Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は6万円弱でSペン付き コスパ良好だが悩ましい点も(2/2 ページ)
サムスン電子ジャパンのAndroidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は、6万円弱でSペン付きという手頃感が特徴である。その実態はどうなのだろうか。実機を検証しつつチェックしてみよう。
プロセッサ的にはローミドルクラス 使い方によっては「力不足」かも
Galaxy Tab S6 Liteは、SoC(プロセッサ)としてQualcommの「Snapdragon 720G」を搭載している。2020年1月にリリースされたミドルレンジスマホ/タブレット向けのSoCで、CPUコアは2基のパフォーマンスコア(Cortex-A76/最大2.3GHz)と6基の高効率コア(Cortex-A55/最大1.8GHz)という構成で、GPUコアはQualcomm独自の「Adreno 618」を備えている。
メモリは4GB、ストレージは64GBと価格なりの仕様ではある。ただし、microSDメモリーカードスロットを備えているので、ストレージ容量が足りない場合は増設可能だ。
「約3年前のSoCで大丈夫なの?」という意見もあると思うので、軽くではあるがベンチマークテストをしてみよう。
まずクロスプラットフォームのベンチマークテストアプリ「Geekbench 6」でCPUのパフォーマンスを確かめてみたところ、シングルコアスコアが「741ポイント」、マルチコアスコアが「1776ポイント」となった。Snapdragon 720Gを搭載するスマホ/タブレットとしては標準的な値である。Webブラウジングや動画視聴には全く支障はない。
次に、Androidスマホ/タブレット向けベンチマークテストアプリ「3DMark Wild Life」で3Dグラフィックスのパフォーマンスを試してみた。スコアは「1055ポイント」である。
このスコアはどう見るべきなのだろうか。ちょうど手元に「Snapdragon 695 5G」を備えるOPPO(オウガ・ジャパン)製スマホ「OPPO Reno9 A」があったので同じテストを実施した所、スコアは「1205ポイント」と本機を上回った。
Snapdragon 695 5Gは、GPUコアとしてAdreno 618のクロックアップ版である「Adreno 619」を搭載している。クロックアップした分だけ、スコアの改善につながったのだろう。
ただ、どちらのSoCも3Dグラフィックスを多用するゲームを楽しむには厳しい状況にあることは間違いない。「スマホより大きな画面でAndroid向けゲームを楽しみたい」という場合は、素直に上位機種であるGalaxy Tab S8+/S8 Ultraの購入を検討した方がいいだろう。
最後にバッテリーの駆動時間もチェックしてみよう。
公称では「ビデオ再生で最大15時間」持つということになっている。画面輝度50%、音声ミュートの状態でYouTubeの動画を連続再生してみた所、12時間44分でバッテリー切れとなった。
Wi-Fi通信しながらこれだけ持つのなら、1日持ち歩いても十分に活用できそうだ。
意外と多いライバル Sペンに魅力を感じるならアリ
Galaxy Tab S6 Liteは「ハイエンドモデルでは手が届かない」という声に応えて登場したAndroidタブレットだ。確かにGalaxy Tab S8+/S8 Ultraと比べれば手頃で、書き(描き)味の良好なSペンが付属することもあり、コストパフォーマンスは比較的良好といえるだろう。
ただ、あと約2万円プラスすれば、ゲームもそこそこ動くGoogleの「Pixel Tablet」が手に入る。こちらはスタイラスペンは別売ではあるものの、スピーカードッグが付属する。ペンが使えることに重きを置くなら、Amazonの「Fire Max 11」ならペンとのセット購入で3万8960円から手に入る。ペンに固執しないなら、Xiaomiの「Redmi Pad」やOPPOの「OPPO Pad Air」も選択肢に入る。
何を言いたいかというと、Galaxy Tab S6 Liteには想像以上にライバルが多いということだ。率直にいえば、購入検討時に相当“迷う”かもしれない。
それでも、「バッテリー不要なSペンが使えること」「PCライクに使えるDeXに対応していること」に魅力を感じるなら本機をお勧めしたい。また、UIの統一性や同期の観点から、既にGalaxyスマホを使っているユーザーにも良い選択肢となるはずだ。
関連記事
- 「Galaxy Tab S6 Lite」の国内モデル発表 Sペン付属、5万円台の“ちょうどいい”タブレットでiPadに対抗
サムスン電子ジャパンは6月20日、オープン市場向けのタブレットとして、「Galaxy Tab S6 Lite」を発表した。価格は5万6799円(税込み)でSamsungオンラインショップにて23日10時に発売する。薄さと軽さに加え、Sペンによる入力、マルチタスクをサポートし、学生や子どもを持つ一般家庭への訴求を目指すとしている。 - iPad Proを超えるお絵描き端末!? 「Galaxy Tab S8 Ultra」レビュー
イラストレーターのrefeiaさんの新連載がスタートです! 初回はサムスン電子ジャパンのAndroidタブレット「Galaxy Tab S8 Ultra」を見ていきます。 - 「Google Pixel Tablet」を競合製品と比較 第2世代Nest Hubの代わりにはならないと思った理由
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回はGoogleが投入した「Pixel tablet」をチェックしよう。 - Amazonの新型タブレット「Fire Max 11」に専用キーボードを取り付けてノートPCスタイルで使ってみた
Amazonから発売されたFire タブレットの新モデル「Fire Max 11」。別売で用意されている専用キーボードとスタイラスペンを使い、ノートPCのように使えるのかを試してみた。 - 実売価格1.8万円弱の実力は? aiwaデジタルの8型Androidタブレット「JA2-TBA0801」の使い道を考える
JENESISが立ち上げた「aiwaデジタル」ブランドから、税込み実売価格で1.8万円弱という8型Androidタブレットが登場した。Androidタブレットとしても破格だが、実際の使い勝手はどうなのか検証してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.