを搭載。低反射コートや光学ボンディングがないため、同じ条件で撮影すると画面の明瞭さで上の2モデルより劣ります。
とはいえ、2020年の最新世代はCPUが2018年のもの(A12 Bionic)に更新され、iPad Proと同年代になりました。コア数やGPUが違うので総合性能は違いますが、CLIP STUDIO PAINTのような少コア志向といえるアプリのレスポンスは、iPad Proと同等になっていると予想できます。これは後でテストしましょう。メインメモリは3GBです。
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