なぜASUSは「Copilot+ PC」を他社に先駆けて数多く用意できたのか? 同社幹部に聞く:COMPUTEX TAIPEI 2024(3/4 ページ)
COMPUTEX TAIPEI 2024の期間中、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の幹部が日本のメディア向けにグループインタビューを行った。同社の気になる動きをウォッチした。
ポータブルゲーミングPCの開発には今後も意欲を示す
―― ROG Allyシリーズは、今後も製品ラインアップの1つの柱として成長が見込めると考えていますか?
ピーター・チャン 2023年に「ROG Ally」を発売した後、私たちは非常に良い反応を得ることができました。特に日本は大きな売上げと成長があった国の1つです。PCゲームの市場はまだ成長し続けており、このセグメントも引き続き大きなチャンスがあると考えており、これからも意欲的に開発を継続していきます。
今回発表したROG Ally Xでは、バッテリー容量を倍増し、USB4(Thunderbolt 4)端子も加わるなど先代製品から大きく進化しており、現時点でのパーソナルコンソールとして完璧な選択だと考えています。
―― ライバルと見ている製品はありますか?
ピーター・チャン 当初は「Steam Deck」を競合と想定していましたが、ROG Allyは、Windows 11が動くポータブルPCとしても受け入れられています。
私の息子もROG Allyで宿題をしていたりするなど、Windows 11ベースであることで活用の幅が広がっています。Windows 11ベースのPCとしては、現時点では特に意識している製品はありません。
―― Windows 11ベースの製品としては、AYANEOなどの中国製品の他に、LenovoやMSIなどからも製品が登場していますが、それらに対しての優位点は何だと考えていますか?
デビット・チュー ROG Ally Xに導入している「ROG Armory Crate」ユーティリティーは重要なアドバンテージの1つです。ランチャーとして、Steam/Xbox/Epic Gamesストアなどのゲームライブラリーに保存されているゲームにワンストップでアクセスできたり、ボタン機能やゲームプロファイル、システムメモリとグラフィックリソースの割り当てなど、パフォーマンスモードの設定を切り替えたりできます。
また、フレームレートを向上させ、スムーズな動きを実現するフレーム生成技術である「AMD Fluid Motion Frames」(AFMF)を、いち早くサポートしています。さらに、新型のROG Ally Xについては、放熱設計の改良により、Z1 Extremeの性能を最大限に引き出しているだけでなく、メモリ/ストレージ/バッテリー容量などを大幅にアップグレードして、Thunderbolt 4を含むデュアルUSB Type-Cポートを備えています。こういったスペックの面でも優位に立てていると思います。
電子ペーパー天板「Project DALLI」の製品化は? BTOの今後
―― 法人向け市場においては、WWAN機能(5Gまたは4G LTE)が重要だと思います。WWAN機能についてのお考えをお聞かせください。
アルヴィン・チェン WWAN機能の重要性は我々も認識しています。最近では教育市場向けにLTEとeSIMをサポートした製品を発売していますが、今後さらに多くの法人向け製品を現在開発中です。
―― ASUS Storeにおいて4月からExpertBookシリーズのBTOサービスが開始されました。反響や今後のプランを教えてください。
アルヴィン・チェン BTOは、現在日本が注力している重要な取り組みの1つです。サービス開始後の最初の30件の注文で、ポジティブなフィードバックを得ています。全ての注文は、Core i7またはCore i5のCPUで、32GBメモリへのアップグレードが選択されており、よりハイスペックな構成が好まれる傾向にあります。
また、今後は出荷のリードタイムを14日から10日に短縮すること、2024年中にデスクトップ製品をBTOカテゴリーに入れること、2025年の終わりまでにより多くの製品ラインを増やすことを目標としています。
―― 展示会場には「Project DALLI」という天板に電子ペーパー(E Ink)を搭載した製品のプロトタイプがありました。製品へ実装する予定はありますか?
ピーター・チャン Project DALLIについては、現在開発段階です。具体的な投入時期などは決まっていません。これから検討していきます。
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