Windows 11、Windows 8.1、Windows 10Xそれぞれの事情:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
最新のWindows 11を含め、Windowsにはさまざまなバージョンが存在する。直近のOSシェアを見つつ、それらのバージョンの今を考える。
もう半年でWindows 8.1の延長サポート終了がやってくる
直近ではIE11のサポート終了が話題となったが、次なるターゲットは「Windows 8.1」だ。Windows 8.1の延長サポートは来年1月10日に終了するので、実質的にほぼ半年しかない。
おそらくWindows 7のときほどの混乱は起きないが、それでも業務PCを中心にまだ8.1環境が残っているケースが多々見受けられる。サポートページでも触れられているが、Windows 7のときとの最大の違いは「Windows 8.1にはExtended Security Update(ESU)が提供されない」という点だ。
つまりサポートを延長する手段が存在せず、アップデートを必要とするのであれば実質的にOSを乗り換えるしかない(過去にWindows 10への無料アップグレードを実施したライセンスを除いて)。ハードウェア世代的にWindows 11への乗り換えは難しく、Windows 10自身のサポートも3年で先が見えてくる。つまり、残された選択肢はほぼハードウェアの買い換えしかない。
では実際、Windows 8.1はどの程度使われているのだろうか。StatCounterのデータを参考にすれば、Windows OSにおける全世界でのシェアは3.06%で、徐々に減少している。対して日本におけるシェアは4.69%とやや高く、その推移はフラットだ。Windows 7ほどではないが、一定のシェアはある。そしてWindows 7のときほど騒がれていないのが気になるが、これがメインで動作している環境はそろそろ手をつけるべきだろう。
Windows 10Xは死んだのか
最後に余談だが、以前のイベントで大々的にお披露目された「Windows 10X」と「Surface Neo」の話題だ。Microsoftでは同OSとハードウェアについて計画を二転三転させた後に「提供をいったん中止し、計画を練り直す」という形で「延期」を臭わせていたが、その実質は「プロジェクトの破棄」だったと考えられている。
同件についてWindows Centralのザック・ボーデン氏は「プロジェクトは延期でなく終了」という記事をまとめている他、XDA Developersのリッチ・ウッズ氏は「Windows 10Xが空中分解した段階で、Surface Neoを含むデュアルスクリーンまたは折りたたみ型デバイスへのWindows 11提供の計画はMicrosoftにはない」とコメントしている。
つまり、仮にSurface Duoの後継機が出たとしても引き続きAndroidベースを維持するとのことで、折りたたみ型デバイスは同社の戦略の上で微妙なポジションに位置したことは確かなようだ。
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