「RTX 3060より下はマイナー、上はバイヤー」――PCパーツ街の枯渇とにぎわい:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
GeForce RTX 3000シリーズを搭載したグラフィックスカードの新製品が登場するも、開店後に間もなく売り切れるのが常態化している。緊急事態宣言が解除されて人のにぎわいが増すPCパーツショップに、複雑な感情が鬱積(うっせき)している。
今週は、ASUSTeKからGeForce RTX 3000シリーズを搭載するグラフィックスカードが複数登場している。「ROG-STRIX-RTX3080-10G-GAMING」や「DUAL-RTX3070-8G」、「DUAL-RTX3060TI-8G」など、従来のオーバークロックモデルが複数のショップに入荷したが、先週までの傾向のまま、週末までに売り切れて入手困難な状況になっている。
よくない流れが続いていますね――グラフィックスカードの売れ方
世界的な半導体不足などの影響で入荷数が少なめという事情もあるが、売り場で目立っているのは暗号資産をマイニングするために大量のカードを求める勢力と、転売目的で需要の高いカードを買い集める勢力だ。
あるショップは「毎朝開店前に並んでいて、RTX 300やRTX 3070搭載カードを買っていく人がいます。その日に1台しか入荷しなかったそのモデルが、当日のうちにフリマで売り出されて『アキバの○○で買いました』と説明が添えられているのも見ました」とげんなりしていた。
また、「GeForce GTX 1650 TiからRTX 3060まではマイナー(マイニング目的の人)、RTX 3060 TiからRTX 3080までは転売ヤーに別れている感じがありますね」といった話も複数のショップで耳にしている。
グラフィックスカードはGPUを問わず、1グループ1台までと制約をつけているショップがほとんどだが、赤の他人だと押し通したり、売り場では単独行動をとることで網の目をかいくぐったりする例は後を絶たない。「大手量販店みたいにクレジットカードの番号でストップがかかる仕組みが導入できたら良いんですが、それもウチでは厳しくてご理解を求めるしかできない。よくない流れが続いています」(別のショップ)
ただ、「入荷分を朝に全て店頭に並べるスタイルを1旦辞めてみました。欲しい人にバランスよくお届けできるように模索しています」というドスパラ秋葉原本店のような例も出てきている。特殊な状況下において、街全体で解決策を探している様子だ。
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