ワコムが有機ELと出会ったら……極薄で最軽量液タブ「Movink 13」をプロ絵師が試したぞ!:ある日のペン・ボード・ガジェット(4/5 ページ)
ついに、ワコムから有機EL採用のタブレットが発売されました。めちゃ薄くて500mlのペットボトルよりも軽い新モデル「Movink 13」をイラストレーターのrefeiaさんが試しました。
操作性も良好
本機は側面に2つの物理キーと、表面に2つのタッチキーがあります。そして、タッチとペンで直接ディスプレイ設定を変更できるOSDが実装されています。
これはイマドキのモバイルディスプレイ的な仕様で、反応もよいので必要に応じてサッと設定を変更できて便利です。運搬して利用する機会が多いのを考えると、輝度の設定がメニュー最上位に出ているのも好印象ですね。
ドライバのファンクションキーとしては上記のうち3つまでを利用でき、残りの側面キー最低1つが、OSD呼び出し用になります。
Androidスマホでガチ制作!?
これまであまり触れてきませんでしたが、ワコムはAndroid端末での利用に以前から取り組んでいて、本機もAndroid端末とChromebookに対応しています(Movinkはページの下の方にあります)。
手元の端末の中では、スマホではないですが「Galaxy Tab S8+」が動作しました。アプリやドライバなどの導入は不要で、接続しただけで表示されてペンも使えるようになり、タッチ操作も含めて13型のAndroid端末のような感覚で操作できます。
セルシスの「CLIP STUDIO PAINT」はフル機能のAndroid版もあるので、最近の高性能なスマホと本機を合わせれば、業務レベルの手の込んだ制作までが見えてきそうで夢がありますね。
使用感も上々 意外な姿勢で描いてしまい驚く
さて、接続をPCに戻して実際にそれぞれの工程で利用してみましたが、やはり描きやすいです。線画の工程で懸念だったドット感は、自分が使う鉛筆系のブラシではさして気になることはなく、特に手を動かしている間は気にする余裕はありません。
13型フルHDといえばCintiq Pro 27とだいたい同じピクセル密度で、実用上問題がある仕様というわけでもありません。そして彩色から仕上げでは、フルHDは遅くないPCで使ったとしても4K(3840×2160ピクセル)よりサクサク感が向上するので、作業中の気分は悪くないです。
全体として、普段使っている「Cintiq Pro 17」よりも若干ツルツルした描き味なの以外は、ほとんど違和感なく作業できました。ドット感が気になる瞬間は正直ありますが、イラスト自体よりもアプリの文字を見ているときが主でした。
そして特に印象的だったのが、リラックスした姿勢でも作業できてしまうことです。
本機がめちゃくちゃに軽いので、ポンと手に取り、椅子にもたれて、足を組んだモモの上でスルスルと落書き、みたいな動作を自然にしてしまい、上位機だからガチ作業だろうと思っていた自分としては意外で、楽しくもありました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。
ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ
ワコムが4月24日、クリエイター向けの新デバイス「Wacom Movink 13」を発表、5月15日から発売される。ワコムストアでの直販価格は税込み11万8800円だ。
「Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch」は実質Cintiq Proか!? プロイラストレーターが試す
ワコムのエントリー向け液晶ペンタブレットがガラリ生まれ変わりました。選択肢が増えた新型を、プロイラストレーターのrefeiaさんがチェックします!
究極の液タブは55万円! ワコムの新モデル「Cintiq Pro 27」をプロ絵師がレビュー
ワコムから待望の新型液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 27」が登場した。発売に先立ち、イラストレーターのrefeiaさんが実機を試してみた。新モデルの出来栄えは、いかに?
「究極の液タブ」は小型化しても究極のまま? ワコムの「Cintiq Pro 17」をプロ絵師がレビュー
ワコムが10月に発表したプロクリエイター向け液晶タブレット「Wacom Cintiq Pro」シリーズ。今回は、より小型な「Wacom Cintiq Pro 17」をプロイラストレーターのrefeiaさんが試します。



