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最近のノートPCは「電源設定」がパフォーマンスに影響する? ThinkPad X1 Carbon Gen 10で確かめてみた(2/3 ページ)

先日、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」をレビューした際に、ベンチマークテストの一部スコアが思ったほど出なかった。「もしかして、電源設定のせいか?」と思った筆者は、電源設定を変えてテストを実施してみることにした。

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電源設定はパフォーマンスに影響するのか?

 先述の通り、一般的なWindows 11 PCでは、設定画面からアクセスできる電源設定は「トップクラスの電力効率」「バランス」「最適なパフォーマンス」の3種類である。これらのうち、標準設定のバランスと、一番パフォーマンスを発揮できる(はずの)最適なパフォーマンスの2種類を切り替えつつ、「CINEBENCH R23」と「PCMark 10」の2種類のベンチマークテストを実行してみよう。

 なお、今回テストで用いたThinkPad X1 Carbon Gen 10(21CB-S00T00)の主なスペックは以下の通りである。なお、全てのテストは65W出力の外部電源を接続した状態で行った

  • CPU:Core i5-1240P
    • パフォーマンスコア(Pコア):4コア8スレッド(最大4.4GHz)
    • 効率コア(Eコア):8コア8スレッド(最大3.3GHz)
  • スマート(L3)キャッシュ:12MB

。メインメモリ:16GB LPDDR5(デュアルチャネル構成)

  • ストレージ:256GB SSD(PCI Express 3.0接続、自己暗号化対応)
  • ディスプレイ:14型IPS液晶(1920×1200ピクセル)
  • Webカメラ:フルHD(1920×1080ピクセル)撮影対応
  • キーボード:日本語配列
  • OS:Windows 11 Pro(日本語)
ベンチ構成
Core i5-1240Pは合計12コア16スレッド構成

CINEBENCH R23

 「CINEBENCH R23」は、3Dレンダリングを通してCPUの処理性能を確認できるベンチマークテストアプリだ。全コアを使った「マルチ」テストと、1コアを使った「シングル」テストの2種類が用意されており、サーマルスロットリング(発熱を抑制するための性能低下)やシステムの安定性をチェックするために同じテストを10分、または30分繰り返す設定も可能だ。

 今回は、サーマルスロットリングの確認を目的とする10分の繰り返しテストを実行する。10分間で可能な限りテストを繰り返し、10分経過時点で進行しているテストのスコアが正式なスコアとして提示される。

進行中の画面
CINEBENCH R23でシングルスコアの計測中の画面

 まず、標準の「バランス」設定で計測した結果を見ていこう。

  • マルチコア:5495ポイント
  • シングルコア:1302ポイント(MPレシオ4.22倍)

 シングルコアのスコアは、第12世代Coreプロセッサの特徴をしっかりと引き出せているように思えるが、マルチコアのスコアは「もうひと声」と言いたくなるような値である。

 これを「最適なパフォーマンス」に切り替えてみるとどうだろうか。スコアは以下のように変わった。

  • マルチコア:6099ポイント
  • シングルコア:1546ポイント(MPレシオ:3.94倍)

 MPレシオ(シングルコアスコアとマルチコアスコアの倍率)は少し下がってしまったものの、絶対的なスコアは確実に向上している。念のため、それぞれの電源設定で何度かテストを繰り返し実行したが、スコアの傾向に変化は無かった。

 CPUコアのパワーを少しでも引き出したいなら、電源設定をサクッと変えることは「有効」といえそうである。

CINEBENCH R23
CINEBENCH R23のスコア
最適なパフォーマンスでのシングルコアスコア
「最適なパフォーマンス」でシングルコアテストを行うと、前世代の「Core i7-1165G7」が28Wで稼働した際よりもわずかながら良いスコアを残した。第12世代Coreプロセッサのポテンシャルの高さが伺える

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