待望のミドルレンジGPU「Radeon RX 6700 XT」の実力をチェック:フルHD/WQHDゲーミングを快適に(3/4 ページ)
間もなく、AMDの新型GPU「Radeon RX 6700 XT」を搭載するグラフィックスカードが日本でも登場する。「Radeon RX 6800はちょっと高い……」と思っている人にとっての福音となるのかどうか、ベンチマークテストを通して実力をチェックしていこう。
ボーダーランズ 3
続けて、実際のゲームを使ってフレームレートを測定してみよう。DirectX 12 APIを利用したAAA級タイトル「ボーダーランズ 3」では、ゲーム内ベンチマークテストを使ってフレームレートをチェックした。画質プリセットは最高の“バッドアス”とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3つの解像度で計測している。
RX 6700 XTの平均フレームレートは、フルHDで120fps前後、WQHDで88fps前後、4Kで48fps前後となった。フルHDなら高リフレッシュレートディスプレイを問題なく生かせる。WQHDでも、最小フレームレートは73fpsと60fpsを上回っているので、快適なプレイは期待できる。
一方、4Kではプレイ自体は可能だが平均フレームレートが60fpsを切ってしまう。4Kで快適にプレイしたいなら、RX 6800/6800 XTの方が良いだろう。とはいえ、米国の想定価格ベースで100ドル(約1万1000円)高価なRX 6800に手を出すよりも、より手頃なRX 6700 XTを選びたいという人も多いはずだ。
Godfall
同じく高負荷なタイトル「Godfall」を試してみよう。画質設定はプリセットに「エピック」を選択し、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類に設定。ベンチマークモード使用中の1分間のフレームレートを「OCAT」で計測した。
このタイトルでは、RX 6700 XTはWQHDまで最小フレームレートが60fpsを下回らない。これまでの傾向を見ても、WQHD以下の解像度で快適なゲーム環境を構築したいのであれば、RX 6700 XTはかなり有力な選択肢となり得る。
高負荷タイトルの場合、高リフレッシュレートにこだわるとRX 6800の方が有利な場面も散見されるが、どちらが良いかは理想とする環境(60fpsか144fpsか)や、日ごろプレイするゲームの負荷によって変わるだろう。
RT性能は控えめ
最後に、DXRを有効にできるタイトルでリアルタイムレイトレーシング(RT)を掛けた際のパフォーマンスを見ていこう。まずは3DMarkの「Port Royal」だ。
AMDは、競合のNVIDIAと比べるとDXRへの対応でやや出遅れている。そのこともあって、NVIDIAの現行GPU(GeForce RTX 30シリーズ)と比べると、Radeon RX 6000シリーズはRTのパフォーマンスは高くない。この傾向は、Radeon RX 6700 XTにも当てはまる。
スコアを見れば一目瞭然だが、GPU自体のパワーが控え目ということもあり、Radeon RX 6700 XTのRTは「取りあえず使える」というレベルだ。快適に使えるかと言われると微妙である。
続いて、DXRに対応したゲームタイトル「Control」でフレームレートをチェックする。画質プリセットは“最高”、解像度はこれまで同様にフルHD、WQHD、4Kの3種類。ゲーム内の一定コースを移動した際のフレームレートを「OCAT」で計測した。
RX 6700 XTのスコアは、フルHDでも平均60fpsを下回ってしまう。WQHDでは30fps程度まで落ち込んでしまうことから、フルHD以上の解像度でのDXRの利用はそれほど現実的ではなさそうだ。いずれにせよRadeonでDXRを活用したゲームをプレイしたい場合は、より上位GPUをお勧めしたい。
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