小型だけど超パワフル! いろいろと楽しめるASUS「Chromebox 4」を試した:Linux開発環境も導入(3/3 ページ)
ASUS JAPANからChrome OS搭載の超小型PC「Chromebox 4」が登場した。5月13日の発売を前に、実機を使ってテストしてみた。
Chromebox 4上にLinuxを導入してみた
一通りのテストを終えて、Chromebox 4はChrome OS端末として見ると高性能、あるいはややオーバースペックにも見える。実際、CeleronやPentiumといったより安価なCPUを搭載する製品でも、思った以上に軽快な動作をしてくれるのがChrome OSだ。Chromebox 4のような高性能モデルをどう活用すべきだろうか。考察してみよう。
高性能なChromebox 4を生かすとすれば、閲覧用途ではなくクリエイティブ用途ではないだろうか。写真や映像、コンテンツ制作だ。そこで提案したいのが(β版であるが)LinuxのインストールとLinux用アプリケーションの導入だ。
Chromebox 4だけでなくChromebookも同様だが、最新のChrome OSでは設定画面から簡単な操作でLinuxをインストールできる。Chrome OSの設定画面を開くと、左ペインにデベロッパーという項目があり、Linux開発環境(ベータ版)という項目はその中にある。ユーザーが必要な操作は「オンにする」をクリックするだけで、後は自動的にLinuxのセットアップが始まりプログレスバーの完了を待てばよい。
Linuxのインストールが完了するとターミナルが起動する。Linux用アプリケーションのインストールはこのターミナルを用い、例えばsudo→apt-get〜〜〜のように通常のLinuxと同様の操作をしていく。今回はChromebox 4に適しているかどうかは別として、統合型3DCGソフトウェア「Blender」を導入した。その際のスクリーンショットが下のものだ。
レビューの範囲内ではBlenderは問題なく動作していた。Linux用アプリケーションの中には、画像処理ソフトの「GIMP」、動画編集ソフトの「Kdenlive」、ビジネススイートの「Libre Office」など、Windows用にも移植されているものがある。それらはドキュメントも豊富なのでお勧めだ。そして、その操作系はWindowsであろうともChrome OSであろうとも基本的に同じなため、慣れるのも容易だろう。
また、Googleが定めるChrome OSの自動更新ポリシーで、本製品は2028年6月までOSアップデートの自動更新に対応している。高い性能のモデルを長く安心して使えるのも魅力だ。
価格はオープンだが、評価機の想定実売価格は税込み8万5320円、CPUをCore i5-10210U、メモリを8GB、ストレージを128GBにしたモデル(CHROMEBOX4-G5020UN)が同6万8220円、CPUをCore i3-10110Uにしたモデル(CHROMEBOX4-G3019UN)が同5万6520円、さらにエントリーモデル(Celeron 5205U/4GB/64GB eMMC)なら同4万1220円といったバリエーションが用意されている。
クリエイティブ用途に活用できる高性能Chrome OS端末
ここまでChromebox 4のCore i7を採用する上位モデルを検証してきた。Chrome OS用アプリケーションを動かす上では相当に快適で、16GBのメモリ容量もあり安価なChrome OS端末よりもマルチタスク時の動作も軽快だ。特にCore i7クラスのCPUなら、そのCPU性能は多くのスマートフォンよりも高性能である。
こうしたハイエンドモデルを選択するのは、PC上級者がほとんどだろう。Linux環境も導入できるので、クリエイティブ用途に用いるのも1つの活用方法だ。
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