折りたためるPC「ThinkPad X1 Fold」に2代目登場 より大きな画面とパワフルなCPUを搭載しつつも薄型化:2499ドルから
世界初の折りたためる画面を持つPC「ThinkPad X1 Fold」に第2世代が登場する。最新の第12世代Coreプロセッサを搭載し、画面を少し大型化した一方で、本体の薄型化に成功。かなりシュッとした外観になったことが特徴だ。
Lenovoは9月1日(中央ヨーロッパ時間)、フォルダブルPC「ThinkPad X1 Fold Gen 2」を発表した。米国では11月の発売を予定しており、最小構成の想定販売価格は2499ドル(約34万9000円)となる。
なお、この製品の日本での展開は未定だ。
ThinkPad X1 Fold Gen 2の概要
ThinkPad X1 Fold Gen 2は、2020年に発売された「ThinkPad X1 Fold Gen 1」の後継モデルとなる。折り曲げられる有機ELディスプレイを採用し、画面ごと本体を折りたためることは先代と同様だが、ディスプレイサイズを約22%大きくする一方で、本体の厚さを約25%削減している。ボディーフレームやバックカバーにリサイクル素材を利用した環境配慮形製品でもある。
CPUは第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)のUシリーズのうち、基本消費電力が9Wに設定されている「BGA Type4 HDIパッケージ」のものを搭載しており、企業向け管理/セキュリティ機能である「Intel vPro」に対応する構成も用意されている。選択するスペックによっては「Intel Evoプラットフォーム」にも準拠する。本体はファンレス設計だ。
メインメモリはLPDDR5規格で、最大で32GBまで搭載可能だ(後からの増設/換装不可)。SSDはPCI Express接続のSSDとなる。OSはWindows 11 HomeまたはWindows 11 Proをプリインストールする。
ディスプレイは折り曲げられる16.3型有機ELディスプレイで、最大解像度は2560×2024ピクセル(アスペクト比4:3)となる。最大輝度は400ニト(SDR表示時)または600ニト(HDR表示時)で、DCI-P3の色域を100%カバーする他、Dolby Vision規格のHDRコンテンツの再生にも対応する。タッチ操作やペン入力も可能だが、ペンは別売となる。
先代では画面を折り曲げた際に「すき間」ができていたが、Gen 2ではヒンジ部分の機構を改良することですき間をほぼ無くしている。先代ではその「すき間」に別売のキーボードを挟み込んで持ち歩くことができたが、Gen 2では本体に付属するキックスタンドと一緒に、本体のパックパネルに磁力でくっ付けて持ち歩けるようにしている。
別売のペン(Lenovo Precision Pen 2)も本体に磁力でくっ付けられる。
Webカメラは約500万画素で、Windows Helloの顔認証にも対応する。カスタマイズ(CTO)モデルでは、追加でIntel Visial Sense Controller(VSC)を搭載するとこともできる。
ワイヤレスキーボードはBluetooth接続で、本体の上に固定して使うこともできる。また、LEDバックライトと指紋センサーも備えている。配列は昨今のThinkPadとおおむね同様だが、本来ならPrintScreenキーのある場所に指紋センサーを配置している。その都合で、PrintScreenキーは「Fn+F10キー」に割り当てられている。またクリック(タッチ)パッドは「ThinkPad Zシリーズ」と同じくボタンのないタイプとなっている。
別売のキーボードは、昨今のThinkPadと同様の配列だが、PrintScreenキーのある場所に指紋センサーを搭載し、TrackPoint用のクリックボタンを備えない。ある意味で従来のThinkPadのキーボードにThinkPad Zシリーズのキーボードのエッセンスを融合したようなイメージである
ポート類は、Thunderbolt 4(USB4)端子×2とUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子を備える。いずれもUSB PD(Power Delivery)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。5Gモデムを搭載する構成では、nanoSIMカードスロットも搭載している。
ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6E(6GHz帯は利用可能な国/地域を限定)とBluetooth 5.2に対応する。オプションで5Gモデムを搭載した場合は、Sub-6(6GHz帯以下)の5G NR規格とLTE規格でのモバイル通信も行える。
バッテリーの容量は標準で48Whだが、カスタマイズ(CTO)モデルでは16Whのモジュールを追加搭載して合計64Whとすることもできる。65W出力のACアダプターを利用することで急速充電も可能だ。
ボディーサイズは、折りたたんだ場合が約176.4(幅)×276.2(高さ)×17.4(厚さ)mm、画面を開いた場合が約276.1(幅)×345.7(高さ)8.6(厚さ)mmで、最軽量構成の重量は約1.28kg(スタンドとキーボード込みで1.9kg)となる。
関連記事
- ソフトバンクがフォルダブルPC「ThinkPad X1 Fold」を発売 5G対応で約40万円 5万円相当のオプションがもらえる先着キャンペーンも
ソフトバンクが、レノボ・ジャパンのフォルダブルPC「ThinkPad X1 Fold」の5Gモデルの取り扱いを決めた。トクするサポート+の対象で、20万2480円から使えるという計算だ。購入者は、先着順でレノボ・ジャパンが開催する5万円相当のオプションがもらえるキャンペーンにも参加できる。 - 折りたためるPC「ThinkPad X1 Fold」が日本上陸 10月13日から受注 Wi-Fiモデルの直販価格は36万3000円(税別)から
CES 2020で発表されたレノボのフォルダブルPCの受注が、ついに始まる。当初はWi-Fiモデルの受注を受け付けるが、後日5Gモデルの受注も開始する予定だ。 - 折り曲げられる「ThinkPad X1 Fold」や5G対応の「Yoga 5G」が登場 Lenovoの新型PCレポート
「CES 2020」の開催に合わせて、Lenovoがいくつかの新製品を発表した。この記事では「ThinkPad X1 Fold」など実機展示があったものを写真を交えて紹介する。 - 画面が折り曲がるPC「ThinkPad X1 Fold」登場 「Windows 10X」版も後日追加へ
Lenovoが2019年5月に“チラ見せ”した画面を折りたためるPCが、ついに製品化。オプションで5G対応通信モジュールを載せることも可能だ。【更新】 - 「第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)」にモバイル向け製品登場 デスクトップ向け追加ラインアップも
Intelの第12世代Coreプロセッサに、モバイル向け製品が登場する。ハイエンド向けの「Hプロセッサ」、省電力重視の「Uプロセッサ」の中間として「Pプロセッサ」が新設されたことが特徴だ。その他、アンロック非対応のデスクトップ向け製品も順次発売される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.