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うわさの「Cloud PC」はどのようなサービスになるのかWindowsフロントライン(2/2 ページ)

たびたび話題に上るMicrosoftが提供すると予想されている、より汎用(はんよう)向けの仮想デスクトップサービス「Cloud PC」。さまざまなキーワードから、現状を読み解いてみた。

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実際にどのようなサービスになるのか

 前段の解説では、Cloud PCを「コンシューマー向け」と表現したが、実際にはEnterprise Editionの範ちゅうに入らないWindows環境を利用する「全ユーザー」が対象になる製品だと考えている。

 2020年11月に、ZDNetのLiam Tung氏がCloud PCについて、Microsoft系の最新情報やリークで知られるTwitterアカウントのWalkingCatの投稿内容を元に、次のような構成が当時検討されていたことを報じている。

  • Medium:2つの仮想CPU、4GBメモリ、96GBのSSDストレージを備えた環境で「general-purpose optimized for cost and flexibility」向け
  • Heavy:2つの仮想CPU、8GBメモリ、96GBのSSDストレージを備えた環境で「advanced compute needs optimized for performance and speed」
  • Advanced:3つの仮想CPU、8GBメモリ、40GBのSSDストレージを備えた環境で「accelerated graphics optimized for scalability and data processing」

 先ほど、Cloud PCの開発コード名がProject Deschutesだと述べたが、「https://deschutes.microsoft.com」と「https://cloudpc.microsoft.com」の2つのURLが現状でオープンになっており、アクセスするとMicrosoftアカウント(Azure ADアカウント)でのログインを求められる。

 Microsoftアカウントの場合は、「Live.com」では受け付けられない旨の警告が出るため、おそらくはCloud PCを契約した企業アカウントがAzure ADを通じて個々のユーザーにアクセス権限を与える形態になっているのではないかと推測する(正式サービスではないため、単純にテスト用アカウントでしか動作しない可能性もある)。

 また、2つのURLはどちらでアクセスしても同じページにリダイレクトされるので、これが「Cloud PC=Deschutes」の証左にもなっている(「Deschutes」は米オレゴン州の地名または川の名前)。

 サービスの実際については正式発表待ちだが、この仕組みの最も分かりやすい効果は「Win32アプリケーションを使えない環境での運用」だ。

 ついに開発中止となった「“シングルスクリーン版”のWindows 10X」だが、Win32アプリケーションが動作しないことが何度も報じられていた。このCloud PCの仕組みを組み合わせれば、とりあえず「従来のWindowsアプリケーションが使えない」という問題を(クラウド上で)解決できる。

 Cloud PCをどのように呼び出すかは不明だが、最もシンプルな方法は「Microsoft Remote Desktop」を使うことだ。この呼び出し方であればmacOSやiOS、Androidまでクライアントが用意されているので、簡単に利用できる。

 実際の仮想デスクトップ環境の仕様、アクセス方法、価格体系まで、おそらく夏前後には具体的な姿が見えてくるはずだ。

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