2.5インチSSD、ロープロファイルカードなどトレンド外となったパーツたち:古田雄介のアキバPick UP!(1/4 ページ)
かつては主流を担ったり、ニッチながらも一定の需要があったりしたパーツも、日進月歩の自作市場ではいつの間にかトレンドの外に置かれることもある。最近は2.5インチSSDとロープロファイル対応のグラフィックスカードが、そうらしい。
先週、サムスンからミドルクラスの2.5インチSSD「870 EVO」シリーズが登場した。今回のラインアップは2TB/1TB/500GBの3種類で、価格は順に2万7000円強と1万1000円強、7000円前後となる(税込み、以下同)。2018年2月に登場した「860 EVO」2.5インチモデルの後継で、シーケンシャルリードは毎秒最大560MB、ライトは毎秒最大530MBとなる。
サムスンの新シリーズSSD「870 EVO」がデビュー
入荷したショップの反応は概ね好評だ。TSUKUMO eX.は「初回から違和感のない値付けなので、860 EVOの人気をスムーズに引き継げるんじゃないかと思います」と話していた。
ただし、一方で「モノとしては良いけど、ジャンルとしてニーズが落ち着いてきているんですよね」(某ショップ)という声もあった。「SATA SSDは接続インタフェースがボトルネックになってこれ以上速度が伸ばせない。場所をとるドライブ型なら容量単価で優位なHDDがありますし、速度ならM.2があります。SATA SSDの、特に2.5インチモデルは立ち位置が中途半端になってしまっているんですよね」という。
別のショップも「RAIDを組むには2.5インチタイプが便利なので、一部の法人さんには根強い人気があります。ただ、個人の方からの注文は確かに減りましたね」と話していた。そうした動きはここ1年で顕在化したという。
似たような変化はロープロファイル対応のグラフィックスカードでも起きている。パソコンSHOPアークは「PCケースは大型化と小型化の二極化が進んでいて、(ロープロファイルでしか装着できない)スリム型の存在感がどんどん薄れていっています。少し前は企業さんであったり、メーカー製PCのグラフィックス強化であったりと何かしらニーズがあったのですが、最近は『ロープロファイルを探している』という声は本当に聞かなくなりましたね」と話していた。
先週は、ZOTACからロープロファイルタイプのGeForce GTX 1650搭載グラフィックスカード「GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」が登場している。補助電源不要な2スロット厚のモデルで、価格は2万1000円前後だ。「補助電源なしでグラフィックスを強化するには持ってこいだと思います。そういう点で評価してもらえれば」(同店)
続いては、最新チップを搭載したグラフィックスカードのニューフェイスを見ていく。
関連記事
- 「20日からはRadeon RX 5700系が人気です」――マイニングのトレンド変化に機敏に反応するアキバ
暗号資産のレートが下落した後も、マイニング需要は変化しながら続いているという。一方で、「マイニングブームが来ても来なくても、とにかくモノがない!」との苦しいコメントも聞いた。 - 人気だった「Gentle Typhoon」が約10年振りに復活!――高まる光らないファンの需要
先週の新製品で最も話題になっていたのは、ADATAの「XPG VENTO PRO 120 PWM」だった。かつて汎用(はんよう)ファンの名品として人気を集めたNidec(日本電産サーボ)の「Gentle Typhoon」をベースにした12cmファンだ。 - 「マイニングは理由の1つでしかない」――複数のPCパーツが品薄&高騰気配
マイニングブームの再燃も重なり、グラフィックスカード売り場はどこも隙間が目立つ状況になっている。しかし、この問題をグラフィックスカードだけと見るショップはほぼない。 - 2021年初頭もRTX 3080 & Ryzen 5000はレアアイテムのまま
PCパーツの品薄傾向は年末までの流れを引き継ぎつつ、やや深刻度を増したジャンルも増えている様子だ。その中でも、Radeon RX 6800 XTカードやIntel Z490搭載マザーボードの新製品が登場して売り場をにぎわせている。 - 人は減ったが店は開いている――緊急事態宣言後のアキバ
緊急事態宣言が再び発令された当日の秋葉原電気街を取材した。PCパーツショップでは、ミドルレンジのグラフィックスカードがまとめ買いされるなど、新たな動きが見られた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.