「Ring」のスマートドアベルは何ができる? サクッと試してみた(1/3 ページ)
Amazonが「Ring」ブランドのスマートドアベルとスマートカメラの販売を開始した。果たして便利なものかどうか、新製品の1つであるスマートドアベル「Ring Video Doorbell 4」を試してみることにしよう。
4月20日、アマゾンジャパン(Amazon)がRingブランドのスマートドアベルとセキュリティカメラを発売した。
この記事では、今回発売された製品のうち、スマートドアベル「Ring Video Doorbell 4」のファーストインプレッションをお伝えする。
Ring Video Doorbell 4で何ができる?
Ring Video Doorbell 4は、スマートフォンやスマートディスプレイとつながるインターフォンだ。出先からスマホでインターフォンに応答したり、玄関先の様子を記録したりできる。Echo Showシリーズなど、音声エージェント「Amazon Alexa」対応のスマートディスプレイを併用すると、玄関先の様子を手軽に確認できる。
Ring Video Doorbell 4はバッテリー駆動式で、バッテリーは着脱できるようになっている。通信はWi-Fi(無線LAN)を用いるため、配線をすることなく接続できる。両面テープを使うことで賃貸住宅などにも設置しやすい。
ドアホンでの応答など、基本的な機能は無料で利用できる。録画機能など、付加機能を利用するには月額制のサブスクリプションサービスに入会する必要がある。ただし、Ringの日本発売を記念して、2023年3月31日まで全てのプランが無料で提供される。
取り付け方法は3種類
Ring Video Doorbell 4の取り付け方法は、大きく3種類ある。
- ビス留めで固定する
- 粘着テープで貼り付ける
- インターフォン用スイッチボックスに取り付ける
1と2の方法については、取り付けに必要な資材が本体に付属している。3の方法については、別売のマウントが必要となる。
ビス留めでの固定は、一番強固に装着できる一方で、玄関の壁に穴を開ける必要がある。持ち家など、壁面に穴を開けても良い場合にお勧めだ。
粘着テープを使って取り付ける場合は、付属の取り付け台座を粘着テープを壁に貼り付けて、そこに本体を固定することになる。標準の粘着テープは粘着力がやや弱く、すぐ外れてしまいそうな感じもする。
そんな声が出てくることを想定したのか、Ring Video Doorbell 4の日本向けモデルには「超強力テープ」も付属している。“超強力”と自称するだけあって、長い間貼り付けると壁になじむタイプの粘着テープである。取り付ける壁面によっては、取り外す時に塗装まで剥がしてしまう恐れもあるという。退去時に原状復帰が求められる賃貸住宅では使わない方が無難だろう。
インターフォン用スイッチボックスに取り付ける場合は、別売のアダプター「既設ドアホン取替用カバー」が必要となる。このアダプターはJIS規格の「1個用スイッチボックス(カバー付き)」と互換性があり、同規格に準拠しているインターフォン子機と置き換える形で設置する際に便利だ。
JIS規格の「1個用スイッチボックス(カバー付き)」に準拠するインターフォンを使っている場合は、別売の「既設ドアホン取替用カバー」を使えば簡単に置き換えられる。カラーは写真のブラックの他、ホワイトも用意されている
有線による電源供給も可能(別売パーツと有資格者による工事が必要)
先述の通り、Ring Video Doorbell 4はバッテリー駆動だ。そのため、定期的に取り外して充電する必要がある。充電によるダウンタイムを減らしたい場合は、以下のいずれかの選択肢を検討しよう。
- 予備の「クイックリリースバッテリーパック」を購入して交換しながら使う
- 常時充電できる「プラグインアダプター」を購入して取り付ける
プラグインアダプターを使うと、Ring Video Doorbell 4に装着したバッテリーを自動的に充電できる。ただし、その設計上の都合から、取り付けに当たって宅内配線を行う場合は「電気工事士」の資格が必要となる。自らが有資格者なら問題ないが、無資格で取り付け工事を行うのは違法となるので注意しよう。
「既存のインターフォン用の電源を流用したい」と考える人もいると思うが、残念ながらRing Video Doorbell 4は既存のインターフォン用電源とは互換性がない。
そんなこともあり、よほどのことがなければバッテリーを都度取り外して充電するか、予備のバッテリーを用意して交換しつつ運用することをお勧めする。なお、Amazonでは今後、協力店による宅内配線サービスの提供も検討しているという。
アカウントの設定とAlexaとの連携方法
Ring Video Doorbell 4を含むRing製品を登録して利用するには、スマホまたはタブレットと、2.4GHz帯のWi-Fi環境が必要だ。RingアプリはiPhone(iOS)、Android、Fireタブレット(Fire OS)に対応している。
Ring製品は専用の「Ringアカウント」を使って管理する。アカウントの登録時にはメールアドレスや電話番号を登録する必要があり、カメラ設置時には設置場所の住所も記入を求められる。
1台のカメラを複数人のアカウントで使うことも可能だ。「アクセス共有」機能を通じて、同居する家族などのカメラの利用権を付与できる。
Ring製品をAmazon Alexaと連携する場合、「Amazon Alexaアプリ」でRingのスキルを登録する必要がある。Ringは米Amazonの子会社だが、あくまでも“別会社”である。そのこともあってか、連携は自動では行われないので注意しよう。
Alexaスキルを登録した後、Alexaアプリの機器一覧から「Ringドアベル」を選んで、「ドアベル押下のアナウンス」をオンにすれば、晴れて“ドアベルを押すとスマートスピーカーやスマートディスプレイが鳴る家”となる。
Amazon Alexaと連携するには「Amazonアカウント」を別途設定する必要がある点や、確認すべき手順が多いことなど、Ring製品の初期設定の手順は想像よりも煩雑である。「高齢の両親のために、実家へとRingのスマートベル(スマートカメラ)を置こう」と考えている場合は、初期登録作業は手伝って上げた方が良いかもしれない。
ただし、一度設定してしまえば、スマートディスプレイから音声操作できるようになるので、スマホを使い慣れていない人でも問題なく利用できるだろう。
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