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80年代レトロファミコン風のミニPC「AYANEO Retro Mini PC AM02」の実力をチェックする(1/2 ページ)

80年代に米国で販売されたファミコン「NES」。それをオマージュしたデザインのデスクトップPCが「AYANEO Retro Mini PC AM02」だ。カッコカワイイ見た目だが、果たして実用性はどうなのだろうか。仕事で使ってみた印象とベンチマークテストの結果を紹介する。

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 前回、前々回と紹介してきたNES風レトロルックのミニデスクトップPC「AYANEO Retro Mini PC AM02」(以下、AM02)は、CPUにAMD Ryzen 7 7840HS、メモリは16GB(DDR5)、ストレージは512GB(M.2 NVMe SSD)を搭載している。

→・「これはNES?」「いえ、ゲーミングPCです」 片手で持てるミニデスクトップPC「AYANEO Retro Mini PC AM02」を開封した

→・NES風レトロルックな「AYANEO Retro Mini PC AM02」を分解──メモリとSSDを換装してみた

 メモリとストレージの容量はハイスペックとはいえないが、決して低すぎるわけはない。このスペックで記事執筆や画像編集、動画編集を行う筆者のような仕事環境で使い物になるだろうか。

 実際に2週間ほど仕事で使い倒し、さらにベンチマークテストも行ってみたので、参考にしてほしい。

「AYANEO Retro Mini PC AM02」
「AYANEO Retro Mini PC AM02」

そのまま仕事用として使い続けたくなるサクサク感

 セットアップしたときは、キーボードに「LIFEBOOK UH Keyboard」、ディスプレイに「DomyFan」を利用した。

 実際の仕事環境では、キーボードに「HHKB Professional HYBRID Type-S」、マウスにキングジムのスキャナーマウス「MSC10」(一太郎バージョン)、ディスプレイにアイ・オー・データ機器の21型「LCD-MF225XBR」とアイティプロテックの 15.6型フルHDモバイルディスプレイ「LCD15HCC-IPS」を利用してみた。

リアルな仕事環境
AM02をセッティングしたリアルな仕事環境

 AM02本体には4基のUSB Standard-A端子の他に、HDMI出力とDisplayPort出力も搭載しているので2画面出力が可能だ。よって本体だけでも十分そうだが、DisplayPortで使えるケーブルを持っていなかったこともあり、本体の前面にあるUSB4(USB Type-C)端子に「Anker PowerExpand 8-in-1 USB-C PD 10Gbps データ ハブ」を接続して2画面出力を行った。こうしたハブと組み合わせれば、SDメモリーカードに保存した写真などの読み込みにも対応できるので便利だ。

 試した作業は、Google ドキュメント上へテキストの入力、「PhotoScape X」を利用した画像編集、「Microsoft Clipchamp」を用いた動画編集などだ。写真は1枚4.4MB程度のJPGファイルを使った。

 テキスト入力では、高速タッチタイピングを行ってもしっかりついてくるイメージで、「変換のためにスペースキーを押しても候補が表示されない」「入力したはずのテキストが表示されない」などといったもたつきは全くなかった。

 動作の遅いPCでは「タイピングしても入力できていない、表示されない」ということが頻発し、作業効率が悪くなってしまう。AM02に関してはそういったレベルの心配は不要だ。

 写真編集でも、1枚あたりの容量が大きいにもかかわらず、読み込みも編集もスイスイできて快適だ。筆者がメインPCとして使っている「GPD Pocket 3」の問題なのかアプリの問題なのかは不明だが、筆者の普段の環境では5〜6回に1度は編集中にPhotoScape Xが落ちてしまうのだが、AM02での作業中は1度も発生しなかった。

編集中の負荷
4.4MB程度の画像では、図形を挿入するなどしてもCPU使用率は低めに推移する。メモリ使用量は55%だ

 では、4枚、9枚、12枚の写真をタイル状に並べる「連結」機能で負荷をかけてみたらどうだろうか。試してみた。

 4枚連結で9728×7296ピクセルの20.1MB、9枚連結で14592×10944ピクセルの43.2MBという大きなサイズの画像ファイルが完成したが、どちらも作成中に重いと感じることはなかった。CPUは2%程度の使用率、メモリは多くても60%の使用量となった。

9枚連結時の負荷
1枚4.4MBの画像を9枚連結させても、CPUはほぼ動かず、メモリのみ60%使用量がある状態だ

 では、12枚ではどうだろうか。こちらは出来上がりサイズが19456×10944ピクセルの55.7MBというデータサイズになった

画像ファイルの大きさ
大きくて重い画像データが完成した
作成中
12枚の画像を連結中。この作業ではほとんどCPUに負荷がかからなかった

 連結した巨大な画像をそのままPhotoScape Xで編集してみたところ、もたつきは感じられなかった。ただ、保存には3秒ほど時間がかかり、CPUやメモリの負荷もそれなりにかかっていた。

巨大サイズの画像を編集中
巨大なサイズの画像にテキストを入れてみたが、CPUには余裕があった
保存時の負荷
保存時に負荷がかかっていたのは、山があることから分かる

 たまに必要になる動画編集を想定して、字幕やトランジションの挿入などを試してみたが、スムーズであった。とはいえ、10分程度の元動画から1分半程度の尺の動画を切り貼りしながら作る程度なので、本格的に動画作成をしたいという人にはあまり参考にならないかもしれない。

動画編集中の負荷
動画編集中のCPUとメモリへの負荷。キャプチャー用に短い動画で試しているが、長い動画では「メディアのインポート」でサーバへアップロードするときに時間のかかることがあった
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