「GTX 1650より上はだいたいピンチ!」――深刻度が増すグラフィックスカード事情:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
PCパーツを取り巻く状況は先週の流れのまま、予想した通りにシビアなところに向かっているようだ。各ショップで枯渇状態のグラフィックスカードが多く、値上がり傾向も続いている。
先週から一週間が経過し、とりわけ棚の空きが目立つようになったのはグラフィックスカードだ。年末からGeForce RTX 3080搭載カードはほとんど流通しておらず、「ごくたまに1〜2台入荷しても即日売り切れます」(ドスパラ秋葉原本店)といった状況だという。
RTX 3070は何とかありますが価格がRTX 3080に近づいちゃいました
次に在庫を見かけないのがGeForce RTX 3060 Tiだ。供給不足にマイニングブームや供給不足なども重なったのが要因と見られるが、TSUKUMO eX.は「4〜5万円クラスのGeForceを探している人が多くて、とにかくモノがありません。底値でわずかに残っていたRTX 2070/2060シリーズも払底しました」という。
また、パソコンSHOPアークは「GTX 1650より上は、RTX 3090を除いてだいたいピンチですね。マイニングが理由かもしれないですし、それ以外の要因かもしれません。なにぶんモノが入ってこないから、そのあたりも見えにくいんですよね」と語っていた。
そうした中で、比較的多くの在庫を見かけるのはRTX 3070搭載カードだ。29日夕方時点で売り切れのショップはなく、点数や量の違いはあれど、どこもラインアップを残していた。その理由をあるショップはこう解説する。
「暗号資産のレートが下がり、マインニングの対象から外れた感があるのが1つ。複数のメーカーが値上げして、(年末時点の)RTX 3080搭載カードがもうちょっとで買えるくらいの価格感になったのが1つ。後は新製品の投入や再入荷が、上下のモデルと比べればまだマシということじゃないですかね」
実際、各ショップのGeForceの価格表を見ると、RTX 3090の下がRTX 3070になり、その下がGTX 1660 SUPERというパターンをよく見かけた。4〜5万円クラスのカードはかなり買いにくい状況といえる。
続いて、スマッシュヒットの新製品を見ていく。
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