Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は6万円弱でSペン付き コスパ良好だが悩ましい点も(1/2 ページ)
サムスン電子ジャパンのAndroidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は、6万円弱でSペン付きという手頃感が特徴である。その実態はどうなのだろうか。実機を検証しつつチェックしてみよう。
サムスン電子ジャパンが6月23日、10.4型Androidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」を発売した。公式ストアでの販売価格(税込み、以下同)は、専用のスタイラスペン「Sペン」込みで5万6798円と比較的手頃である。
Galaxy Tab S6 Liteがどのような人にお勧めなのか――実際に使ってみた上で検討していこうと思う。
スペックアップされた「お手頃タブレット」
日本におけるGalaxy Tabシリーズといえば、ほぼ1年前にハイエンドの「Galaxy Tab S8 Ultra」や「Galaxy Tab S8+」が登場した。フラグシップモデルということもあり、公式ストアでの販売価格はS8 Ultraが18万8799円、S8+でも12万4800円とAndroidタブレットとしては高価である。
とはいえ、両モデルはAndroidタブレットとしては“珍しい”ハイスペックモデルでもある。「ハイスペックなタブレットは欲しいけれど、『iPad Pro』はちょっと……」というニーズをつかみ、販売面では一定の成功をつかんだようだ。
一方で、サムスン電子はS8+/S8 Ultraについて「価格的に手が届かない(高すぎる)」「もうちょっとコンパクトなモデルが欲しい」というニーズがあることも把握していた。これらの声に応えるモデルが、Galaxy Tab S6 Liteなのだという。
ちなみに、Galaxy Tab S6 Lite自体は初代モデルが2020年に海外で発売されている。今回日本に投入されるモデルは、SoC(プロセッサ)などのスペックを引き上げた2代目(2022年モデル)だ。
10.4型のディスプレイはTFT液晶で、解像度は1200×2000ピクセルとなっている。GalaxyといえばAMOLED(有機ELディスプレイ)というイメージが強いかもしれないが、エントリー〜ミドルクラスでは液晶を採用するケースもある。色味に不自然な点はなく、動画の視聴も問題なく行える。
10〜11型クラスのタブレットは、インカメラを長辺側に搭載して「横向き」での利用をメインに据えるモデルが多い。それに対して、本モデルのインカメラは短辺側にあり、「縦向き」を想定したデザインとなっている。もちろん、画面表示は回転できるので、動画を楽しむ際は横向きにすればいい。
なお、インカメラは約500万画素の固定フォーカスという仕様だ。
アウトカメラは約800万画素のシングル構成で、オートフォーカス(AF)にも対応している。タブレットのカメラに過度な期待をしている人は少ないと思うが、Google レンズや二次元コードの読み取りなど、あると便利な場面は多いだろう。
なお、このアウトカメラにはLEDライトを備えていない。暗所での撮影時に明かりが必要な場合は、自身では賄えないので注意しよう。
スピーカーはAKG監修でDolby Atmos対応
スピーカーはステレオ(2基)構成で、AKGの監修を受けたものとなる。音の再生は横向き利用を想定しているようで、スピーカーは本体の上下に配置されている。Dolby Atmos規格のサラウンド再生にも対応しているので、このサイズのタブレットとしては十分な音質を楽しめる。
本体上部には3.5mmのイヤフォン/マイクコンボ端子を、下部には充電端子を兼ねるUSB 2.0 Type-Cポートを備える。USB 2.0 Type-CポートはUSB機器の接続に対応する一方で、映像出力には対応していない。映像を外部出力したい場合は、Wi-Fi経由(Miracast/Chromecast)で行える。
Sペンは充電不要 使い勝手も良好
先述の通り、Galaxy Tab S6 LiteにはSペンが付属する。上位モデル向けとは異なり、Bluetoothによる通信機能はなく、充電も不要だ(≒本体側の給電で稼働する)。
本体にペンを収納するスペースはないが、本体の長編側の側面に磁力で貼り付けることはできる。ただし、貼り付けられる位置と向きが限定的なのが気になった。
なお、純正オプションの「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」(直販価格9240円)には、Sペンの収納スペースもある。本体とSペンを合わせて頻繁に持ち運ぶなら、こうしたケースを使うのが無難そうだ。
Sペンの使い勝手自体は良好だ。Sペンを画面に近づけると、画面端にアイコンが表示される。それをタップすると、「Samsung Notes」を使ったノート(メモ)の新規作成など、Sペンに関する操作メニューが表示される。このあたりの使い勝手は、Sペン対応Galaxyスマートフォン/タブレットと変わりない。
プリインストールされているSamsung Notesアプリは、その名の通りノートを取るためのアプリで、ほぼ全てのGalaxyスマートフォン/タブレットにプリインストールされている。特にGalaxy S22 Ultra/S23 Ultraを含むGalaxy Noteシリーズや、Galaxy Z FoldシリーズといったSペン対応スマホを使っている人にはなじみが深いものだろう。
Sペンに対応するGalaxy Tab S6 Liteでも、Notesアプリのメリットは十分に生かせる。手書き文字のテキスト化は日本語にも対応しているので、自分の書いた文字をテキストデータとして活用することも可能だ。
ペンの追従性は悪くなく、絵心があればちょっとしたイラスト描きにも活用できそうである。
PCライクに使える「Samsung DeX」は単体で利用可能
Galaxyといえば「Samsung DeX(デックス)」という機能を思い出す人もいるだろう。DeXはPCライクなUI(ユーザーインタフェース)でスマホ/タブレットを操作できるという機能で、現行モデルではスマホのハイエンドモデル(Galaxy Z Flipを除く)なら画面の外部出力で、タブレットなら単体で利用可能だ。
Galaxy Tab S6 Liteもご多分に漏れず、DeXを本体のみで使える。クイックパネルにある「DeXボタン」をタップするだけで、DeXモードと通常(タブレット)モードを行き来できる。純正オプションにキーボードはないが、別途USBまたはBluetooth接続のキーボード/マウスをつなげば、よりPCライクに利用できる。もちろん、DeXモードでもSペンは使える。
PCのようにウィンドウ(アプリ)を並べて使いたいという人は、DeXを試してみてほしい。
先述の通り、本機はDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応していない。もしも本機を外出先でのプレゼンテーションツールとして購入しようと検討している場合は、別途MiracstまたはChromecast(Google Cast)に対応する投影デバイスを一緒に持ち歩く必要がある。
価格や本体仕様を考えると、DisplayPort Alternate Modeの非対応は仕方がないのかもしれないが、やや残念なポイントといえる。
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