「SIGNATURE M550/M650/M750」はマウスの常識を変えるのか――ロジクールが提案する新スタンダードを試す(2/4 ページ)
ロジクールの「SIGNATURE M550/M650/M750」は、多彩なマウスを用意する同社の製品の中では、エントリークラスに相当するモデルだ。しかし、“ただのエントリー”では済まない、可能性を秘めたものになっている。
欲しい機能を“トッピング”できるバリエーション
豊富なカラーバリエーション、サイズ展開を横軸とするなら、SIGNATURE M550/M650/M750は機能面での縦軸展開と言える。分かりやすいよう、最初に各モデルの違いを挙げておこう。
- M750:M650にEasy-Switch、DPI切り替えスイッチを追加した最上位モデル。M650より660円(税込)高い。
- M650:SIGNATUREシリーズ標準モデル
- M550:M650から側面ボタンを省略した最安モデル。M650より660円安い。
標準となるのは、他のモデルに先行して発売されたM650だ。M650を含めたSIGNATUREシリーズは新定番と呼ぶにふさわしい、厳選された以下のようなハイエンドモデル譲りの機能を備えている。
ホイール機能「SmartWheel」(M550/M650/M750)
マウスの価格差が最も出る部分がホイールだ。M550/M650/M750に採用されている「SmartWheel」は、低速回転時はクリック感のある精密スクロール、高速回転時はスムースな高速スクロールに切り替わる。自然な感覚に非常にマッチするこの操作性は、一度体験すると普通のマウスホイールには戻れなくなる中毒性がある。少し以前だと、この価格帯で可変速のホイールは不可能だったのではないだろうか。
静音ボタン「Silent Touch」(M550/M650/M750)
キーボードほど激しく入力(クリック)しないからマウスに静音ボタンは不要、と思っている人が多いかもしれない。だが、テレワークなどでビデオ会議を行ったり、カフェなどでPCを使っていたりすると意外にマウスのクリック音も耳につく。
ロジクールの「Silent Touch」は、ラバーアクシュエーターを含むスイッチやボディー内での反響を軽減するノイズ抑制助材など、複数の技術を用いてノイズを大幅に低減している。
そして特に強調したいことは、静音でありながらもクリック感がしっかりと維持されていることだ。これほどまでに操作感が変わらないのであれば、非静音ボタンを選択する意味はないだろう。実際、M550/M650/M750には静音/非静音のバリエーションはない。今後、静音ボタンはあって当然という形になっていくのかもしれない。
Bluetooth/Logi Bolt対応(M550/M650/M750)
M550/M650/M750はBluetoothとLogi Bolt両対応となっており、付属するLogi Boltレシーバーは本体内に格納できるようになっている。Logi Boltは同社のUnifyingに代わる新しい接続方式で、Bluetooth Low Energyワイヤレステクノロジーセキュリティモード1、セキュリティレベル4(米国連邦情報処理標準FIPSモード)をベースとした強固なセキュリティ、輻輳(ふくそう)に強く、遅延の少ないパフォーマンスが特徴だ。
とはいえ、スマートフォンやタブレットなど、PC以外でもBluetoothを搭載する機器が当たり前となっている現在では、あえてBluetoothではなくLogi Boltを使おうという人も少ないかもしれない。だが、Logi Boltが使える環境であればLogi Boltを使うのがおすすめだ。
Logi Boltにはセキュリティの他にもう1つ、「レシーバーとデバイス間でペアリングする」という大きな特徴がある。Bluetoothの場合はペアリングがOSで管理されているため、OSを起動しなければ使用できない。その点、Logi BoltであればPCからはLogi Boltレシーバー自体がマウスなどに見えるため、BIOSやUEFI画面でも利用できる。電池もLogi BoltはBluetoothに比べて2割ほど長持ちするのがメリットだ。
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