VESAマウント対応で実売2万円台前半のモバイルディスプレイ「CIO-MBMN1080P」を試す:モバイルディスプレイの道(2/2 ページ)
CIOの15.6型モバイルディスプレイ「CIO-MBMN1080P」は、標準でVESAマウントに対応したユニークな製品だ。実売で税込み2万2000円を切る価格面でも魅力的な本製品をチェックした。
実は珍しい? 機能差がない2つのUSB Type-C端子を装備
本製品は、USB Type-CとHDMI、2種類の接続方式に対応している。この2系統の接続方法を用意しているのは、昨今のモバイルディスプレイでは普通だが、本製品が珍しいのは、2つあるUSB Type-C端子のどちらでも映像信号の伝送が行えることにある。
一般的に、USB Type-C端子を2基備えている場合、一方は信号伝送に対応しない電力供給専用であることが多い。本製品はどちらの端子も信号伝送に対応するため、他社製品のようなケーブルの挿し間違いが起こり得ない。ちょっとしたことだが、普段のストレスを減らす効果はあるだろう。
本製品は、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、USB TypeA→Cケーブルに加えて、USB電源アダプターも付属することから、コンセントから給電する場合も、USB充電器を買い足す必要がない。こうした付属品の充実ぶりはプラス評価だ。
ただし、ちょっと困ったことに、本連載でこれまで使用しているThinkPad X1 Carbon(2019)は、USB Type-Cではケーブル1本で表示できず、もう一方のUSB Type-C端子を経由しての、外部電源からの給電が必須だった。
その他のデバイス、具体的にはiPad ProおよびSurface Go 2ではいずれもUSB Type-Cケーブル1本での給電および映像表示に対応できたので、単純に電力が足りないだけのようだが、これまでなかった症例だけに若干の不安は残る。
さて、これらHDMIおよびUSB Type-C端子は、全て本体の右側面に並んでいる。本製品をノートPCの右側に並べる場合には、反対側からケーブルが伸びることになるが、この方が(ノートPCの左側面にUSB Type-C端子がある前提ならば)ノートPCに本体をぴったり寄せられるので便利だろう。
一方の左側面には、メニューを操作するためのダイヤルと、「戻る」キーを兼ねた電源ボタンが搭載されている。この他に、3.5mmのイヤフォンホンジャックも用意されており、本体内蔵のスピーカー(1W×2)と使い分けられる。
メニューのインタフェースや項目は至って一般的だ。最近のはやりであるブルーライト低減モードも用意されている。音量調整は、独立した物理ボタンとしては用意されておらず、メニューの中から操作することになるのは、階層の深さを考えるとやや面倒だ。
仕様は玄人好み。実売2万円台前半で買えるのは利点
以上のように、スペック面では突出した特徴こそないが、2基あるUSB Type-C端子に機能差なく使えたり、またVESAマウントが利用できたりするなど、他社の製品にない細かな使い勝手が光る。玄人好みの製品といっていいだろう。
それだけに、今回組み合わせたThinkPad X1 Carbon(2019)とケーブル1本で動作しなかったのはやや気になるが、販売元に問い合わせたところ、同社内で使用しているPCで検証した限りでは、同様の症状はないとのこと。とはいえDisplayPort Alternate Modeでの動作可否については、可能な範囲でその結果を公開してもらった方が、ユーザーとしては安心できるだろう。
その上で、という条件はつくものの、実売2万円ちょっとという価格は、この手の製品としては非常にお買い得だ。Amazonなどでよく目にする、素性の知れない海外製のモバイルディスプレイに手を出すよりは、国内事業者が企画する本製品の方が、取り扱い説明書も日本語ということで、よほど信頼はおける。4K表示は不要、タッチ対応が必要ないユーザーにとっては、候補の上位に来る製品と言えそうだ。
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