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「見たまま印刷」から「AIで望み通りに印刷」へ――HPの新プリンタソフトウェアが革命を起こしそうな件HP Amplify Partner Conference 2024(1/3 ページ)

HPが3月6日と7日(米国太平洋時間)に開催した年次イベント「HP Amplify Partner Conference 2024」では、同社の戦略が語られた他、同社にパートナー企業のCEOも登壇するなど一定の盛り上がりを見せた。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOやAMDのリサ・スーCEOも登場したのだが、個人的に一番注目したいのが「プリンタソフトウェア」だ。

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 HPは3月7日(米国太平洋時間)、米ネバダ州ラスベガスで年次イベント「HP Amplify Partner Conference 2024」の2日目を開催した。その基調講演(ジェネラルセッション)で、同社は法人向け「AI PC」のラインアップを披露した他、Poly(ポリ)ブランドのビデオ(Web)会議ソリューション、NVIDIA製外部GPUを備えるモバイルワークステーション、新型プリンタも発表した。

 また同社は、2024年末までに投入する計画の「生成AIを活用したプリンタツール」を紹介。プリントレイアウトの調整に生成AIを活用する“少し先の未来”を示した。

生成AIを活用したプリンタツール
生成AIとやりとりしながら、プリンタの印刷レイアウトを調整するデモンストレーション

NVIDIAフアンCEO「科学者はHPのワークステーションを求めている」

 1日目の基調講演と同様に、2日目もHPのパートナー企業のCEOがリアルまたはバーチャル登壇し、同社のエンリケ・ロレスCEOと対談を行った。そのトップバッターは、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOだ。

フアンCEO
2日目の基調講演のゲストのトップバッターとして、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがリアルで参加した

 フアン氏は冒頭、半分冗談を交えながらHPのワークステーションがいかに科学の発展に貢献しているかを説明。HPの販売パートナーを大いに沸かせた。

フアンCEO NVIDIAはGPUとCUDAのソフトウエアスタックでコンピューティングの形を再定義した。それを我々は「アクセラレーテッドコンピューティング」と呼んでおり、まずはクラウドのデータセンターで始まった。そして我々が『Tensorコア』と呼んでいる、AIのためのエンジンがクライアント向けGPUにも入ってきており、コンピュータはデータを認識して、本を、音楽を、画像を、動画を、3Dを、そして今や科学も認識できるようになっている。

 世界中の科学者が使っている「pandas」というデータ解析のアプリケーションがあるが、それもNVIDIAのGPU上で演算されており、世界で1000万人の科学者が活用している。それを、科学者はNVIDIAのGPUが入ったHPのワークステーション上で実行している。だから、皆さんはHPのワークステーションをもっと販売しないといけない(笑)。

 その上で同氏は「これからのPC」がどうなるのか、ジョークを続けつつ展望を語り多くの喝采を受けた。

フアンCEO PCは、今“ルネサンス期”を迎えている。AIという30年に1度の大きな変革期を迎えて、ユーザーはLLM(大規模言語モデル)でプロンプトに指示を出すだけプログラミングができるようになる。知的労働者や科学者にとって、PCは有益な装置であり、今後はその価値がさらに上がっていくだろう。

いつもの革ジャン
トレードマークの革ジャンを着こなし、いつものジェンスン節をさく裂させるフアンCEO

HPのモバイルワークステーション「ZBook」の新モデルも披露

 今回のイベントに合わせて、HPはモバイルワークステーション「ZBookシリーズ」の新製品として「ZBook Power G11」「ZBook Firefly G11」「ZBook Studio G11」「ZBook Fury G11」を発表した。

 いずれの製品もNVIDIA製の独立GPU「NVIDIA RTX Ada Laptop GPU」を搭載し、CPUは最新の「Coreプロセッサ(第14世代)」または「Core Ultraプロセッサ(Hシリーズ)」に強化されている(一部、GeForce RTX 40 Laptop GPUや第13世代Coreプロセッサを搭載するモデルもあり)。いずれも展示会場で展示されており、米国では4〜5月に出荷が始まる今後出荷されることになるとHPは説明した。

ZBook Power G11
16型の「ZBook Power G11」は、3Dモデリング、AI処理を伴うコンテンツ、重量級のデータを扱うのに最適な1台とされている
キーボード
キーボードはテンキー付きで、タッチパッドは大きめだ
ポート類
ZBook Power G11の左側面にあるポート類
ポート類
ZBook Power G11の右側面にあるポート類
ZBook Firefly G11
「ZBook Firefly G11」は、AIを生かした8K動画の編集、3Dレンダリング、VFXやローカル(オンプレミス)でのAIモデルの開発/調整を行う用途に最適だという
キーボード
本モデルもキーボードはテンキー付きだが、よく見るとZBook Power G11とは矢印キー回りの形状が異なることが分かる
左側面
ZBook Firefly G11の左側面にあるポート類
右側面
ZBook Firefly G11の右側面にあるポート類
ZBook Studio G11
「ZBook Studio G11」はCore Ultraプロセッサ(Hシリーズ)を搭載した可搬性重視モデルで、AIを利活用する用途にも向いている
ZBook Fury G11
「ZBook Fury G11」

 基調講演の後半には、AMDのリサ・スーCEOがバーチャル出演した。

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