検索
ニュース

お一人様≠1人暮らし――エレコムが「1人用家電」に本腰 その狙いは?発売は6月上旬の予定

PC周辺機器メーカーとして知られるエレコムが、調理用家電のラインアップを拡充することになった。この分野には既に競合がひしめいているが、「1人の時間を豊かにする」というコンセプトをもとに、小型製品に特化して展開していくという。どのような製品があるのか、チェックしていこう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 エレコムは4月11日、家電ブランド「LiFERE(リフィーレ)」の新製品を発表した。発売は6月上旬を予定しており、同社の直販サイトなどを通して販売される。

家電
今回新たに投入される家電製品は、全て「1人前」の調理に最適化されている

新製品のラインアップ

 新製品は「炊飯器」「ポット型コンベクションオーブン」「卓上調理鍋」の3種類で、1人前の調理に最適化されていることが特徴だ。

1合のご飯をおいしく炊ける「IH式炊飯器」

 「HAC-RCIH01シリーズ」は、1合炊きに最適化されたIH(電磁誘導加熱)式炊飯器だ。単身世帯だけでなく、ご飯を少量炊きたい場合の「2台目の炊飯器」としてのニーズも狙っているという。カラーはホワイト、ブルー、ブラックの3つを用意しており、税込みの想定販売価格は1万2800円となっている。

IH炊飯器(HAC-RCIH01シリーズ)
IH式炊飯器(HAC-RCIH01シリーズ)は3色展開となる

 このIH炊飯器は、「炊飯器が欲しくても、置く場所がない」「炊きたて(のご飯)を食べたいけど、量は1合で十分」「どうせ買うなら、美味しく炊けるものが欲しいけれど、ぴったりなものがない」というユーザーの声から開発されたという。既に競争の激しいIH炊飯器において、超小型の製品がないという「市場の“穴”」を狙った面もあるようだ。

狙い
「1合炊き」という競合のいない所を狙って商品開発を行ったようだ。「少ない容量でも、妥協せずに選んでほしい」という思いもあって、あえてIH式としている面もある

 炊飯釜は「複合クラッド厚釜」で、1合炊きに最適化されている。「小容量ゆえに、作るのはむしろ大変だった」そうだ。付属のざる釜を利用すれば、「糖質カット炊飯」もできる。

 ボディーサイズは約165(幅)×126(奥行き)×237(高さ)mmと縦長で、電気ポットと同じ感覚で扱える。収納に面積を取らない。消費電力は最大400Wとなる。

釜
1合炊きに最適化された炊飯釜(下)と、糖質カット炊飯も可能をする際に利用するざる釜(上)。内ぶたと合わせて取り外して、丸洗いすることも可能だ

フライ総菜を温めるのにも便利な「ポット型コンベクションオーブン」

 「HAC-AFP01シリーズ」は、ガラス容器を使った「ポット型コンベクションオーブン」だ。ガラス容器を使うことで、内部の焼き(揚げ)具合を目視しやすい上、したたり落ちた油分を洗い落としやすくなっている。カラーはブラックとホワイトから選択可能で、税込みの想定販売価格は1万6800円だ。

ポット型コンベクションオーブン(HAC-AFP01シリーズ)
ポット型コンベクションオーブン(HAC-AFP01シリーズ)は2色展開となる

 このオーブンは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアにおけるフライ総菜(冷凍品を含む)の充実など、1人暮らし向け(あるいは小容量)のコンベクションオーブンのニーズがある程度見込めると判断して開発されたという。ボディーのサイズは約200(幅)×220(奥行き)×244(高さ)mmと、コンベクションオーブンとしてはコンパクトなサイズとなっている。容器容量は2Lだ。

 熱源は余熱不要なカーボンヒーター式で、最長で60分間の加熱に対応している。フライ総菜の加熱(リベイク)やノンフライ調理はもちろん、焼き芋の調理にも使えるという。

 他の調理家電との併用を考えて、消費電力を最大650Wに抑えていることも魅力である。

ノンフライ調理中
実際にノンフライ調理で鳥の唐揚げを作っている様子。ガラス容器を使っているため、内部の様子を見ながら使えることが強みである
ヒーター
余熱が不要で耐久性もあるカーボンヒーターを採用している
ガラス容器
ガラス容器を使うことで、手入れも楽になったという。内網も汚れを落としやすくするコーティングを施しており、万が一ひっくり返しても飛び出ないように対策もされている
タイマー
加熱タイマーは1分単位で最長60分まで設定できる。リベイク用途で使われることを想定して、デフォルトのタイマーは「5分」に設定されている
いろいろなレシピ
最長60分の加熱ができるので、思った以上にいろいろな調理に対応できることも魅力だ

1〜2人前の鍋物に最適な「IH式卓上調理鍋」

 「HOT DISH cocotte」(HAC-IH01CWH)は、既存製品である「HOT DISH」(HAC-IH01DWH)に付属するIH対応ホットプレートをIH対応深鍋(適正容量800ml)に変更したモデルである。IHヒーター部分と深鍋は分離可能で、オプションのホットプレート(HOT DISHに付属するものと同等)の他、市販のIHヒーター対応調理器具を載せて使うこともできる。カラーはホワイトのみで、税込みの想定販売価格は1万6800円となる。

 なお、HOT DISH cocotteに付属する深鍋も、本体と同時に単品発売される。これを購入すると、HOT DISHを買い換えずにHOT DISH cocotteと同じように使える。税込みの想定販売価格は6800円だ。

HOT DISHシリーズ
HOT DISHシリーズは、ホットプレート付きの「HOT DISH」(左)と、新発売される深鍋付きの「HOT DISH cocotte」(右)の2モデル構成となる。基部に当たるIHヒーター部分は両者で共通仕様となる

 今回、深鍋を付属するモデルの発売に至ったのは、「Makuake」で行われたHOT DISHの先行販売での購入者に対するアンケート調査で「深さのある鍋」に対する要望が多く寄せられたことがきっかけだという。当初は、IHヒーター部から垂直に伸びるような形の深鍋を試作してみたそうだが、HOT DISHのメリットであるコンパクトさを生かすため、深さ50mm、適正容量800mlの小鍋を改めて設計したという。

 この深鍋は、縁を高めとすることで、吹きこぼれがしにくいようにしている。また、普段使う際は周囲に樹脂リングを装着することで、やけどなどへの安全性を高めている。

 IHヒーター部分のボディーサイズは、約204(幅)×214(奥行き)×69(高さ)mmで、重量は約1.2kgとなる。深鍋のサイズは約168(直径)×75(高さ)mmで、重量は約440gとなる。消費電力は200〜800W(4段階調整式)となる。

深鍋
深さ50mm、容量800mlの深鍋を新規開発した。吹きこぼれ対策として、縁を高めとしていることが特徴だ
安全性
安全性にもこだわっている

お一人様≠1人暮らし

 今回の新製品群は、基本的には「お一人様」が利用することを想定して開発されている。ただし、エレコムが考える「お一人様」は、必ずしも「単身(1人暮らし)」ばかりではないという。

 家族を含む同居人がいる場合でも「自分だけの時間を過ごしたい」という思いは確実にあり、それは食事でも例外ではない。ゆえに1人でおいしく食事をしたいというニーズに応えるべく、製品の機能やデザインにこだわったという。

 新製品の発売は6月上旬を予定しているが、いずれも「お一人様」には刺さるスペックとなっている。店頭に並んだら、ぜひ手に取って試してみてほしい。

コンセプト
LiFEREブランドでは、小型調理家電を単なる「1人暮らし用」とは捉えずに、「1人でいる時間を豊かにするもの」と位置付けている
ラインアップ
今回の新製品は、今までカバーできていなかった調理シーンを補完する役割もある(「沸かす」にある電気ポットは、LiFEREブランドではない)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る