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Intelがデスクトップ/ハイエンドモバイル向け「Coreプロセッサ(第14世代)」発表 モバイル向けには「Core U(シリーズ1)」を投入(1/2 ページ)

Intelが新型CPUを一気に発表した。今回発表されたものは、いずれも第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)のリフレッシュ製品で、Core Ultraプロセッサではリーチできないニーズに応える。【訂正】

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 Intelは1月8日(米国太平洋時間)、デスクトップ向け「Coreプロセッサ(第14世代)」の追加ラインアップと、モバイル向け「Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)」「Core Uプロセッサ(シリーズ1)」を発表した。搭載製品は順次登場する他、デスクトップ向け製品についてはパッケージ品の販売を同日から開始する。

【訂正:1月10日16時45分】Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)の説明について、箇条書きの一部が意図通りに記載されていなかったため修正いたしました

ハイエンドモバイル向け「Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)」

 「Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)」は、モバイルワークステーションやエンスージアスト(求道者)が使うゲーミングノートPC向けのCPUだ。設計的には「第13世代Coreプロセッサ」のHXシリーズのマイナーチェンジ版で(開発コード名:Raptor Lake Refresh)、基本的には最大動作クロックを引き上げたものだと考えればよい。基本消費電力(PBP)は55W、最大消費電力(MTP)は157Wに設定されている。

Core HXプロセッサ
Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)は「世界最速のモバイルプロセッサ」だという

 他のモバイル向けCPUとは異なり、HXシリーズはデスクトップ向けCPUの設計を流用している。第14世代でもこの点は変わらず、一部のポート類や機能は別チップ(PCH)を介して提供される。

 その上で、本世代で改良(変更)されたポイントは以下の通りだ。

  • Core i7の一部モデルで高効率コア(Eコア)を増量
    • バックグラウンドタスクの処理パフォーマンスを改善
  • 「Intel Application Optimization(APO)」を利用可能に
    • 特定ゲームタイトルの動作パフォーマンスを引き上げるチューニングを自動で施す
    • 現時点では3タイトルで利用可能(近日中に5タイトルを追加予定)
    • Core i7/i9で利用可能(Core i5は非対応
  • DDR5メモリの最高速度を毎秒5600MTに統一
    • 下位モデルでDDR5メモリを利用する際のパフォーマンスが改善
  • 外部チップを介して「Thunderbolt 5」に対応
    • PCI Express 4.0ベースで、最大80Gbpsの通信をサポート
    • 非対称通信モードを利用すると片方向のみ最大120Gbpsで通信可能
  • 外付けモジュールを介して「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」に対応(※1)
    • Wi-Fi 7モジュールを接続した場合はBluetooth 5.4も利用可能

(※1)IEEE 802.11beは規格として確定していない(2024年内に確定見込み)

ブロックダイヤグラム
CPUとしての基本設計は、先代(第13世代)と変わりない
APO
Core i7/i9ではIntel APOを利用することでゲームの処理パフォーマンスを引き上げられる。ただし、APOはホワイトリスト形式で、特定のゲームタイトルでのみ有効なので気を付けたい
Wi-Fi 7
外部モジュールを接続することでWi-Fi 7やBluetoothにも対応できる。ただし、Wi-Fi 7は現時点では暫定規格(ドラフト)段階で、正式確定は2024年内を予定している
TB5
外部チップを搭載することで、Thunderbolt 5ポートを増設できるようになっている
Core Ultraとの違い
Core Ultraプロセッサ(Hシリーズ)との違いをまとめたスライド。基本的には「用途に合わせて選ぼう」ということになるのだが、絶対的なCPUパフォーマンスを求める場合はCoreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)を選んだ方が良さそうである

ラインアップ

 Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)のラインアップは以下の通りだ。

【Core i5】

  • Core i5-13450HX
    • Pコア:6基12スレッド(2.4GHz〜4.8GHz)
    • Eコア:4基4スレッド(1.8GHz〜3.5GHz)
    • GPUコアのEU:16基
    • L3キャッシュ:20MB
    • 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
  • Core i5-14500HX
    • Pコア:6基12スレッド(2.6GHz〜4.9GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(1.9GHz〜3.5GHz)
    • GPUコアのEU:16基
    • L3キャッシュ:24MB
    • 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200

【Core i7】

  • Core i7-14650HX
    • Pコア:6基12スレッド(2.2GHz〜5.2GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(1.6GHz〜3.7GHz)
    • GPUコアのEU:16基
    • L3キャッシュ:30MB
    • 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
  • Core i7-14700HX
    • Pコア:8基16スレッド(2.1GHz〜5.5GHz)
    • Eコア:12基12スレッド(1.5GHz〜3.9GHz)
    • GPUコアのEU:32基
    • L3キャッシュ:33MB
    • 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200

【Core i9】

  • Core i9-14900HX
    • Pコア:8基16スレッド(2.2GHz〜5.8GHz)
    • Eコア:16基16スレッド(1.6GHz〜4.1GHz)
    • GPUコアのEU:32基
    • L3キャッシュ:36MB
    • 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
ラインアップ
Coreプロセッサ HXシリーズ(第14世代)のラインアップ
最上位同士の争い
競合の「Ryzen 9 7945HX」を基準とした場合の「Core i9-14900HX」のゲームの平均フレームレート。ごく一部のタイトルを除いてCore i9-14900HXの方が優位ということを示している
L3キャッシュ爆増しでも優位
L3キャッシュを大幅増量した「Ryzen 9 7945HX3D」を基準とした場合も、平均フレームレートにおいてCore i9-14900HXも負けていないというグラフなのだが、先のグラフとは比較対象のタイトルが異なる点が非常に気になる
99パーセンタイル
同じくRyzen 9 7945HX3Dを基準として99パーセンタイルでフレームレートを比較した図。フレームレートの安定性にも優位性を持つというものだが、比較タイトルが減っているのが気になる
ゲーム以外
ゲーム以外のワークロードでは、「全部がパフォーマンスコア(Pコア)」であるRyzen 9 7945HXに対して優位を保っている
モデリング
VR/MRコンテンツの作成にもピッタリであることをアピールしている

 次のページでは、メインストリームモバイル向けのCore Uプロセッサ(シリーズ1)を紹介する。

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