「Sonos Ace」はホームサウンドシステムと仲がいい、家族思いの高級ヘッドフォン ブランド初の新製品がついに登場(2/3 ページ)
ホームサウンドシステムなどを手掛ける米Sonosが、初のヘッドフォン「Sonos Ace」を6月下旬に全世界で発売する。ホームサウンドバーとの連携が特徴で、価格は7万4800円(税込み)。
Sonosがヘッドフォンに参入した理由
Sonosはこれまでホームサウンドシステムとしてリビングに設置するサウンドバーや、ワイヤレススピーカー、ポータブルスピーカーなどを手掛けてきた。2002年の創業以来、家庭におけるワイヤレスオーディオに注力してきたというが、ファンからはヘッドフォンのようなカテゴリーにも製品を投入してほしいという声が多く寄せられていたという。
同社のデーン・エスティス氏(プロダクト・マーケティング・マネージャー主任)は「Sonosの製品ならば、卓越したサウンドも必要だ」と話す。
「Sonos Aceは快適さを重視しつつも、プレミアムなデザインを提供したかった。ロスレスオーディオや空間オーディオの再生にも対応しており、(サラウンドの)映画のようなリスニング体験を提供している。こだわり抜いたSonos初の製品を発表できることをうれしく思う」(エスティス氏)
Sonosのヘッドフォンならではの機能として、サウンドバーとの連携がある。あらかじめセットアップしておけば、サウンドバーから再生していたサウンドの出力先をワンボタンでシームレスにSonos Aceへ切り替えられる。
Sonos Aceとサウンドバーは5GhzのWi-Fiで接続される。家族が寝ていたり、リモート会議中であったり、深夜で近所迷惑にならないように配慮したりと、さまざまな場面で役立つものだ。
Sonosのスコット・フィンク氏(特任プロダクト・マネージャー)は、「オーディオに妥協することなくテレビを楽しめる」と自信を見せた。特に空間オーディオに関しては、幾度となくチューニングが施したという。
「Sonos Aceの目標は『没入型のパーソナルなリスニング体験を提供すること』だった。ヘッドフォンで聞いていると感じさせないようにしたい。リビングルームでは、まるでスピーカーがうまく配置された3Dオーディオシステムで聞いているような体験を提供する」(フィンク氏)
Sonos AceはDolby Atomsに対応しており、7.1.4chのサラウンドに対応している。音声ソースがステレオであっても、7.1.4chのサラウンドに変換して音に囲まれている体験を生み出すとしている。
その空間オーディオを実現するために、Sonos Aceではダイナミックヘッドトラッキング機能を搭載している。センサーで検知した頭の向きなどをサウンドバーに送り、そのデータから適切な空間オーディオを提供する。これが他社との差別化だという。
2024年後半にはさらなる高度な機能として、サウンドバーから出力した音声をSonos Ace側のマイクで受け取って空間マッピングし、よりリアルなサラウンドサウンドを生み出す「TrueCinema」の提供も始める。
「人間は部屋に入ると、無意識に空間の中で音がどのように聞こえてくるかを把握する。しかし、通常のヘッドフォンはそういった聞こえ方の文脈は消えてしまう。TrueCinemaは、脳が期待している音の聞こえ方を、ヘッドフォンの聞こえ方にマッチさせる。ヘッドフォンを装着した状態でサウンドバーからセットアップ用の音声を流す。Aceのマイクがサウンドバーの音を補足し、部屋の形状がどのように音色を変えているのかを検知する。Aceとサウンドバーが、空間オーディオのレンダリングに必要な情報を認識できる。より自然な音を出せるだろう」(フィンク氏)
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