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お絵かきデバイスよりもAIのことばかりが思い出されてしまった2023年を振り返るある日のペン・ボード・ガジェット(3/3 ページ)

イラストレーター refeiaさんの連載「ある日のペン・ボード・ガジェット」。今回は、絵師視点での2023年を振り返ってもらいました。

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高級板タブの雄、Xencelabsが液タブに進出

 Xencelabsが液タブを発売したのも大きなトピックでした。

24型液晶ペンタブレットXencelabs Technologiesの「ペンディスプレイ24」をレビューしました
24型液晶ペンタブレットXencelabs Technologiesの「ペンディスプレイ24」をレビューしました

 Xencelabsといえば、板タブでは性能や描き味などで十分な評価と確かな立ち位置を得ており、いつ液タブに進出するかを注目していました。2023年に発売された「ペンディスプレイ24」はとても良いモデルで、Cintiq Pro旧シリーズと正面から勝負できる能力があります。

 ですが、価格もCintiq Pro 24と張り合えるぐらいになっているので、このモデル単体で既に幅を利かせているワコムから立場を奪うのは難しいでしょう。2024年以降も製品展開などで競争力をつけていってほしいところです。

海外メーカー安価液タブの完成度が上がりすぎ

 2023年、海外メーカーの安価な液タブは「Artist 16 Pro」しかレビューしませんでした。

XPPenの16型液晶ペンタブレット「Artist Pro 16(Gen2)」です
こちらは、XPPenの16型液晶ペンタブレット「Artist Pro 16(Gen2)」です

 実質その1台しか見ていないのに、「2023年の鉄板モデルはコレ」と言いたくなるぐらい印象は良かったです。見た目もかっこよく、ディスプレイも堅実に進化していて、ペンも強い筆圧に弱かったのが直っており、縦横比や解像度など「Cintiq Pro 16」との差別化をしっかりした上で7万円台というのは何かもう、これ以上のものが要るか?(ボクはマルチタッチが要るけど)という気持ちです。

 XPPenは見ての通りです。HUIONはまだ見ていないですが既に良くなっているか、なっていないなら競合を追ってすぐに良くなるでしょう。ここで悩ましいのがレビューをする動機です。

 安価な機材はこれまで、「安くてちゃんと使える液タブはどれだ」的な気持ちが執筆意欲を高めていました。それが、どれもが使えるモデルになったら。どれでもいいじゃんで終わりです。さて……どうしますかね……。

2024年は良き物欲の年になりますように

 実は2022年のまとめ記事で「2023年はよき物欲の年になるように」と祈ったものの、今年はドライブが楽しくて旅行でお金をつかってしまい、GeForce RTX 4070 TiとCintiq Pro 17はともかくとして、いまひとつ気持ちよくガジェットを買えませんでした。

 また、項目には挙げませんでしたが、サムスン電子ジャパンの「Galaxy Tab」シリーズも注目しています。手元ではS8+(12.4型/Sペン付き)をずっと日常的に使っていて、使いやすさをかみしめているので、2023年も引き続きS9やS9 FE、S6 Liteなどのモデルが国内展開されているのを心強く感じていました。もうちょっと目立っていってほしいところです。

 というわけで、概ね出そうなiPad Proと、出るかもしれないスタンダードCintiqの新型、そしてガジェットの価格高騰が終わる夢を見ながら年を越します。

 2024年も、よろしくお願いします!

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