絵師は健康が不安? ならば板タブだ! HUION「Inspiroy Giano」レビュー:ある日のペン・ボード・ガジェット(4/5 ページ)
イラストレーター refeiaさんの連載第3弾は、HUIONの大型板タブ「Inspiroy Giano G930L」を試したよ!
お絵描きで実用性をチェック
それでは、今回は板タブに慣れていきたいこともあって、いつものテスト画像ではなく新たに何か描きます。半月ほど使って板タブの勘が戻った+液タブの感覚もはっきりしている状態で、工程ごとにインプレッションしていきますね。
まずはラフからです。少し正確に描きづらいので不満な瞬間もありますが、板タブも好きというか、作業が楽しいです。手やペンが絵にかぶさって邪魔にならないのも良いですし、目から画面が少し離れているため俯瞰(ふかん)的に検討やすい気がします。疲れづらいので、時間と気持ちに余裕があって案をこねまわしたい時には、じっくり楽しめる時間になります。
ただ、大型板タブゆえ広い検知範囲を十分に使えるかというと、そうでもなかったです。真ん中あたりは描きやすいのですが、端の方まで手を伸ばすと体勢が不自然になったり、手とカーソルの感覚が合いづらかったりして、結局は真ん中あたりで描いていて、実質「Medium」サイズでは……という感覚になります。
とはいえ別に不便というわけではなく、余っているのはまあいいか、一般的な操作はできるし悪くない、ぐらいのモヤモヤ感で済む程度でした。
次に線画です。元から懸念だったのでちょっと念入りに描いていましたが、「やっぱり液タブで作業したい……」と繰り返し感じました。まだ習熟が足りていないのか、個人差なのかは分かりませんが、正確に線を引き、やり直しの回数を減らすという点では画面に直接描ける方が良いです。
本機の筆圧の検知力では、ここは歪みが気になるとか、正確性を上げたい、というシーンで筆圧を上げて摩擦力で対応しづらいのも気になりました。ともあれ、そこそこ込み合った内容を、液タブで作業した時と同等の出来で描けたと思います。
次に彩色です。正確性は一歩譲ってもいい工程なので、大きな不満なく進めることができました。ラフと同様に、表現の探索に時間をかけたり俯瞰的に気を配りながら作業したりするなら、画面が離れていて、手が邪魔にならず、疲れにくい姿勢で進められるのはメリットがあります。
ただ、彩色〜加筆の工程でも筆圧をかけて歪まずにブラシを動かしたいシーンが何回かあり、「この筆圧領域は使えない……」というストレスはありました。
といったところで……上半身だけですが、完成です。ざっくりと、「いろいろあるけど線画以外はさほど苦労せず板タブで置き換えられるな」という感想でした。また、工程の3分の2ぐらいを無線接続で製作して、カーソルの動きが悪くなるシーンが何回かありました。PCか本機かどちらが原因か分かりませんでしたが、Bluetoothだしこれくらいならまあ……と思える程度ですね。
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